タイトル---『-努力論』の「健康論」について。第1404号 24.10.30(火)
幸田露伴著『努力論』の中に、「自己の革新」という項目があります。そこに極めて明快な「健康論」を展開しています。曰く、
「---従来不健康であった人ならば、不健康は一切の不妙の事の因であるから、自から新にして健康体にならなければならぬと思うのである。そて然様思うたらば、自己の肉体に対する従来の自己の扱い方を一応糺して見て、先ずその蔽の顕著なる箇条を斬って棄てて斥けてしまわねばならぬ。そしてその点において努力して新にせねばならぬ。例を挙げよう。従来貪食家で胃病がちであったらば、貪食という事を斬って棄てねばならぬ。節食せねばならぬ。貪食のために弁護して、貪食でも運動を多くしたらよかろうなぞというのはよくない。
-----------貪食を為しては胃病を患い、薬力を仮りて病を癒しては、復貪食して病みつつ、永く自己の胃弱を嘆じて恨むが如き人も甚だ少なくはない。---」
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貪食家胃病がちなら貪食を
斬って棄てれば快方するに 1698
病癒しまた貪食をして病つくる
胃弱嘆じて恨むが多し 1959
いろいろと最初に楽する上達者
苦労をすると最上達に 麗嫻 (小学五年・海江田愛美)
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明日の学問館は、史記、菜根譚、学問のすすめ、知命と立命、酔古堂剣掃、王道の研究、運命を拓く、沢庵不動智神妙録を予定しています。