JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

また才能が逝く

2010年04月11日 | m-o

今日は雲は多かったもののじつに暖かい一日でした。

午後からいつもの我がサイクリングコースである公園をぐるっと回ってきましたけど、まだお花見するほどの桜でもなく、それでも春の暖かさに子供から大人まで楽しそうに遊んでおりました。桜の見頃は今週末かな。

♪ 波を ちゃぷちゃぷ ちゃぷちゃぷ かきわけて
 (ちゃぷ ちゃぷ ちゃぷ)
雲を すいすい すいすい 追い抜いて
 (すい すい すい)
ひょうたん島は どこへ行く 
ぼくらを乗せて どこへ行くウーー ウーー・・・・♪

作家、井上ひさし氏が去る9日にお亡くなりになりましたねぇ、享年75才ですかぁ・・・・・それにしてもこのログでも訃報に関する記事がなんだかとても多いような気がして、少しめいってしまいますが、でも触れないわけにはいかんでしょ。

完全な『ひょっこりひょうたん島世代』である私が、はじめて井上ひさしの名を見たのは、とうぜん主題歌と共に冒頭にバーーーンと出てくる「作 井上ひさし 山元 護久、音楽 宇野 誠一郎」というあのテレビ画面であったはずです。
だけどねぇ、当時は「井上ひさしという人がどういう人なのか」なんてぇことには興味はなくて、たんに毎日人形劇を楽しみに見ていただけでしたから、意識してこの人名を見たことはありませんでした。

私が井上ひさしという名を完全に認識したのは、たぶん『モッキンポット師の後始末』を読んでからだったと思います。
「へぇ、赤ワインはこうやって飲むんだぁ・・・・・ふぅ~~ん、寒いときには新聞紙が一番役にたつねぇ・・・・」
たしか私がまだ中学生の時で、まだまだ読書に勤しむ時間(笑)が少なかったこの私が、フランス人の牧師モッキンポットと貧乏学生が繰り広げるハチャメチャな騒動が可笑しくて面白くて、この本だけはあっという間に読んでしまった覚えがあります。

その後、『ブンとフン』『青葉繁れる』『ドン松五郎の生活』『新東海道五十三次』『吉里吉里人』『キネマの天地』・・・・・・いろいろ読みましたけど、私には後にも先にも『モッキンポット師の後始末』の印象が一番強いように思います。

平和主義者、護憲派・・・『無防備都市宣言』なるものは何なのか?私は井上氏の文章で学んだように思ったのですが・・・・違うかな?(笑)
前妻の書いた『修羅の棲む家』には、ちとビックリしましたが、これもまた持て余す才能と若さとの格闘の経緯に過ぎないと、勝手な解釈をしています。

いずれにしても、また一つの才能が逝った事をとても残念に思います。合掌。

♪ 丸い地球の 水平線に 何かがきっと 待っている
苦しいことも あるだろさ 悲しいことも あるだろさ
だけど ぼくらは くじけない 泣くのはいやだ 笑っちゃおう
進め
ひょっこりひょうたん島 ひょっこりひょうたん島
ひょっこりひょうたん島 ♪

ということで、今日は日曜日、『料理当番、本日の一品』です。

カッコ良く言うと「ポテトと挽肉のミルフィーユ風」?
いやいや、そんなカッコイイもんじゃありませんね、「挽肉と玉葱の炒めた物・チーズ・マッシュポテトを重ねて焼いた、わけ分からんもの」です。(笑)
付け合わせは、いただいた生ハムを使ったサラダと、挽肉と炒めるのに余った玉葱入りナポリタンです。
それでも見た目以上に美味しくて、ビールがすすみました。母は
「ご飯のおかずじゃねぇ!」
って怒ってましたけどね。(笑)

さて、今日の一枚は、カル・マッセイです。
えっ?あまり聞いたことがない?
う~~んそうですよねぇ、コルトレーンの初リーダー盤プレスティッジ「COLTRANE」の一曲目「BAKAI」や「THE BELLEVER」の二曲目「NAKATINI SERENADE」、アーチー・シェップの「THINGS HAVE GOT TO CHANGE」の作曲者で、マッコイ・タイナーやフレディ・ハバードが彼の作品を多く取り上げた70年代になってやっと脚光を浴びたのですけど、すぐに他界してしまったんで不遇の作曲家とも言われていますよね。
ほら、ひょっこりひょうたん島の井上ひさしのように「名前は出てたけどその時は気にしない」ってパターンのように、彼の作品がかなり多くのアルバムに入っていますから、「作 カル・マッセイ」を探してみるなんてぇのも面白いかもしれません。

トランペッターとしても注目を集めたということはそうそう無くて、最初ニューヨークに出てきたときには、アート・ブレーキーに出会って共演なんかもしたようですが、メッセンジャーズに誘われることもなく、フィラデルフィアでマッコイ、ジミー・ギャリソンなんかと演奏をしていた関係でコルトレーンとも共演したりして、この時にコルトレーンは彼の作曲力に注目したのだと思います。コルトレーンが「AFRICA / BRASS」のアレンジャーに彼を起用したのも彼の作曲力を高く評価していたからでしょうね。

そのカルのトランペット演奏を聴けるこのキャンディド盤は貴重な一枚ともいえるかもしれません。

そうですねぇ、それほど張ったトランペットじゃありません。どちらかといえば内向きな音とでも言いましょうか・・・・
こう言うとなんだか悪いように聞こえるかもしれませんが、私は個人的にこのアルバム、嫌いじゃありません。いや、むしろ好きかも・・・ジミー・ギャリソンが参加してますしね。(笑)

BLUES TO COLTRANE / CAL MASSEY
1961年1月13日録音
CAL MASSEY(tp) JULIUS WATKINS(frh) HUGH BRODIE(ts) PATTI BOWN(p) JIMMY GARRISON(b) G.T.HOGAN(ds)

1.BLUES TO COLTRANE
2.WHAT'S WRONG?
3.BAKAI
4.THESE ARE SOULFUL DAYS
5.FATHER AND SON