JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

六流カメラマン参上!

2010年04月10日 | s-u

♪ ハウー ハウー 春うらら ♪
今日は朝からそんな感じですねぇ。この終末には見頃になるのかと思っていた桜も、昨日の段階で咲いていたのは一、二輪。「あれ?俺まちがえた?」ってくらい可哀相な常態でしたが、今日はお仲間がぐっと増えるんじゃないかと期待させる陽気です。

「○○、Kさんのところで、あんまり綺麗に花が咲いたから写真撮ろうと思ったらカメラが壊れてたんだって、来て撮ってくれないかって言うんだけど・・・・」
母の茶飲み友達から朝早くに電話が入りました。
「そりゃいいけど、オレみたいなカメラマンでいいんかね?」

ってことで、母と一緒に近所のKさんのお宅へ
ところが先ほどまでの青空がいつのまにか曇り空へ、
「まったく、今日は一日晴れるって言ってなかった?」

ともかく、撮影はしてまいりました。
・・・・・あはは、『撮影』じゃなくて『写真を撮ってきた』が正しいですかね。

Kさんが撮ってほしかったのは、???????何て言う種類なのか?ともかく桜でした。
昨年まではポツポツとしか花をつけなかったらしいのですが、今年は
「枝を切ったせいかねぇ、良く咲いて・・・枯れる前のバカ咲きだったりして」
開花が遅れている染井吉野をあざ笑うかのごとく咲き誇る???桜
「やっぱ、桜はええやねぇ」
どうにも実感が無かった春をやっと感じる思いでした。


垣根越し やっと感じた 春の風

てなところですかね
三流どころか六流以下のカメラマンでしたが、何枚か選んでプリントすることにしましょう。

さて、今日の一枚は、ハル・シンガーです。
えっ?ひょっとして春とハルをかけたかって?いやいや、ここニ、三日どうにもお腹の調子が悪くて、張っちゃって張っちゃって・・・・・って、違いますよ。(笑)
このスイング感、ブロー感、ブルース感が、なんとなくウキウキした春の心に合っているかなぁ・・・なんてね。

ここでのブロー感、ブルース感は、ハルの力といったところでしょうが、スイング感を増しているのは、やっぱりチャーリー・シェイバースの力が大きいでしょうか?
私なんかにすると往年のプレーヤーとのイメージが強いトランペッターですかねぇ、ベニー・グッドマン楽団、トミー・ドーしー楽団での活躍、そうそう、編曲者としてもジョン・カービー楽団の作品ほとんどに係わった方でもありました。

そういった意味で、私的には若干時代が古いイメージを持つアルバムではありますが、私が良く聴いているものも今じゃじゅうぶんクラシカルですから、古いも新しいもありません。
単純に楽しく聴きましょうよ、ね。

BLUE STOMPIN' / HAL SINGER
1959年2月20日録音
CHARLIE SHAVERS(tp) HAL SINGER(ts) RAY BRYANT(p) WENDELL MARSHALL(b) OSIE JOHNSON(ds)

1.BLUE STOMPIN'
2.WINDY
3.WITH A SONG IN MY HEART
4.MIDNIGHT
5.FANCY PANTS
6.THE BLAST OFF


邪鬼退散!

2010年04月08日 | a-c

ジャイアンツの木村拓哉コーチが亡くなり、くも膜下出血の恐ろしさをあらためて認識しましたが、私も十数年前に前日楽しく飲んでいた方が翌日突然くも膜下出血で亡くなるという経験をしたことがあります。

その方も当時40代の働き盛りで、いっしょに私が勤めていたとある施設のPRキャンペーンで常磐線の主要駅と東北本線の主要駅を二泊で回るというかなりの強行軍をこなしたその最終日の出来事でした。
「体調がイマイチだなぁ、二日酔いかなぁ」
なんて朝はおっしゃっていたのですが、後で考えてみればこれがくも膜下出血の前兆だったのでしょう。でも、ご本人はもちろんまわりもそれが死につながる前ぶれなんて事は思いもしないわけで、その日のキャンペーンを終えてご自宅に帰宅された直後に、倒れられたのでありました。

深酒、喫煙、寝不足に疲れ、ストレス、運動不足・・・・・
どれをとっても悪いことばかりやっている私にも、いつそんな病魔が襲ってくるかわかりません。
「大丈夫じゃねぇバブの場合は、だって最大の原因、ストレスがあんたには皆無でしょ、それにほら憎まれっ子世に何とかだから」

いずれにしても、まさに突然襲いかかる病魔でありますから、我々働き盛り(自分がそう思っているだけかもしれませんけど。笑)は、じゅうぶんに注意せねばいけませんね。

とか言いながら、昨晩は『邪鬼払い』と称して、S君としたたかに飲んできてしまいました。
「邪鬼よ、立ち去れぃ!カンパ~~イ」
って、いったいどんな邪鬼が二人に迫っていたかといえば・・・・・・
あれ?何だっけ???????
「あはは、酔っぱらってなんだか忘れちゃったぁ」
たしかに、私はストレスとは無縁かもしれませんね。
おっと、忘れるところだった。
最後に一人で立ち寄ったいつものバーのママ、またまた酔っぱらいがご迷惑をおかけしました。この場を借りまして深くお詫び申し上げます。ペコリ


増長天に踏まれた邪鬼が、
なんとなく私に似ているように思うのは
気のせいでしょうか?

ほんと、存在そのものが迷惑のような私には、邪鬼は襲ってきても(っていうか、私が邪鬼じゃなく邪気を発散してるのかな?)、命まで奪う病魔はなかなか襲ってきません。どうしてよさげな人ばかり彼らは襲うんでしょうかねぇ?
木村拓哉コーチのご冥福をお祈りいたしましょう。

さて、今日の一枚は、ジャッキ・バイアードです。
べつに『邪鬼払い』に引っかけたわけじゃありませんけどね。(笑)

先日『大器晩成』のお話しをしましたが、この方もかなりの『大器晩成』タイプですよね。
なにしろ注目を浴びたのはこの後のアルバム「HI-FLY」からですから、その時40才、かなりの遅咲きです。
今日のアルバムはそのバイアートのブレスティッジ・デビューアルバムです。

共演しているロン・カーターに、「彼がもし、ミンガスのところではなく、マイルスのところにいたなら、ジャズのメインストリームに変化があったかも知れない。」と言わしめたバイアード。
もしマイルスのところにいたらという仮説は、まったく成り立たないと私は思っています。
だって、アーマッド・ジャマルとバイアードじゃ比較する対象が違うし、ミンガスであればこそ、エリック・ドルフィーの個性のごとく活きる時もある、そう思うからです。

とりあえず、このアルバムでは充分な鬼才ぶりを発揮しているとまではいかぬものの、「右手と左手が何を考えてバラバラに動いてんだろ」てな不思議なハーモニーをときおり聴かせたり、なんとも美しい「ポーギー&ベス」のメドレーを聴かせたりと、彼らしさが随所に感じられる一枚であると思います。

この手のピアノは、やっぱり好き嫌いがハッキリしますよね。どう考えてもマイルスのグループには誘われないでしょう・・・ってまだ言ってます。(笑)

余談ですが、このジャケ写真、なんとなく邪鬼に見えません?

HERE'S JAKI / JAKI BYARD
1961年3月14日録音
JAKI BYARD(p) RON CARTER(b) ROY HAYNES(ds)

1.CINCO Y QUATRO
2.MELLOW SEPTET
3.GARNERIN' A BIT
4.GIANT STEPS
5.BESS YOU IS MY WOMAN ~ IT AIN'T NECESSARILY SO
6.TO MY WIFE
7.D.D.L.J.


よっ!待ってました!

2010年04月06日 | a-c

今日は『寒の戻りの特異日』だそうですけど、逆に「やっと春らしい一日が来た」てな一日になりました。花粉の飛散云々はともかく春はこうじゃなきゃいけませんねぇ。市内のあちらこちらで桜の花の話題がチラホラ出ておりましたので、今日あたりは一気に開花が進んだかもしれません。

残念ながら、陽気に誘われて今日の昼食を食べた公園の桜はあと一歩ってなところでしたが、それでも今にも開きそうなつぼみがいっぱいでしたから、「今日明日には」といったところでしょうか。


金色の いとかすかなるものなれど 
人土筆摘む みづうみの岸

と詠んだのは与謝野晶子だったでしょうかねぇ、まさに春の陽射しを浴びた土筆は金色に光っているように感じます。
さすがに「昼休みに摘んでいって家で食べようか」てな事は考えませんでしたが、寒い寒いと思いながらも季節は確実に進んでいるようです。

そういえば、ご夫婦でしょうか、初老のカップルがベンチで寄り添いながら休んでおられて、旦那さんがなにげに奥様を気遣う姿が
 ♪ また君に恋してる・・・ ♪
と、今流行の歌を耳元で唄っているかのようで、じつに良い光景でした。

「ふむふむ、夫婦たるものかくありたい・・・・」
自分には絶対に不可能なことに人は憧れるのでありますよ。(笑)

ともかく、いろんな意味で春を感じた昼休みでした。
「よっ!待ってましたぁ お春ちゃぁ~~ん」

さて、今日の一枚は、キャノンボール・アダレイです。
春らしいアルバムと考えたのですが・・・まっ若さあるキャノンボールなら、それも良しかなと(笑)

前回紹介したリー・モーガンが、ブラウニーの死後彗星のごとくというなら、キャノンボールはバードの死後彗星のごとくというべきアルト奏者であります。
そのキャノンボールの初リーダーアルバムがサヴォイに残る今日の一枚です。

比較ついでにいうと、キャノンボールの場合はモーガンと違い、彼がほんとうにやりたかった事をこのレーベルが許したかといえばさにあらず、ほんとうの意味で彼に注目が集まるのは、マイルスとの共演を待つことになるわけですが、
とにもかくにも「突然のカフェ・ボヘミアでの彼の演奏に誰もが目を丸くした」という状況は、納得のいく初リーダーアルバムであることはたしかです。

「FLAMINGO」を聴きながら、一人夜桜で一杯なんてぇのも、ちょっくらオツじゃござんせんかねぇ

PRESENTING "CANNONBALL" / CANNONBALL ADDERLEY
1955年7月26日録音
CANNONBALL ADDERLEY(as) NAT ADDERLEY(cor) HANK JONES(p) PAUL CHAMBERS(b) KENNY CLARKE(ds)

1.SPONTANEOUS COMBUSTION
2.STILL TALKIN' TO YA
3.A LITTLE TASTE
4.CARIBBEAN CUTIE
5.FLAMINGO


初物の力に感謝

2010年04月04日 | m-o

「お弁当もってサイクリングじぁ」
と張り切っていた日曜日、春うららかな晴天を期待したのに・・・・なんですかこの雲の多さ、しかも気温だって高いとは言えませんよ「最高の行楽日和と予想した予報官、出てこ~~~い!」てなもんですよ。
さらには、どうにも朝から熱っぽくて体が怠いんでありまして
「サイクリングはあきらめれば」
けっきょく半日床の中というトホホの休日になってしまいました。


なんだか庭で遊ぶ雀が妬ましい

午後からも、チック・コリアのミュンヘン、フィルハーモニー・ホールでのライブDVDを見たり、本を読んだりしてダラダラ過ごしておりますと
「○○(私です)鰹もらってきたよ、ニンニク醤油ででも食べれば元気出るんじゃねぇが」
母が近所の茶飲み友達に『初鰹』をいただいてきたと言うんであります。

桜も咲かぬうちに(厳密には今日市内の公園で開花が確認されたようです。でも我が家の回りじゃぜ~んぜん。笑)『初鰹』てぇのもなんだかヘンテコな気分ですが、江戸っ子は女房の着物を質に入れてまでも食べたという『初鰹』は、初物の白鵬、いや横綱みたいなもんですから、これをニンニクと食せばたしかに元気が出そうです。

「となりゃやっぱ日本酒が必要だね」
ところがあいにくの日本酒切れ、
「しゃぁねぇなぁ、ほんじゃひとっ走り行ってくらぁ・・・・」
ほらね、さっきまで熱があるだの頭痛いだの言ってた私が買い物に行っちゃうんだから、「『初鰹』の力は恐るべし」でありますよ。(笑)

ところで、カツオってぇのはどうして「魚へんに堅い」なんでしょうかねぇ?う~~~ん気になる。(笑)
調べてみると、カツオという呼び名そのものが堅魚(カタウオ)から変化したものだとも言われているそうで、鰹節(とうぜん最初はカツオブシとは言わなかったんでしょうけど)が堅いことから堅魚(カタウオ)になったという説もあるそうです。
なにより「勝つ魚(カツオ)」で語呂が良いてんで、武士に好まれ、これが江戸に広まったそうでありまして、それ故の「初物の横綱」てぇことですね。

とにもかくにも『初鰹』とニンニクに力を得て元気を取り戻した私。もちろん鰹を食べない母のためにも『料理当番、本日の一品』を作りましたよ。

ひとよんで「おにぎり寿司」であります。(笑)
母が食べられる生もの、甘エビとホタテは酒を買いに行ったついでに仕入れてきました。この二つは普通に酢飯。卵の中身は、甘酢に漬けた大根と生姜の千切りを御飯に和えたもの、キャベツの中身は甘辛く煮つけた豚肉と牛蒡を細かくして御飯に和えたものがそれぞれ入っています。

さて、今日の一枚は、リー・モーガンです。
以前、「彼の初リーダー・アルバムは二枚ある」てな事を書きました。つまり、このブルーノート盤とサヴォイの「INTRODUCING LEE MORGAN」の二枚をそう称したのですが、厳密にはやはり録音日が一日早いこのブルーノート盤を「彼の初リーダー・アルバム」と呼ぶべきなのでしょう。

1956年10月、17才の天才トランペッターはガレスピー楽団に迎え入れられました。そして、その一ヶ月後、サイドマンとしてではなくリーダーとしてブルーノートでの初レコーディングにのぞみます。しかも翌日にはサヴォイでのレコーディングを行うという・・・なんともまぁ恐るべしガキンチョじゃありませんか。

ともかく、巨星ブラウニーの突然の死に一筋の光のごとく現れた早熟ガキンチョ(女性に関してもね。笑)に、アルフレッド・ライオンもまた大きな期待を抱いたのは間違いのないことでしょう。

ただ、いかに彼のオリジナルを避け、最高のサイドメンを揃えてプレッシャーを極力抑えようとしても、高卒ルーキーの初先発マウンドみたいなものですから、意気込みだけが先走っている感はゆがめません。
それでもそんじょそこらの高卒ルーキーとは桁違いの早熟ガキンチョは、「点は取られても完投勝利」みたいなことをやってのけちゃうから凄いんです。
観客はお立ち台のルーキーに「インディード!」と拍手喝采を贈るのでありますよ。

私は若者に言いたい、「こうしてモーガンがお立ち台に立てたのも、シルバー、ウェア、ジョーンズの最高リズムセッションと、渋~~いクラレンス・シャープの力があってこそ、どんな天才でもやっぱりまわりの人に支えられてイッパシになっていくんだから、君らも感謝の心を忘れちゃいけんよ。」

LEE MORGAN INDEED !
1956年11月4日録音
LEE MORGAN(tp) CLARENCE SHARP(as) HORACE SILVER(p) WILBUR WARE(b) PHILLY JOE JONES(ds)

1.ROCCUS
2.REGGIE OF CHESTER
3.THE LADY
4.LITTLE T
5.GAZA STRIP
6.STAND BY


私の晩はいつ?

2010年04月03日 | a-c

春の嵐もなんとか通り過ぎ、今週末はまずまずのお天気だそうで、明日は自転車散歩で桜の様子でも見に行ってこようと思っています。

二週間ほど前からMさんのお店に四十代後半の男性アルバイトが深夜担当として働き始められました。以前は地元の優良企業といわれた職場に長年お務めだったそうですが、以前優良企業というその「以前」が問題で、けっきょく経営不振からのリストラという地方にはありがちな事で職を無くされたそうです。
さりとて現状その歳での再就職はなかなか難しく、とりあえずはMさんのお店でのアルバイトということになったのですが
「SSさん、どうです?身体的にきつくありません?」
「ええ、なんとか馴れてきましたけど、やっぱり深夜はかってが違いますねぇ。」
やはり長年身体に染みついた生活リズムを変えるということは大変なようです。

そういえば、私の生活リズムも今週から少し変わってきて戸惑っています。
え?勤務が深夜になったのかって?
いやいや、そんなんじゃなくて、朝食時間が15分早まったのです。
「な~~~んだ」って、あなた、そう言いますが朝の15分差はけっこう大きいんですよ。(笑)

その原因はNHKの朝ドラにあります。
今回の新番組編成で朝ドラの時間が15分早まったじゃないですか、これが、我が家の朝時間を全て15分ずつ切り上げる事になったわけで
「べつにドラマを見る時間が変わっただけで、全部の時間を変えなくても・・・・」
と、異議も唱えてみたのですが、家人は『時間』よりも朝の一連の『流れ』を重視したようです。おかげで、そうじゃなくても少ないであろう私の睡眠時間が15分も切り詰められるという・・・・・・・
「チッ、NHKめ、ろくでもない事しやがって」(笑)
とはいえ、いままでは最後まで見ずに家を出た朝ドラを最後までしっかり見られるようになった私は、「来週はどんな展開になるんだろ」と、どこかで楽しみにもしているわけですけどね。

今回の朝ドラは漫画家水木しげる氏の奥様、武良布枝さんが書かれた、妻の目から夫婦の半生を振り返ったという原作をドラマ化したものですが、見始めればなかなか面白いんであります。(笑)

水木しげると言えば、まさに大器晩成、雑誌デビューを果たしたのは42才、しかもかの『ガロ』ですからねぇ、『テレビくん』で講談社児童漫画賞を受賞してからはイッパシの収入も得られたそうですが、奥様の苦労は察しがつこうてなもんです。

・・・・・んんん?そうですよねぇ、四十、五十なんて人生すでに終わったような気になってますけど、水木しげる氏を思えばさに非ずでしょうか。SSさんももちろん私も「これからこれから」ですよ。頑張りましょ、ね。
「大機晩成!これはまさに我々に証明を託された言葉だぁ!!!!」
「ところでバブ君。あなたの晩は、六十からかい?七十からかい?」
「・・・・・・・・・・!?」

さて、今日の一枚は、レイ・ブライアントです。

我がブログを長く見ていただいている包容力あるお方は感じておられると思いますが、私はブライアントが大好きです。(笑)
明るくて「イエィイエィ」なのにとってもブルース感溢れるというか、「今日もそんな気分で一日を過ごしたい」ってな感じになるんですよねぇブライアントを聴くと

一曲目「LITTLE SUSIE」から、そんな雰囲気をまともに感じられます。ボビー・ティモンズじゃなくても手拍子したくなるって(笑)
彼のノリは薄っぺらじゃないところが良いんでありまして、このアルバムもまた「良きかな」です。

LITTLE SUSIE / RAY BRYANT
1959年12月10日, 1960年1月19日録音
RAY BRYANT(p) TOMMY BRYANT(b) EDDIE LOCKE(ds) GUS JOHNSON(ds)

1.LITTLE SUSIE
2.BY MYSELF
3.BLUES FOR NORINE
4.MOON-FACED,STARRY-EYED
5.BIG BUDDY
6.WILLOW WEEP FOR ME
7.GREENSLEEVES
8.SO IN LOVE
9.IF I CAN JUST MAKE IT
10.MISTY


ジャズっぽくねくねぇ?

2010年04月01日 | y-その他

気温もどうやら平年並みに戻り、やっと桜の開花が近づいたかな?なんて思っています。それにしても我が田舎の開花が東京からこれほど遅れているてな事が、過去にあったでしょうか?

今日は珍しくもジャズの話をしようかと思います。(最近は何のブログなんだか本人もよくわかっておりません。笑)
といっても、ひねくれ者の私のことですから、素直なお話しではありませんで。

 神は なくてもある
 また 彼はユーモラスである ので
 ある種の人間に似ている

 このたびは
 巨大な 男根を連れて わたしの夢の地平線の上を
 ピクニックにやってきたのだ
 ときに
 スミコの誕生日に何もやらなかったことは
 悔やまれる
 せめて 神の連れてきた 男根の種子を
 電話線のむこうにいる スミコの
 細く ちいさな かわいい声に
 おくりこみたい
        ・・・・・・・・

って、べつに官能小説を読み上げているのではなく、白石かずこの詩『男根(Penis) スミコの誕生日のために』の冒頭部分の紹介です。
白石かずこといえば、以前も紹介した「DEDICATED TO THE LATE JOHN COLTRANE(ジョン・コルトレーンに捧ぐ)」という、サム・リバースをバックに朗々と詩を語るアルバムを出したバンクーバー生まれの現代詩人であります。

その「DEDICATED TO THE LATE JOHN COLTRANE」を最近はじめて聴いたというYさんが、
「バブちゃん、あれもジャズのアルバムといえるのかねぇ?」
と訊いてきました。

どうにもこうにも日本人ってヤツはジャンル分けしないと気が落ち着かないようで、しいては「ジャズとはなんぞやの話をせい」というのか?てなもんですよ。

昔、私の大好きな野沢那智と金井克子が出した「甘い囁き」はシャンソンか否か?いやいや、そもそもの本歌、ダリダとアラン・ドロンの「PAROLES PAROLES」はシャンソンだろ?って、フランスの歌手が歌えば全部がシャンソンかい??
ならば同じフランスでブリジット・フォンティーヌなんてぇのは、やっぱりシャンソン?え~~~だって、ジャズっぽい音楽をバックにあの人も語ってるよぉ、ほんじゃそん時はジャズかい?
ほんじゃほんじゃ、この前亡くなった浅川マキはバックをジャズミュージシャンが勤めればやっぱジャズ?
そもそも、ジャズ・ボーカルってなにさ?ストリングスバックに朗々と歌うのもやっぱジャズかい??????
ひょっとしたら、それよりも前衛バックに詩を語る白石かずこのほうがジャズっぽいちゃジャズっぽくねくねぇ(ここは今風な言い方で 笑)

なんてぇ事を頭の中で巡らせて
いやぁ、Yさん、それは聴く方の捉え方で良いんじゃないの。Yさんが白石かずこを聴いてジャズっぽいと思えばジャズだし、こりぁジャズじゃねぇって思ったらジャズじゃないんだよ。ちなみに、ジャズをバックに詩を朗読するってスタイルのアルバムはけっこうあるよ、そんでもって、販売ジャンルを見るとジャズになってるけどね。」

とじつに曖昧な答えをしてしまいましたが、どう思います?

語りがメインのアルバムっていうと、例えばラングストン・フューズの「WEARY BLUES」なんてぇのがありましたねぇ、ミンガスのベースが印象的だったりしました。映画『怒りの葡萄』にも出演していた名優ジョン・キャラダインも語りをやっていた「JAZZ CANTO」なんてぇのもありました。和物でも先日亡くなられた五代目三遊亭圓楽の「円楽のプレイボーイ講座12章」だって、大橋巨泉の「プレーボーイ入門」だって大きい意味でその手のアルバムだし、けっこうあるものです。

ちなみに、私的にはそれらを『キワモノ』と切り捨てるのはいかがなものかと思っていますけどね。
・・・・・????????あれ?今日の話ってジャズの話になってた?(笑)

さて、ということで、今日の一枚は、その白石かずこにしました。
前衛と現代詩、その融合は何を産み出すのか?
時に怪奇、時に瞑想、時に官能・・・・・・・・・・!?
言葉で、しかも日本語で(私にはこれが重要、笑)語られているのに、耳にというより脳髄に響いて、意味云々以上の訴えが心に伝わってくるような、そんな錯覚に捕らわれるのは、詩の朗読にもまた音楽同様、感覚的秘密兵器が潜んでいるからに違いないと思ってしまいます。

なんと、Yさんに聞くまで知りませんでしたが、このアルバムがCD化されてるんだそうで、ならばぜひ一度はお聴きになっても損はないかと、そのように思うしだいです。(笑)

DEDICATED TO THE LATE JOHN COLTRANE / 白石かずこ
1976年10月録音
白石かずこ(朗読)
SAM RIVERS(saxes,fl,p,perc) ANDREI STROBERT(perc) BUSTER WILLIAMS(b) ABDUL WADUD(cello)

1.MY TOKYO
2.DEDICATED TO THE LATE JOHN COLTRANE
3.ONCE AGAIN THE SEASON OF THE SACRED LECHER