タイトル----兢兢業業たれ。第1678号 25.07.31(水)
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兢兢業業たれ。『書経』
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身を戒め慎み、すべてを恐れ敬え。(諸199)
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今朝の学問館で473回になりました。今朝は五歳女児も来てくださいました。訳が分からずとも、幼なきときから漢籍の言葉に親しませる、なんてよいことだとお思いになりませんか。
漢籍は三千年来読み継がれてきているのです。良いから読み継がれてきているのです。五歳の女児と小学三年生の男子と二人で『南洲翁遺訓』第二十一章を読んでもらいました。
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私は昨年他界しました荘内南洲会前理事長・小野寺時雄先生と、親しく交流させて戴きました。ブログにも何回か書きましたが、事務長の佐藤昭夫先生にも何かとお導き戴きました。
そういった過去を大事にしながら、荘内学をこれからも研鑽し続けたいと思考しています。
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上にあるように、「身を戒め、慎み」子どもたちの純粋な心情を汚すことのなきよう配慮しているつもりです。空手道を指導して半世紀の間です。
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女児が五十歳になった頃、こういう世界を逍遥してきて良かったとしみじみ述懐してくれると信じます。その時は当然私はいないわけですが。
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こうして書いていた時、薩摩川内の松田勝流翁から電話がありました。朗報でした。『臥牛 菅実秀』を書き終わった、とのことでした。続いて、『近思録』『荀子』『伝習録』等々、片っ端から書いていくとの決意表明がありました。
そこで私が、『教の國・荘内』も書くよう勧めました。
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松田勝流翁との出会いは、拙著『礼節のすすめ』の出版がきっかけでした。南日本新聞で紹介された時、拙著を購入し、読み、そして弟子にしてくださいとのお手紙を戴いたのでした。それから親しく交流して参りました。
日本航空でお勤めしていた勝流翁は、英邁にして品格抜群な先生です。人のやり方に対して、言葉に対して、反射的に罵声を浴びせる元教諭とは、人間の資質という面からして天地の差があります。
円心会はそういう人の集団を理想とし、組織してきたのです。だから私は、どんな幼児にも、名前を呼ばれたら、「ハイ」という返事をするのです。ただ指導の過程においては、ジョークを飛ばすことにしています。堅い『南洲翁遺訓』とか漢籍の言葉をマスターさせるための、潤滑油なのです。
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世の保護者の皆様、くだらないテレビを見せるよりか、ゲーム機を与えるよりか、漢字の世界を逍遥させてください。今の学校教育では、人は育ちません。試験答案を書く能力は培えても、碩学・安岡先生みたいにはなれません。先ずは先生方が修養をしなければならないのです。
これを一部政治家が歪めているのです。このように書きながら、小野寺先生は、私の筆致に対して了としているか、何時も考えながら書いているつもりです。後藤先生、間違いがありましら指摘して戴きたいと存じます。昨日、枕崎の珍品をお送りしました。
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勝流翁臥牛実秀書き終えた
次近思録四書五経か 4968 博庵語録
道場でこんな真面目なとこあるか
あれば教えて見学したし 4969 博庵語録
晩年に生れ出できて良かったと
言えるは漢籍問学による 4970 博庵語録
人生まれ成功の法出来ており
成就するまでやり通すこと 4971 博庵語録
並みの子と支援クラスの子と勝負
並みの子疲れすぐに敗北 4972 博庵
侮られ馬鹿にされてもやり続け
決まるは棺桶入る直前 4973 博庵語録
なめくじは蛇のあたりを這い回り
段々巻き付き蛇這い出せず 4974 『臥牛 菅実秀』
巻き付かれ体を縮めて輪の中で
棒立ち倒れそのまま死すと 4975 前掲書
献金や移封問題そのときは
棒立ち蛇と同じようなり 4976 『臥牛 菅実秀』
実秀は棒立ちなるほど窮すのち
気持ち定まり意気振いたつなり 4977 前掲書
東洋のように骨髄学問に
なるは西洋思想家にはなし 4978 『知命と立命』140
島流し合おうと悠然変わらぬよう
なるには余程己作らねば 4979 『知命と立命』126