タイトル----『読売新聞』社説(22.2.6)の紹介。 第371号 22.02.08(月)
社説 実績を汚した品位欠く行動 朝青龍引退
横綱としての品位を欠く数々のトラブルを考えれば、引退はやむを得ない結末といえよう。
大相撲の横綱朝青龍が現役を引退した。優勝した場所中に泥酔し、知人を負傷させた問題の責任をとった形だ。朝青龍は、「皆さんに迷惑をかけたことに対し、自分で(引退を)決めた」と語った。
一方で、横綱審議委員会は、朝青龍の引退勧告書を日本相撲協会の武蔵川理事長に提出した。「一連の不祥事は畏敬さるべき横綱の品格を著しく損なうもの」と、横綱失格の烙印を押した内容だ。
厳罰を求める声が高まって進退窮まり、朝青龍にとっては、引退届けを出すしか選択肢はなかったということだろう。土俵の内外での振舞いに、これほど物議を醸した横綱はいない。巡業を休み、モンゴルでサッカ-に興じていた問題では、2場所出場停止の処分を受けた。土俵上でのガッツポ-ズ、勝負が決まった後の「だめ押し」などにも批判が多かった。------
スピ-ド感あふれる取り口、切れ味鋭い技――。力士としての卓越した才能は、多くの人が認めるところだった。-----こうした実績に、不祥事で泥を塗ってしまったことは、残念というほかない。
師匠の高砂親方は指導力を示せず、トラブルを繰り返す朝青龍に行動を改めさせることができなかった。部屋の責任者としての監督責任は極めて重い。-----
---騒動続きの相撲界に嫌気がさしたファンも少なくあるまい。信頼回復には、魅力ある力士を養成し、充実した土俵を見せることが、何より大切である。(平成22年2月6日)
平成22年2月8日、朝青龍が高校時代の相撲部監督・浜村敏之氏が、「彼の話を聞いて欲しかった」、「協会はマスコミに気を遣い--」と朝青龍を擁護する考えを吐露しました。
私はテレビを見ていて、何と言う監督だろうと思いました。引退にまつわる要因は今回の問題だけでなく、過去の累積の結果であると思います。私はブログで何回もこのことにふれました。
社説では「親方は指導力を示せず、トラブルを繰り返す朝青龍に行動を改めさせることができなかった」と書いていますが、師匠に改めさせる気概がなかったということです。そして高校時代の監督も、自分の手を離れているとは申せ、何故厳しい意見をしなかったのかと思われて残念でならないのです。
私がこの件を再度書く気になったのは、親方衆が「品格」の有り方が分かっていないような気がするからです。昨昨日のNHKテレビでこの問題を取り上げました。その時、北之冨士解説者でさえ、「品格」について明確には答えられませんでした。
そこで提案があります。親方衆に対して講義、講演会をしたらと思うのです。「品格」というテ-マで話す以上は、講師その人に品格がなければなりません。『呻吟語』と言う本に人物の条件を示しています。「深沈厚重ナルハ是レ第一等の資質ナリ」と。
実は私は、昨年10月に二泊三日の予定で関係者と荘内南洲会の勉強会に参画しました。その間、理事長・小野寺先生から数多の高説を拝聴しました。会館での小野寺先生の講話は今まで聞いたことのない「品格、品位、威厳」のあるお話でした。世の中には聡明にして弁舌爽やかな人は数多存在します。が「深沈厚重ナル--」方の一人として元鳥取県知事・片山義博先生を挙げたいと思います。が、片山先生のお話は上手いが、親方衆の肺腑をえぐるお話ではないと思います。勿論整合性はあると思います。
そこに行くと、荘内南洲会理事長・小野寺先生の講話だと親方衆が聞き入ること間違いないものと思います。70年間生きてきて親方衆に聞いて戴ける話が出来る人は、人多しと言えども小野寺先生を除いていないと思うのです。
そこで荘内南洲会人間学講座の日に合わせて協会の方々が、参画し、「相撲道と品格について」というお話をお聞きすれば、これほど素晴らしいことはないと思う次第であります。