日々を離れ
日常から脱却した世界
そんな風景を切り取っています
かつてこの地には
桓武天皇により
長岡京が造営された
こちら
長岡天満宮は
長岡京の西南の外れに
鎮座いしていたという
長岡京は
藤原種継暗殺事件等もあり
その後に造営された
平安京に都の地位を譲る
平安京へと遷都した後
このあたり一帯は
菅原道真の所領となっていたと云われている
菅原道真は
友人であったろう在原業平と共に
しばし詩歌管弦を楽しんだとも伝えられている
菅原道真はよほどこの地に愛着があったのか
大宰府左遷の折
最後にこの地を訪れ
我が魂長くこの地にとどまるべし
と詠んだそうだ
菅原道真が現代
ここの風景を見たのなら
どう詠むだろう
ふと考えてしまった
石切劔箭神社
境内に足を踏み入れれば
本殿前と
神社入り口にある百度石
との間を
参拝者が行き来する
お百度参りの姿が拝める
延喜式神名帳にも記載があり
この神社の歴史は古い
でんぼの神様
いわゆる腫れ物
癌に効能があるとされ
闘病者やその家族が
平癒を願い
お百度参りを行っている
列をなして参る様は
他では見かけることのない風景だろう
石切を3回に分け紹介したが
なんとも摩訶不思議な雰囲気の土地であった
以前、当ブログで
「売れても占い商店街」として
福島聖天通商店街を紹介したが
さらに強烈な商店街があった
先に紹介した神社から
石切劔箭神社に至る参道は下り坂
およそ1kmほどの参道に
いったい何件あるのやら
占いの看板を出す店が並ぶ
もちろん雰囲気も昭和
看板だってレトロ
集まれば競争が生まれる
占い料金はかなりのコストパフォーマンスをみせ
1000円くらいから占えるそうだ
参道を楽しむもよし
飲食を楽しむもよし
占いを頼むのもよし
なんともB級の香りが強い参道であった
近鉄奈良線
石切駅から
南東約200mほど
隣には怪しげな
新興宗教の施設もあるが
ここは石切劔箭命神社二座
石切劔箭神社
上之社が鎮座
「いしきりつるぎやじんじゃ」と読む
石切さん
でんぼ(腫れ物)
の神様として親しまれる
石切劔箭神社の
奥の院として参拝されていた地に
解体保存されていた
本社の旧本殿を移築して
建てられた
不思議な雰囲気のある境内
ここから本殿までは
一本道の下り
日本有数の占い道である
天王寺の日本庭園
慶沢園は
小川治兵衛作庭の名庭園だ
元は
住友家茶臼山本邸庭園
完成までに10年の歳月を費やしたという
現代では考えられないほど贅沢な造作
造園のために集められた
名石、名木たちが作り出す風景
それはそれは見事の一言に尽きる
しかし
この庭園のさらに凄いところは
10年もの歳月を懸けたにも拘らず
完成後
大正10年には
隣接する茶臼山とともに大阪市に寄贈された事だろう
太っ腹というか
豪快というか
今の世ではついぞ聞いたことがない
この新田会所の歴史は
現代では
ここから約4kmは南を流れている
大和川の付け替え工事で始まる
それまでは
河内平野の地をいくつも枝分かれして
湿地帯を形成していた大和川を
一つの筋にし
住吉へと流したのだ
治水事業ののち
川床後には多くの新田が作られた
ここ
安中新田会所もそのうちの一つ
柏原市の安福寺が
開発の中心であったことから
安福寺の安と
中心の中を合わせて
「安中新田」という名がついたのだろう
安福寺住職の類縁にあたる
植田家が代々この屋敷を管理
実際に昭和60年までは
植田家が住んでいたという屋敷
少し
現代風の趣が感じられるのは
その為かもしれない
大阪ビルヂング
それを略称して、大ビル→ダイビル
大正14年に
中之島の地に
このビルは建築された
ネオ・ロマネスク様式の名建築
大規模な事務所ビルとしてオープンしている
こちらのビル
老朽化から平成21年に解体となったが
当時の面影を残したまま
地上22階のビルへと建て替えられたもの
低層部は8階層までは
旧ビルと同じ階層でレンガ造り
外装に使っているレンガの約8割
石材の装飾品は
可能な限り再利用されたもの
往年の姿を思い出させられる
ダイビル本館として
第二の生が始まった
通称は
蚕ノ社として知られているが
正式には
木嶋坐天照御魂神社と呼ばれる神社
蚕ノ社と呼ばれるのは
本殿東側に
織物の始祖を祀る
蚕養神社があるが所以である
太秦にもほど近い位置に立地するこの社
嵯峨野近辺が
平安時代
渡来した秦氏が治めており
製陶
養蚕
織物
といった大陸伝来の
技術を伝えてゆくことになった地でもあるから
蚕が祀られているのも頷ける
しかし
この社が注目されるのは別の理由
社殿の西には
かつては
湧水が豊富であった
元糺の池があり
その池の中には
三柱鳥居があるのだ
柱が三本で三正面
上から俯瞰すると三角形
残念ながら
鳥居へは近付けず
柵越しに拝むことになる
京都三鳥居の一つが
この社にある
ここは
桃源郷
その名の通り
ピンクの花びらで
頭上全体を覆ってくれる
ぐるりと視線を巡らして
どこを見ても
桜の花びらで視界は埋め尽くされる
起床に座り
買い求めた寿司桶に下鼓
それが
ここでの楽しみ方
見上げれば
降り注ぐ
桜のシャワー
桜のフィルター越しに差し込む日差しは
日差しそのものが
ピンクに染め上がっていた
今年の桜のシーズン
雨天が少なく
ここの桜も
晴天下で堪能
3年連続で
原谷苑を堪能できたことに感謝
京都の北西の地に
春の時期になると
桃源郷が出現する
桜の桜による桜のための祭典
四千坪の広大な敷地が
ピンクに染めあがる
交通手段
入苑料と
敷居は高い
ここの桜を見てしまうと
もう他では満足出来なくなる
原谷を見て死ね
ある文豪はそう書き残している
続く