味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

至人は己れなし。『荘子』

2013-06-30 13:42:09 | ブログ

 タイトル----至人は己なし。第1648号 25.06.30(日)

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 至人は己れなし。『荘子』

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 至人、すなわち修養等を通じて本当にできた人間には、自分というものがない。天地間の自然と同化してしまい、、自分の欲で動くということがないからである。

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 私が教えを請うてきた平井政明先生、竹下一雄先生らはまさしく「至人」でした。自分の欲で動くということがありませんでした。それは20数年の長きに亘り、仕え観察してきたから言えるのです。特に平井先生は、他人の喜びごとがあると「よかった」「よかった」を何時も連発し、心の底から喜んでくださる先生でした。

 

 そして荘内南洲会前理事長・小野寺時雄先生も同様だと認識しています。

 今朝の学問館で442回になりました。今朝は『言志録』『論語』等々を学修しました。

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 昨日の空手道修行は述べ34人でした。夕刻、指導の途中で門下生に聞いてみました。

 指導を厳しくした方がいいか、どうかと。言うことを聞かないと顔をパッチンするよ、ともいいました。

 ところが全員、厳しくした方がいいと挙手してくれました。

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 理由を次のように話しました。あなた方は今から、50年、60年と生きていかなければなりません。その間、出来れば病気をしない身体をつってください。そのためには前向きな考えを持つ人間になることです。

 名前を呼ばれたら、ハッキリとした声で「ハイ」と応えてください。お父さん、お母さんにもです。はっきりした返事が出来る人と出来ない人とでは、長い人生で大きな差がでて参ります。そして勉強が出来ないお友達がいても、決して見下げてはなりません。人は大事にしなければなりません。

 二日前、NHKでプロフェッショナルの報道がありました。石細工をするお爺さんも紹介されました。この方は学校時代、勉強は全くできなかったそうです。ところが60年後、日本を代表する芸術家になりました。

 人間の一生なんて学校の成績だけでは決まらないのです。要は、一生を通じて、決めたことを諦めずに、死ぬまで頑張り通せる人間が成功するし、そういう人が長生きもするのです。これは天の、宇宙の真理なのです。

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 あなた方は文武両道の修行をしているから、必ず偉くなり、人の上に立つ人間になる筈です。そういう事態にも対応できるよう、今から訓練をするのです。

 人間学としての「文武両道」を通じて、人生に挑戦してください、と。

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 子どもたちは「善」の心を持っていますので話せばわかるのです。そして『南洲翁遺訓』を大声で堂々と発表しました。

 特別支援学級で勉強をしている優李君が14回目の稽古になりました。最初来た時は、頓狂な声を発し、道場内を走り回っていましたが、昨日はじっと正座をし、一見しただけではわからない、人間へと成長しました。

 自閉症の子どもたちを私みたいに、文武両道で治癒するところは世界中にないそうです。天は無用・不要なものを人々に与えてはいないのです。その人の魂に、良心に訴えて行けば、全快とはいかなくても、回復して行くのです。

 現に15年間指導してきた青年は空手道も上達してきているのです。ただ、この子どもたちへの対応は私でないと出来ないと自負しています。如何なることがあっても、指導を休まないという命がけの哲学がないとダメなのです。

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 今日のブログの題でもある人間のお手本は、お会いしたことはありませんが、『修身教授録』の著者、森信三先生と高弟の寺田一清先生だと思います。私はこのお二人の先生を「人間国宝」と呼んでいます。

 昨日の学問館で学んだ『幻の講話』「血の問題」にも大変感動しました。この中で森信三先生が、「わたくしにとって忘れ難いのは、中国の宋代の哲学者の書いた書物の中に、「真の学問というものは、自分の生れついた気質を変えることだ」というコトバがありますが、わたくしは三十代の半ばごろ、まだ京都大学で哲学科の大学院にいたころでしたが、このコトバに出逢って、全くのけぞるほどに驚いたのであります。」とあります。

 

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 私どもの空手道場は「伸び行く人間学の会・日本空手道少林流円心会」であります。

 これからも、森信三先生、寺田一清先生のお教に違背することなく、生涯を通じ目的達成のため邁進・精進していく所存です。ご本人はもとより、ご父兄の絶大なるご支援、ご声援を庶希うものであります。その先頭に立って会長・宗師範の私は頑張ります。

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人生は二度となきもの生を得て 

             下坐行ともに学び続ける 4679 博庵語録

苦労せよ学べよ生きた喜びを 

             味わいたくば問学ともに 4680 博庵語録

志文治あるもの業はじめ 

            武備ある者は能く成るを守る 4681 『言志録』173

宋代の学者の書いた書が曰く 

             真の学問気質変ゆこと 4682 『幻の講話』2-64

人間の形成問題血と先師 

             逆境という試練あるかで 4683 『幻の講話』2-61

人格の根本転換行うが 

             真の学問論理沙汰なし 4684 前掲書 2-65

人間の美質発揮は苦と難を 

             通し厳しき鍛錬が要 4685 『幻の講話』2-66

実秀は黒田の飾らぬ真率の 

             人となりにも深く感動 4686 『臥牛 菅実秀』

満腔の誠意傾け西郷の 

             指導従う態度ひかれる 4687 前掲書

これほどの信頼を享く西郷の 

             計り知れない厚さと広さ 4688 前掲書

実秀は黒田に荘内苦衷述ぶ 

             藩の運命苦闘を理解 4689 『臥牛 菅実秀』


百事の成るや之を敬うに在り。

2013-06-29 14:23:09 | ブログ

タイトル---百事の成るや之を敬うに在り。第1647号 25.06.29(土)

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 凡そ百事の成るや之を敬うに在り、其の敗るるや必ず之を慢るに在り。『資治通鑑』

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 すべての事において成功するという事は、その事を慎重かつ大切に扱うからであり、失敗はその事をおろそかに扱うことによる。

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 世の総てのことにあてはまることであります。人間調子が上向いてくると、いい加減なことをしがちです。後後後悔しないためにも、ほどよく念をいれたいものです。

 今朝の学問館で431回になりました。今朝は『幻の講話』『南洲翁遺訓』『菜根譚』『論語』等々を学修しました。小・中学生が『中庸』を手にし、筆写しだしました。

 国を挙げて英語の学習に躍起になっていますが、大変善いことではありますが、まずは国語が先だと私は思います。それも、ただ偏差値向上のためだけであってはならないのです。人間の資質を向上させるためにも、人間学でなければならないのです。

 経済も科学も大事ですが、もすこしゆっくりやっていっていいではありませんか。今朝のテレビ報道で、海の珊瑚が温暖化の影響で50年後は絶滅の危機にあるというようなことを報道しました。

 我を我をと競って、生活文化向上のためにと一人合点して進んだ先には、大変な病、天災地変が待ち受けているでしょう。

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知識とか意志力などは一代の 

             努力によりて一応は可 4674 『幻の講話』2-62

実秀は西郷に会い苦衷をば 

             語りみたきも西郷薩摩へ 4675 『臥牛 菅実秀』

西郷が薩摩帰郷のその訳は 

             討幕功労いやがらせあり 4676 前掲書

実秀は黒田を尋ね降服の 

             寛大処分感謝するなり 4677 『臥牛 菅実秀』

実秀の感謝に対し参謀(黒田)は 

             容あらため西郷指示と 4678 前掲書


人の我に徳有るや、忘るべからざるなり。『戦国策』

2013-06-28 16:36:39 | ブログ

タイトル----人の我に徳有るや、忘るべからざるなり。『戦国策』 第1646号 25.06.28(金)

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 人の我に徳有るや、忘るべからざるなり。吾の人に徳有るや、忘れざるべからざるなり。『戦国策』

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 人から恩を受けたことは、忘れてはならないが、自分が人に恩を施したことは、忘れなくてはならない。

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 聞きならされた言葉ではあります。出来れば恩を与えたことも、受けたことも忘れない方がいいのです。ただ、与えた見返りを求めてはならないということです。

 もともと、お人よしであることから、人様の何倍も面倒をみてきましたが、その見返りを求めたことはありません。要は出来る親切はしてあげてもいいではないか、と思うだけのことです。

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発憤す憤の一字は学問に 

            踏み出すための心意気なり 華麗 『言志録』

朝ありきこれを逃せば無意味なり 

           生に溢れてみずみずしかな 翫習 「知命と立命」

大学はひしめく数多の受験者に 

           多額の受験料ボーナスと受く 4658 「日本人は死んだ」

成績が不良で進級出来ぬ者 

           昔落第今は留年 4659 『日本人は死んだ』

大学の当局収入定着を 

           多額な寄付金風潮生まれ 4660 『日本人は死んだ』

大学は高度の教養見識と 

           基礎的技術身につけるとこ 4661 『日本人は死んだ』

大学は就職予備校卒業の 

           証書は終身雇用入場券 4662 『日本人は死んだ』

学生は勉強はせずテレビ見て 

           サッカーバイト気楽な稼業 4663 『日本人は死んだ』 

国維とは国家崩壊これ防ぎ

           組織活動護持の大綱 4664 『経世鎖言』

人間を動かす最も大なるは 

           厳粛博大大義名分 4665 『経世鎖言』

「人権は」要求すること日教組

           教えたお蔭利益譲らず 4666 『国家の徳』

死刑には反対ならば潔く

           大臣の椅子座るべからず 4667 『国家の徳』 

討幕に功労ありし雄藩が 

           勢力拡大ことに懸命 4669 『臥牛 菅実秀』

新しき気運に乗じ士官した 

           才子才能議論百出 4670 前掲書

荘内藩降服したとき西郷の 

           大入道が鶴岡に来た 4671 『臥牛 菅実秀』

荘内の処分公明正大は 

           尋常普通なしうるはなし 4672 前掲書

京阪で関西方に駿傑が 

           ありと噂すもしや西郷 4673 『臥牛 菅実秀』


屋漏に愧じず。『詩経』

2013-06-27 09:42:17 | ブログ

タイトル----屋漏に愧じず。『詩経』 第1645号 25.06.27(木)

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 屋漏に愧じず。『詩経』

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 「屋漏」は家の奥で神棚などがある所。人の見ていない暗い所にいても恥ずかしい行動をしない。君子の行動には裏表、いわゆる隠すところがないことを言う。

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 この言葉を知ったのが30年前のことでした。四書五経に取りつかれ、読み、且つ筆写してきました。要は多くの人々に疑心暗鬼をあたえたりせず、泰然自若と日々を闊歩するというふうに私は理解しています。

 高弟の師範と20年位前、夜通し飲みながら会話した時のことでした。何でも話すので、「何故そのように裸になれるのですか」と問われたことがありました。別に悪いこともしていないのに隠し立てすることはないですよ、と応えたものです。裸になれば、男と女の肉体があるだけではないですか、とも応えました。

 爾来、観察するに、大したこともしていない人間に限っていろいろ繕って話すものです。

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 私の場合、偉くもないし、かつまた浮浪者でもなく、日々を平凡に生きています。ただ、多くの子どもたちに『南洲翁遺訓』を教えている手前、『南洲翁遺訓』と荘内南洲会の先生方に顔向けの出来ないことをしてはならない、とその一心のみです。

 ご尊敬申し上げる小野寺前理事長はご他界しましたが、小野寺先生亡きとはいえ、天からみていると思っています。だから偉ぶって『南洲翁遺訓』を改竄しようとする人間は絶対許せないのです。お詫びをするといいながら、全くの音沙汰なし。必ず天の制裁が来るのです。先ず、西郷南洲翁と菅臥牛翁が許さないでしょう。

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 円心会の仲間数人が、『臥牛 菅実秀』を読み、連日筆写しています。南洲・臥牛両翁の間には何人と雖も入ってはならないし、入れないのです。史実を認識すれば到底出来ることではありません。

 ただ作文ゴッコを職業としてきた人間は、軽き世上の喝采にウキウキしていた悪弊が抜けきっていないだけのことです。

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人間を天が発達させようと 

                 するときにはまず知恵を発す 華麗 『陰騭録

人々の上の位で代表と 

                 して働くなら正しい行動 華麗 『南洲翁遺訓』

良書との出会いこそが秘訣なり 

                 活きた学問相槌不可欠 翫習 『知命と立命』47

機をつかみ特異な点を当てたとき 

                 天変地異で生活に活気 翫習 『知命と立命』49

現代の若者たちは道徳や 

                 精神の高まり教育源は無 4646 『日本人は死んだ』82

方向舵なくした飛行機ごとくなり 

                 性の悦楽ゲーム機熱中 4647『日本人は死んだ』82

週刊誌スポーツ新聞ただ読者 

                増やすことのみ記者は麻痺して  4648 『日本人は死んだ』

学校は点取りゲーム場と化して 

                知識与ゆも心養わず 4649 『日本人は死んだ』

求めるは終身雇用のエスカレータ 

                人生意義も憧れもなし 4650 『日本人は死んだ』

実秀の心支ゆは生涯に  

                おいて仰慕す曾子訓戒 4651 『臥牛 菅実秀』

六尺の孤を託す者人多き 

                中に君子か君子人なり 4652 前掲書

老公より冥加至極の御直書 

                等を賜り努力するなり 4653 『臥牛 菅実秀』

小生は我儘者で物好きで 

                三尺の体四尺致さん 4654 前掲書

新なる領地としての会津地は 

                荒廃ひどく成すすべもなし 4655 前掲書

わが藩の微力公平皇恩に 

                欲さす任に耐ゆる力なし 4656 『臥牛 菅実秀』

請願に対し朝敵嘲笑い 

                賊と卑しめ取り合う者無 4657 前掲書


文を以て友を会し『論語』

2013-06-26 14:48:23 | ブログ

タイトル----文を以て友を会し『論語』 第1644号 25.06.26(水)

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 文を以て友を会し、友を以て仁を輔く。『論語』

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 君子の交わりというものは、学問をする処に多くの友達が集まり、その友達によって自分の仁の徳の成長を磨き助けるのである。

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 我が道場に集う幼稚園児も含めた子どもたちが、稽古の度、この言葉を味わい噛みしめています。小学生、中学生が『論語』『大学』『中庸』等々を原文のまま、筆写しています。

 遡ること半世紀前から、分けがわからないまま読んで、筆写して、自分で録音し聞いてきました。学校現場では英語教育は導入するが漢籍は如何なのでしょう。思うに英語よりか漢文が先なのですが。

 漢籍もスラスラ読めて、意味を書くということも大事なのですが、精神にどれだけ導入できるかが要諦なのです。

 漢文を教育した先生を存じあげているが、人間が全くなっていません。目指すは堯・舜なのです。労働運動をして校長に噛みつくなどはチンピラ同様です。

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 今朝の学問館で438回になりました。ブログは1644号(本号)、短歌数4645号です。年末までに10000号までにする予定です。学問館も10年後4000回となるでしょう。

 これほど楽しい老人の遊びはございません。今朝拝読した『史記』には知らない漢字が次々と出てきます。辞書を開き、意味を調べる、何と楽しいことでしょう。難しい感じに出会うと初恋の人と出会った心境になります。ワクワクするのです。

 尤も、初恋の人は50年前に他界しましたが。お金もいらず、自宅で一人で出来る、これほど素晴らしい老境の過ごし方はありません。勉強して、勉強して、お呼びがあったら直ぐ旅立つことが大事なのです。

 脳梗塞を起こした男が欲張ってフラフラしながらテレピに映る、みっともないことです。

 私の恩師・竹下一雄先生は、酸素不足だとして取り付けた酸素ボンベを足で払いのけ従容として旅立ちました。これこそまさに日本男児なのです。

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本を読むことはすなわち前向きの 

                  発想であり元気につながる 華麗 『古文真宝』

周囲より自分は一歩低い位置 

                 学問は人の倍もするなり 華麗 『菜根譚』

機があると知れば意識す学問の 

                 つぼを押さえて積極人生 翫習 『知命と立命』46

学問を雑学とせず活かすには 

                 根柢押さえて究極の理  翫習 前掲書

進学もなき貧し世に薪(まき)背負い 

                 本読み文字を尊徳覚ゆ 4632 『日本人は死んだ』

教育を進学就職昇進の 

                 道具思うは冒涜なりき 4633 前掲書

便利さと豊かさ埋没日本人 

                 伝家の宝刀「心」も忘る 4634 『日本人は死んだ』

物豊か全て便利で人自由

                 終生教育重要なのに 4635 前掲書

人間の尊厳忘る国民は 

                 機械物質圧され滅亡 4636 『日本人は死んだ』

現代の日本人らは教育で 

                 なきもの教育錯覚してる 4637 『日本人は死んだ』

人の世で何が患い小人を 

                 宰相するより大なるはなし 4638 『経世鎖言』

世を救うほどの人物理論など 

                 耽り懐疑的輩ではなし 4639 『経世鎖言』

純真で善に感じて士に下り 

                 拘泥もなき人でなければ 4640 『経世鎖言』

(大村)益次郎強硬荘内解体を 

                 せよと声高主張するなり 4641 『臥牛 菅実秀』

降服の際に覚悟はしたものの 

                 移封令受け首脳は苦悩 4642 前掲書

敗戦に打ちのめされた家臣つれ 

                会津に移る大きい犠牲 4643 『臥牛 菅実秀』

老公の忠発実秀これ呼びて 

                苦境の打開を一任をせり 4644 前掲書

実秀は老公寄託応ゆため 

                苦難の一歩踏み出すことに 4645 『臥牛 菅実秀』