雪だるま倶楽部

日々を離れ
日常から脱却した世界
そんな風景を切り取っています

玄宮園3

2008年10月08日 | 滋賀散策
近江八景という言葉がある

       

中国にある瀟湘八景という風景
湖南省洞庭湖付近の美しい風景を随筆集「夢溪筆談」で紹介している

      

この瀟湘八景
日本でもそれに倣い八景を探した

  

近江八景は日本で、ごく初期に選定された八景

ここ玄宮園は近江八景を表現している庭園

     

石山の秋月
勢多の夕照
粟津の晴嵐
矢橋の帰帆
三井の晩鐘
唐崎の夜雨
堅田の落雁
比良の暮雪

   

近江八景の成立の詳細は判明していない
有力な説としては
近衛信尹によるものという説

関白であった近衛信尹
彼の自筆、近江八景和歌巻子
その奥書に
近江八景で知られている情景が記されている

       

近江八景を世に浸透させたのは
歌川広重の浮世絵
近江八景の情景を浮世絵で見事に表現している

   

江戸の町火消しの安藤家に生まれた広重
安藤広重と現代では呼ばれているがこれは間違い
浮世絵師として歌川豊廣に入門し
歌川広重の名を与えられている
だから、浮世絵師としての名は安藤ではなく歌川が正しいといえる

    

歌川広重についてはまた何れの機会に

近江八景を詠った唄で最後は綴ります

       

石山や鳰の海てる月かげは明石も須磨もほかならぬ哉

露時雨もる山遠く過ぎきつつ夕日のわたる勢多の長橋

雲はらふ嵐につれて百船も千船も浪の粟津に寄する

真帆ひきて八橋に帰る船は今打出の浜をあとの追風

思うその暁ちぎるはじめとぞまづきく三井の入あひの声

夜の雨に音をゆづりて夕風をよそにそだてる唐崎の松

峯あまた越えて越路にまづ近き堅田になびき落つる雁がね

雪ふるる比良の高嶺の夕暮れは花の盛りにすぐる春かな

       

        
コメント (8)
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