今から60年ほど前、私にも少年期や思春期があった。終戦から間もない時代だった。
顔中からニキビが吹き出て、気になって仕方がなかった。
友人たちのすべてが同じようなニキビ面だったわけではない。すべすべした顔の同級生もいたにはいたのだ。
栄養のバランスという説もあった。そう言えば、金持ちの息子にはニキビ面がいなかったかもしれない。
友人たちの間で、ラブレターの話題が出たこともあった。代筆を頼まれもした。
あの頃は、同級生ではあっても、女の子とは気楽に話しができなかった。
どこかにイビツな翳の残った時代だった。
しかし私にとっては、かけがえのない少年期だった。
もはや取り戻しようがない。淋しいかぎりである。
囀りや吾にもありし少年期 鵯 一平
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