タイトル---吉田 正・記念オケストラを拝聴。第1374号 24.9030(日)
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吉田 正記念オーケストラ
~情熱のタンゴオーケストラ~
昨日、谷山サザンホールで開演された「吉田 正」記念オーケストラを拝聴しました。行く気になったのはサブタイトル「~情熱のタンゴコンサート~」となっていたからです。会場には私同様、髪が薄くかつ白髪まじりの、昔日を彷彿とさせる往年の名優たちが席を占めていました。
指揮者は大沢可直(おおさわよしなお)氏、62歳でした。プロフィールによると、
〈-----2001年に吉田正記念オーケストラの初代音楽監督に就任。クラシックの指揮者として初めて「歌謡交響曲」という新たな芸術作品を創り出しオーケストラの大衆化を命題に反響を巻き起こし新たな文化を導入したことで話題を呼び、指揮では繊細で流麗な音楽表現と重厚な音楽性を併せ持ち、「音楽界のきみまろ」と言われるトークは笑い・涙を誘うことでも有名で多才な才能を兼ね揃えていることから、ファンが急増している。〉
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カタログにあるプロフィールより転載しましたが、これを読んだだけで、雰囲気が伝わってくるのではないでしょうか。演奏を聞き、まさしく「繊細で流麗な音楽表現と重厚な音楽性」を堪能させて戴きました。
半世紀前、社交ダンスを愛好していた金持ちの若手青年事業主の集いに誘われて仲間入りしました。貧乏暮らしで金を持たない私は、毎晩の飲み会の後片付けを担当しました。飲み食いした後を綺麗に掃除し、お茶碗を洗うのが好きで得意であったため、特に気にいられたものです。
当時はタンゴ、ワルツ、ジルバー、マンボ、ジャズ等々畳一畳ほどの大型バッフルから唸りを生じる低音と高音に酔いしれたものです。その当時から買い求めたレコード盤300枚は今も健在て、家内が外出した時などはボリュームを一杯あげて、タンゴ、クラシック等を聴くことを楽しみにしています。
今回の大沢さんが指揮するオーケストラは当時を彷彿とさせる大変素晴らしいものでした。中でも名場面は、森博幸鹿児島市長を言葉巧みにステージに誘い、オーケストラをバックに「寒い朝」を熱唱した歌の共演でした。森市長の歌のうまさに感心し、笑いと感動を演出した驚きのステージでした。
二時間の短時間の演奏等々でしたが、指揮者の肺腑から出づる言々は、今の日本人が忘却している大和の国を象徴する、おだやかな愛国心であると読み取りました。
普通、愛国心と云うと、ヒステリックな一面のみが強調される嫌いがありますが、そうではないのです。各々自分が大事であるように、家庭が大事であり、そして国が大事である筈です。その国家観念は自国と自分を大事にすると同時に、外国の人々をも大事にしなければならないと思うのです。決して争いごとを起こしてはならないと考えます。
半世紀に亘って空手道と漢籍の言葉等々を子どもたちに教えてきましたが、上に書いた「人との協調」も訓戒・指導し、併せて勤勉性を培うこと、勤労意欲の大切なことも基本方針として教えて参りました。
曲目の一覧によると、【第一部】 80日間世界一周、パりの空の下、禁じられた遊び、慕情、日本の行進曲、中山晋平メドレーでした。
【第二部】 カミニート、好きだった、ジェラシー、奥様お手をどうぞ、霧子のタンゴ、ラ・クンパルシータ、夜霧の第二国道、フランク永井メドレー、異国の丘でした。
最後に一同で合唱した異国の丘は、歴史を縦断的に追憶し、かつ不幸な戦争に参加し、極寒のシベリヤの地で捕虜という悲惨な局面に遭遇した人々の想像を絶する苦境・苦悩を思い偲ぶことができたことでした。
「戦争と平和」は一言で表現できるものではありませんが、二度とない人生、この世に生を得た者として、平和的でありながら、盤石な国家観念を培養することが要諦だと信じます。そのことがひいては、人生を謳歌することにつながると確信するからです。
願わくば、中山晋平メドレーにあるような童謡なども学校教育で取り上げて貰いたいものです。郷愁を思わせる歌の精神への貯蔵は、子どもたちを素直に育てると同時に、家庭を守る、国を守る気概の培養に繋がるものと思うのです。そういう心の豊かさがあれば、現今話題となっている子どもたちのいじめ、そして自殺等の防止にもなると確信いたします。
素晴らしい演奏会に参加する機会に恵まれ欣快この上もなく存じています。当日、お世話下さったサザンホールの職員の方々の濃やかなお心遣いにも感動した次第です。有り難う存じました。