味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

聞かざるは之れを聞くに若かず。之れを聞くは之れを見るに若かず。

2015-07-05 10:26:15 | ブログ
第2380号 27.07.05(日)
.
聞かざるは之れを聞くに若(し)かず。之れを聞くは之れを見るに若かず。之れを見るは之れを知るに若かず。之れを知るは之れを行うに若かず。『荀子』
.
 教えは、聞かないよりは聞いたほうがよく、聞くよりは見るほうがよく、見るよりは心に知るがよい。しかし知ることよりは実行するほうがさらによい。
 結局、教養の最終の目的は、これを実行に移すことである。389

.
 【コメント】大変素晴らしい訓戒だと思います。〈聞くよりか、見るよりか、知るよりか、実行〉するほうがよいということは正論だと思います。そこでその実践・実行も、「我田引水であってはならないと思います。そして勤勉性も継続性がなければならないと思います。さらに節倹・忠恕・至誠・報恩という言葉が続けばよろしいのではないでしょうか。
.
 昨日は朝は「暁の学問館」にはじまり、夜は本部道場での御稽古を致しました。
.
 今日は荘内南洲会会館で中澤今日子先生率いる『南洲翁遺訓』学習会の第一回であると伺っています。お集まりされた皆様、みなさんご感想は如何でしたでしょう。これからもささやかながら、荘内と薩摩で学修会を重ねて参りたいと存じます。
.
 世の中には善い訓えが数多ございますが、『南洲翁遺訓』ほどよいものはないと思います。こんな素晴らしいものをなぜ学修されないのでしょうか。
.
 ブログを書こうとしてパソコンを立ち上げたら、65歳以上の後期高齢者のストーカー事件が10年で4倍になっているとのこと。後期高齢者の皆様、特に男子の方は、勢力・精力も衰えてきているのです。女性に付きまとうよりか、漢籍の世界を逍遥してください。そして修身をし修養をされた方がはるかに威儀・意義があると思います。あの世に旅立ってから、その報いがくるのです。
.
 そして出来たら、その元気を子どもたちに分け与えて指導してくださればと念じます。かく申す私は、毎朝、『南洲翁遺訓』の精神に違背しないよう今日一日を務めますと、道場に掲げている安岡先生、菅臥牛先生、菅原兵治先生、長谷川先生、小野寺先生方に御誓いを致しています。勿論西郷先生が最初です。
.
 日々に生きる中で、人間には過ちというものがあります、それがあってもその過ちを謙虚に受けとめ、正しい方向に是正して行く勇気がなければならないと考えます。今、薩摩で大変なことが発生しているものですから、一言かきました。勇気と信念を持って、人様のために尽くしましょう。それが最終的には自分のためになるのです。そのために漢籍を繙くのです。

------------------
『大学味講』(第217回)
.
   味 講
.
 (一) 真に「矩の道」を行って、天下国家がよく治まれば、「楽しき君子は民の父母」となるのであるが、それを忘れると大変なことになるのであります。そこで大学では、ここで間髪を容れず、この詩を引用して戒めているのであります。即ち
 「切り立てたような彼の南山は、巖巖たる岩石が積み重なって聳えている」といって、まず人が皆仰ぎ見る南山の山の姿を歌っている。そして次に一転して人事に及び、「赫赫たる師尹、民具に爾を瞻る」といって、総理大臣の尹氏の事を取りあげているのであります。現在でも総理大臣になれば、その一言一行が毎日のテレビや新聞にいつも大きく報道されるのを見ても、その名声が赫赫となることは、今も昔も変りないことであります。そこでこの詩においては、「節たる彼の南山」と「赫赫たる南山」とを結びつけて、衆人が朝夕皆南山を仰ぎ見るように、国民は常に皆総理大臣の言行を見守っている、といっているのであります。

-------------
『論語』(第317回)
.
 冉子朝より退く。子曰はく、「何ぞ晏(おそ)きや。対えて曰はく、「政(まつりごと)あり。」子曰はく、「其れ事ならん。如し政あらば、吾を以ひずと雖も、吾其れ之を与(あずか)り聞かん。」
.
 冉有が大夫季氏の執事であったが、或日季氏の家の事務所から退出して来たとき、孔子が『どうしてこんなにおそくなったのか』と問われた。冉有が答えて、『マツリゴトがありましたので、時間がかかりました。』と言った。孔子が言うには、『それは国政ではあるまい。季氏の家事だったのだろう。もし国政ならば、わしも以前は大夫だった重臣なのだから、今は非役だけれども、御相談にあづからぬはずはあるまい。』
------------
『農士道』(第196回)
.
 何を以てか米穀豊熟することを得ん。予め非常に備えずんば百姓飢渇の憂にかからんか。是を以て三邑の民に令して曰はく、今年五穀熟作を得ず、予め凶作の備えを為すべし。一戸毎に畠一反歩、其の貢税を免ずべし。速やかに稗を蒔き飢渇を免るるの種とせよ、忽にすべからずと。諸民之を聞き笑ひて曰く、先生明知ありと雖も何ぞ予め年の豊凶を知らんや。戸毎に一反歩の稗を作らば三邑夥多の稗なるべし。何れの處に之を貯えん。且稗なるもの舊來貧苦に迫れりといへども未だ之を食はず。今之を作りたりとも食ふことを獲ず。然らば無用のものと云ふべし。仮令人に与ふるといへども誰か之を受けん。詮無きことを令するものかなと嘲りたり然れども貢をゆるし作らしむ。