新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

それでいいのですか?

2010年09月28日 13時53分31秒 | コラム・エッセー

 日本の国及び国民は、昭和20年(1945年)8月にポツダム宣言を受諾してから、意識が大きく変わってしまった。

 自立しようとする日本人の意識を危険視したGHQは、手を変え品を変えてそれを妨害し、日本人もそれをいいことに、経済にばかり目を向けてしまった。

「第二次世界大戦を起こしたのは日本国だ。日本人は悪逆非道を繰り返した」

 アメリカも中国もソ連もオーストラリアも、口を揃えて叫んだ。その合唱の結果が東京軍事裁判の判決だった。

 日本人自身も、「悪かったのは日本人。悪かったのは日本の軍国主義」と、すっかり洗脳されてしまった。その挙げ句、あの「無差別大量殺戮」の原子爆弾の投下すら、「日本が悪かったのだから仕方がなかった」と、思い込まされてしまっていた。

 以来、軍隊を持つことは罪悪と思ってしまった。

 お陰で経済的には発展したが、日本人の心から、「自立自尊」の精神が消えてしまった。

 その結果が、今の日本だ。

 日本固有の領土である尖閣諸島で、中国漁船が日本海上保安庁の船舶に体当たりをしてきた。

 だから「公務執行妨害」の現行犯で中国漁船の船長を逮捕連行した。ところが、中国政府は大騒ぎ。釈放要求のほか、さまざまな嫌がらせ的な行動に出てきた。

 弱腰だったのは日本だ。「中国との関係を悪化させたくない」という「検察現場の判断」で、かの船長を、「処分保留」のまま釈放してしまった。

 まったくの弱腰。しかも、検察現場の判断だったと言っているのだから驚きだ。危機管理がなっていないどころか、まったくの弱腰。完全な「外交の敗北」だった。

「筋」を通してモノゴトを見ていない。「筋」がない。弱腰なのだ。「中国との間で、紛争を起こしたくない」という視点だけが判断の基準となっている。

 これは決して、安全保障の問題に限らない。世相の荒廃にも影響が及んでいる。

 親の子殺しや子の親殺しなど、日本の世相は目を覆いたくなるばかり。

 食べることにも事欠いた私の親たちは、寝る時間を惜しんで働き、子供たちに与え続けた。「豊かであれば」と思って、どんどん与え続けた。

 私の世代も、自分が味わった「モノがない苦労」を子供にはさせまいとして、せっせと子供たちに与えた。与えようと努力をした。

 その結果、経済的には豊かな社会になったかもしれない。しかし一方では、豊かでなければ我慢できない世の中を作ってしまった。

「お金さえあれば・・・」の風潮が、日本を覆い尽くし、国の安全保障ですらお金で解決できると思ってしまった。すべてはお金で解決できると思い込んだ。奢れる日本、奢れる日本人になってしまったのだ。

 今、そのツケが来ている。

 本当にアメリカは守ってくれるのか。日米安全保障条約は、「一方の当事国が拒否すれば、この条約は成り立たない」のだ。アメリカが「もうイヤだ」と言えば、日本は素っ裸で世界と対峙しなければならなくなる。中国、ロシア、北朝鮮。世界には、虎や狼が跋扈している。韓国だって、いつ牙を見せてくるか分からない。

 日本国憲法の前文には、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの安全と生存を保持しようと決意した」と書かれてある。「平和を愛する諸国民の公正と信義」を前提に作ってあるのが、現行憲法なのだ。

 真に諸外国は信頼に足る存在なのだろうか。過去の事例を見るまでもなく、そのようなことはありえない。

 日本にかかわる事例だけでも、沢山あるではないか。

 憲法自体、世界の実態に合わない前提で作られている。にもかかわらず、日本国内では、憲法改正の論議は大きなタブーとなっている。

 世界の厳しい現実から目をそむけ、日本人は、「誰も彼もいい人」という前提の憲法を後生大事に戴き、論議すらも封じ込めてきた。それが戦後の日本だったのだ。

 北朝鮮の拉致問題、ロシアの北方領土問題、韓国の竹島問題、それに中国との尖閣諸島問題。

 どの問題を考えても、「諸国民の公正と信義に信頼し」ていては、とても成り立たなかったではないか。

 それらに頬被りをしていた日本国および日本人は、これからもさらに大きな傷手を受け続けることになるのだ。

 漂流国家日本は、今や水溶性だ。このままでは溶けてなくなってしまいますぞ。

 尖閣諸島に領土問題はなかった。つまり、国際的にも、「日本の固有の領土」として了解されていたのだ。以前の中国は、尖閣諸島を日本領土として認めていた。しかし、あの地域に地下資源が埋蔵されていることを知ってから、中国は領有権を主張しはじめた。

 しかも今や、北方領土問題を抱えているロシアと手を結びそうな雰囲気なのだ。

 それでもいいのですか?

コメント (6)
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