JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

力を入れて聴く

2005年10月20日 | a-c

               
                   「CONCERT IN JAPAN」

今日は仕事を2時できりあげ帰ってまいりました。とても静かな午後なので気合いを入れた一枚を聴こうと取り出したのが、この一枚でありました。今、A,B面にわたる「Leo」を聴き終え、「Peace On Earth」をどうしたものかトミー・フラナガンを聴きながら考え中であります。

東京都豊島区の不忍通りと春日通りの交差点から、ちょっと入った路地に「チーター」という、とても小さなジャズ喫茶があったそうです。(残念ながら私は行ったことがありません)
ここのマスターと来日したコルトレーンとの話は、今や伝説。
ジョン・コルトレーンが来日したのは、亡くなる一年前、1966年7月のことでした。コルトレーンを呼んだのは本多徳太郎氏、神戸新聞がバックアップし公演が実現したわけですが、興業は大赤字、神戸新聞の担当者が責任をとったなんて事もあったそうです。
一方、呼ばれたコルトレーンのほうは、エイジェンシーに
「日本へ行く気があるか?」と尋ねられたとき
「イエス」ではなく、「はい」と答えたそうで、日本にある種の憧れを持っていたようです。

話がそれました、「チーター」のマスターのお話でした、
来日が決定したある日、マネージメントを行った日本の事務所に一人の高校生が尋ねてきました。
「自分で旅費や費用を全部負担しますから、バンド・ボーイをやらせてはもらえないでしょうか?」
彼は、無償でツアーの手伝いをすることになります。

宿泊費を知人や友人宅に泊まることで節約し、バイトでため込んだお金で全てをまかなう予定でしたが、コルトレーンと同じホテルに宿泊してしまったため、大阪でお金が無くなってしまいました。
別れの挨拶にやってきた彼を見て、コルトレーンは
「いくらぐらいあれば彼はいっしょにいられるのでしょうか?」とスタッフに聞いたそうです。
「3万円ぐらいでしょうか」するとコルトレーンは
「私が出したとは言わないでほしい、会社が残りを負担すると言うことにして....」と3万円を負担してくれたそうであります。

こうして、最後までコルトレーンに同行した彼は、コルトレーン帰国後にジャズ喫茶を開店しました、「チーター」というそれは小さなジャズ喫茶でした。

                      
                                    「COLTRANE IN JAPAN」       
                           
                    「SCOND NIGHT IN TOKYO」

7月8日に来日したコルトレーンは、翌9日の記者会見(45分間の演奏を披露)、10日の産経ホールの公演を皮切りに24日まで9都市でコンサートを連日こなしました。この時の演奏は7月11日の産経ホールでの公演と22日の厚生年金会館での公演の2回を、今話題の東京放送(TBS)が録音、「SCOND NIGHT IN TOKYO」「COLTRANE IN JAPAN」2組のアルバムとして発売されました。

              
                    「LIVE IN JAPAN」

私は、なぜかアメリカ発売盤の「CONCERT IN JAPAN」と、「SCOND NIGHT IN TOKYO」を持っております。(「IN JAPAN」は持ってないんですね)
ところが、後日、CD盤で2日間の演奏を網羅した「LIVE IN JAPAN」が発売になり、これは購入、
「何故?もったいない」と思われるでしょうが、レコードだと全て1曲がA,B面にかかっていたり、編集してあったりするんですよ(なにしろ1曲が長いから、MY FAVORITE THINGS なんて57分超ですよ)、それがCDだとノンストップで聴けてしまうんですね。
だけどです、このCD、4枚組なんですが全て通して聴いたことはありません。疲れてとても無理、覚悟がある方はぜひお試し下さい。

JOHN COLTRANE CONCERT IN JAPAN
1966年7月22日録音
JOHN COLTRANE(ts,as,bcl) PHAROAH SANDERS(ts,as,bcl) ALICE COLTRANE(p) JIMMY GARRISON(b) RASHIED ALI(ds)
Side 1
1.INTRODUCTION
2.LEO
Side 2
1.LEO
Side 3
1.PEACE ON EARTH
Side 4
1.PEACE ON EARTH
2.LEO

追伸、
フリージャズを毛嫌いされる方、コルトレーンを初めて聴く方、ぜったいにこのアルバムはお聴きにならないで下さい。


季節限定

2005年10月19日 | s-u

風邪気味にもかかわらず、昨晩はビール、日本酒、スコッチのフルコースでありました。割烹風のお店で飲み始めたのですが、そこで食した山芋の漬け物がおもいのほか美味しく、日本酒がよく進みました。
風邪?あらま、いつの間にやらどこかに行ってしまいましたねぇ、やはり私にはアルコール消毒が一番の風邪撃退法なのでしょうか。

ながく続いたイヤーな天気も、台風が太平洋に連れて行ってくれるそうで、明日は晴れ、これからは日々秋が深まっていくのでしょう。
私がまずこの季節にしか聴かないというアルバムがあります。スイングル・シンガーズとM.J.Q.の共演盤ですが、私が持っているのは輸入モノラル盤です。

学生時代お付き合いをしていたNさんは、全くジャズを聴かないひとでしたが、なぜかこのアルバムだけは抵抗無く聴いてくれました。
私にとっては、ジャズとはとても言い難い一枚ですが、ピアノを少々かじっていた彼女にはクラシックぽく聞こえたのでしょうか、BGMにこのアルバムをよく使っていました。(食事の時なんかということですよ、勘違い無きよう)

5年もお付き合いした彼女でしたが、別れて1年後に「元気だった?」という電話がかかってきました。その後手紙が届き
「先日、電話をした時、ある方から結婚を申し込まれていました。あなたの元気そうな声を聞けたので吹っ切れました。」みたいな内容、
(「おいおい、空元気を出さなければ、おまえは結婚を考え直したのかい?」)
そんな、いかにも秋っぽい思い出があるこのアルバム、思いだしたように秋にそっと聴く一枚になってしまいました。

PLACE VENDOME / THE SWINGLE SINGERS & M.J.Q.
1966年9月録音
SWINGLE SINGERS(vo) JOHN LEWIS(p) MILT JACKSON(vib) PERCY HEATH(b) CONNIE KAY(ds)
1.SASCHA (LITTLE DAVID'S FOGUE)
2.AIR FOR G STRING
3.VENDOME
4.RICERCARE A SIX
5.DIDO'S LAMENT (WHEN I AM LAID IN EARTH)
6.ALEXANDER'S FUGUE
7.THREE WINDOWS

おまけ
このアルバム、A、B面連続で聴くことが私はできません。BGMならともかく、どうも真面目に聞き入ることは私には難しいみたいです。

シルエットが願うもの

2005年10月17日 | m-o

今日の夕刻から、どうも体が重くちょっと風邪の予兆、アルコールの甘い誘いを振り切り帰宅してまいりました。

今日、小泉首相が靖国神社に参拝されたようですが、あえて意見は差し控えるとします。その代わりというわけではありませんが、神道がらみのお話しをひとつ。

今日、昼食をとったお店は、行きつけの喫茶店。店内の端に小さな神棚が設けられていて、一体の古めかしい大黒様がいらっしゃいます。
「気がつかなかったけど、大黒様がいらっしゃったんだね」
「あぁ、骨董市で買ってきたのよ」とママ
「そうなんだ、ところでさ、大黒様の袋の中身ってなんだか知ってる?」
「知ってる知ってる」とマスター
さて、みなさんはご存じですか?

そもそも大黒様は遠くインドのシヴァ神と同体神「マハー・カラー」という暗黒の大神であります。ですから当然手には剣を持ち、鋭い眼光でにらみつける、そんな神様なのですが、日本に渡り、聖徳太子が仏教を国教とみとめ、神仏習合が進むと日本の神「大国の尊」とだぶった存在となります。大国が大黒と絡み合っちゃったわけですね。
「大国の尊」の話となると「因幡の白ウサギ」が有名ですが、どうして「大国の尊」は因幡(稲羽)に出かけたのでしょうか?
これが、なんと女を目当てに出かけたのですね、
「おいおい、稲羽の国にヤカミヒメっていう、えれえいい女がいるんだってよ」
てなはなしで、「大国の尊」兄弟(大国の尊は末っ子、お兄さんが80名いたそうで)は、ヤカミヒメを何とかしようと出かけたわけです。
ところが、末っ子の「大国の尊」は荷物運び、
ということで、あの袋には81名分のトラベル・セットが入っていたのでありました。(80名というのは、正確に80人いたということではなく、いっぱいいたということらしいですが)

ちなみに、その後「大国の尊」は、兄たちに1度殺され、生き返り、またまた殺されかけ、助かるという、いじめられっ子でありました。

「マスター、袋の中身は正解として、打ち出の小槌の模様が、どうして桃なのか知ってる?」と聞くと
「知らない、なんか意味あんの?」
「これがねぇ、面白い意味があるのよ。大黒様って俵に乗ってるでしょ、後ろ姿をシルエットで見てみてよ」というと、神棚から大黒様を下ろし、ながめていました。
「マスター、何となく股間が、むずむずしない?」
「あーーーーーなるほど、そうだわ、そう見えるわ」
みなさんはおわかりになりましたでしょうか、シルエットは男性自身になるのであります。
「ね、そんでもって桃は古くから「女性器」をあらわすわけ、子孫繁栄を意味してるってことだわね」
「なあーるほど」

靖国参拝からはほど遠い話になってしまいました。
さて、今日は何を聴きましょうか、「センチメンタル・ジャニー」を何となく聴きたくなりました。このアルバムを聴いて、風邪気味の私は早めに寝ることにしましょう。

4,5 AND 6 / JACKIE McLEAN
1956年7月13,20日録音
JACKIE McLEAN(as) DONALD BYRD(tp) HANK MOBLEY(ts) MAL WALDRON(p) DOUG WATKINS(b) ART TAYLOR(ds)
1.SENTIMENTAL JOURNEY
2.WHY WAS I BORN ?
3.CONTOUR
4.CONFIRMATION
5.WHEN I FALL IN LOVE
6.ABSTRACTION
 


ポッと酔った夜

2005年10月16日 | a-c

             

今日は、午後から晴れるという天気予報を信じ、近くの渓谷に紅葉の様子を見に出かける予定でしたが、ほぼ一日中雨模様、自宅で映画鑑賞の午後でありました。
夕刻からは、ブラウン&ローチの「AT BASIN STREET」なんかを聴きながら、夕食の準備(日曜日の夕食は私が作らされております、トホホ)

本日のメニューは、豚汁、冷やしトマト、秋刀魚の塩焼き、自家製イカの塩辛、お新香、自家製おろしいくら、以上、さほど手間のかかるものもなく、じつに日本酒向きの夕食であります。

常温の日本酒を4合ほどいただき、いい気分になったところで、ふと先ほど聴いていた「AT BASIN STREET」を思い起こし、こんなことを考えました。

「もし、1956年3月頃に、仮に同じ条件のライブ・ハウスが4件あり、同日同時間に同料金で、ブラウン&ローチ・クインテットとジャズ・メッセンジャーズとマイルス・クインテットとM.J.Q.、この四組のライブがあったとしたら、はたしてどのライブ・ハウスに出かけるだろうか?」なんてね。
「1956年3月であれば、メッセンジャーズもホレス・シルバー脱退前だよなぁ」とも思いながら

             

さて、皆さんだったらどのライブ・ハウスに出かけますか?
ちなみに考えられるメンバーは、

ブラウン&ローチ・クインテットが
クリフォード・ブラウン(tp) ソニー・ロリンズ(ts) リッチー・パウエル(p) ジョージ・モロー(b) マックス・ローチ(ds)

ジャズ・メッセンジャーズは、
ドナルド・バード(tp) ハンク・モブレー(ts) ホレス・シルバー(p) ダグ・ワトキンス(b) アート・ブレーキー(ds)

マイルス・クインテットは、
マイルス・デイビス(tp) ジョン・コルトレーン(ts) レッド・ガーランド(p) ポール・チェンバース(b) フリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

M.J.Q.は、とうぜん
ミルト・ジャクソン(vib) ジョン・ルイス(p) パーシー・ヒース(b) ケニー・クラーク(ds)

これは悩むでしょ?

せっせと夕飯を作り、ポッと日本酒に酔い、あり得ない話を想う、ある意味幸せな秋の夜であります。

AT BASIN STREET
1956年1月2日録音
CLIFFORD BROWN(tp) SONNY ROLLINS(ts) RICHIE POWELL(p) GEORGE MORROW(b) MAX ROACH(ds) TAD DAMERON(arr,cond)
1.WHAT IS THIS THING CALLED LOVE
2.LOVE IS A MANY SPLENDORED
3.I'LL REMEMBER APRIL
4.POWELL'S PRANCES
5.TIME
6.THE SCENE IS CLEAM
7.GERTRUDE'S BOUNCE

おまけ、
ちなみに、私ならばやっぱり「マイルス・クインテット」を聴きに行ったでしょうか。


覚えのない「朝雲暮雨」

2005年10月15日 | d-f

「バブさん、朝雲暮雨(ちょううんぼう)って言葉知ってる?」
「突然尋ねられても、私は四字熟語の先生でもないし、朝の雲に暮れる雨だから、曇りのち雨ってことじゃないの」
今日、突然Dさんにこんな質問をされてしまいました。

話によれば、Dさんはとある女子社員の指導役になったそうで、上司に、
「適役、適役、何と言っても君たち二人は朝雲暮雨を交わしたなかだからね」
と言われたとか。

「う~む、なんとも意味深だねぇ」
「でしょう、調べようと思ったんですが時間がなくて」
「Dさんとその彼女って、なんかあったの?」
「いえ、なんもないですよ、何回か飲みに行ったりはしましたけど」

そこで、本屋さんで「朝雲暮雨」の意味を調べてみることに
"「朝雲暮雨」=男女が愛し合い、片時も離れていられないほどの仲であるたとえ。男女の情交のこともいう。"
なんと、こんな意味が
「バブさん、これって、僕と彼女が深い仲だからって課長が言ったってことですか?」
「まぁ、平たく言っちゃえばね......」
「冗談じゃないっすよ......飲み行ったくらいで」

だれが流したうわさ話かはわかりませんが、いなかの小さな会社では良くあることのように思います。彼には気の毒ですがそんなものです。それにしても上司の言葉とも思えぬ不愉快な言いぐさですが、その上司も「朝雲暮雨」なんてことばよく知ってたなぁ。

「まぁしょうがないから、ビシッと教育しちゃえば。課長を見返してやンなよ」

さて、今日の一枚は話とは全く関連がありません、ビル・エバンスを選びました。
ある意味、エバンスらしからぬ一枚ではありますが、私は「ダニー・ボーイ」聴きたさにこのアルバムを買いました。

Oh, Danny boy, the pipes, the pipes are calling,
From glen to glen and down the mountain side;
Summer's gone, and all the flow'rs are dying;
'Tis you, 'tis you must go, and I must bide.

      おぉ、ダニーボーイよ、と笛が、笛が呼んでいる
      谷間から谷間へ、山腹を駆け下りて
      夏は去り、全ての花が死んでしまう
      ああ貴方は去らねばならない。
      そして私は留まらねばならない。

このメロディーを聴くと、なんとも言えない気分になります。秋に合った一曲だと思うのですが、いかがでしょうか?

EMPATHY / BILL EVANS
1962年8月14日録音
BILL EVANS(p) MONTY BUDWIG(b) SHELLY MANNE(ds)
1.THE WASHINGTON TWIST
2.DANNY BOY
3.LET'S GO BACK TO THE WALTZ
4.WITH A SONG IN MY HEART
5.GOODBYE
6.I BELIEVE IN YOU

こそくな手を使いおって!

2005年10月14日 | m-o

          
                      「SOLO MONK +9」

「雨の日はジャズを聴きながら」のクリスさんのところで、「Lee Morgan Sextet」 の話題で出たお話しなのですが、CDでよく「○○△+2」とかいってボーナス・トラックがプラスされているものが多くあります。
先日、紹介したCDのエリック・ドルフィーの「OUTWARD BOUND」も3トラックプラスされていました。
このボーナス・トラックですが、どうもメーカーの策略にのせられているような感じがしてなりません。
これも以前に紹介したアルバムですが、セロニアス・モンクの「SOLO MONK」というアルバムがあります。私、なんとこのアルバム、レコード1枚、CD2枚を所有しています。

「SOLO MONK」は、1964年から65年にかけてのモンク・ピアノ・ソロ作品集みたいなものなのですが、オリジナル盤(レコード)では12曲収録だったものが、ボーナス盤CD「SOLO MONK +1」では1曲、未発表曲がプラスになり13曲収録されていました。
              
                          レコード盤
              
                        「SOLO MONK +1」

ある日、なにげにCD屋さんの棚をながめていると「SOLO MONK +9」というCDを発見、
「どうせ、別テイクをプラスしてあるだけだろ」と思いつつ手に取ると
「なんとまぁ!1曲だけはまたしても未発表曲?」
7曲はオリジナルの別テイクでしたが、のこり2曲のうち1曲はボーナス盤CDに収録分の1曲、残り1曲がまたまた、未発表曲。
結局、この「SOLO MONK +9」を私は買ってしまったのでありました。

さーて、ここで問題です、私が最初に買ったCDはなんの意味があったのでしょうか?もちろん全曲「SOLO MONK +9」に網羅されております。
しかも、しかもですよ、「SOLO MONK +1」は1995円で購入、「SOLO MONK +9」は1890円での購入、
「なんなんだ、えっ? ちょっくらふざけちゃいやせんか?てんだい!」
レコードとCDのダブリは、しかたないにしろ、CDとCDのダブリというのはとても不経済であります。
先日のマイルス「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」スーパー・エディションはそれでもCD1枚分のプラス・アルファーですから、我慢もできるとして、2曲しかない未発表曲を1曲ずつに分けて出すとは..........う~~~~ん、ちょこざいなぁ

こそくな手に乗って買ってしまう私みたいなのがいるから、悪いっちゃぁ悪いんですけどね。(トホホホホ)

今日は、あえて以前とダブリますが、「SOLO MONK +9」を紹介します。

SOLO MONK +9 / THELONIOUS MONK
1964~65年録音
THELONIOUS MONK(p)
1.DINAH (take 2)
2.I SURRENDER, DEAR
3.SWEET AND LOVELY (take 2)
4.NORTH OF THE SUNSET
5.RUBY, MY DEAR (take 3)
6.I'M CONFESSIN' (THAT I LOVE YOU)
7.I HADN'T ANYONE TILL YOU
8.EVERYTHING HAPPENS TO ME (take 3)
9.MONK'S POINT
*10.I SHOULD CARE
**11.ASK ME NOW (take 2)
**12.THESE FOOLISH THINGS (REMIND ME OF YOU)
**13.INTROSPECTION
**14.DARN THAT DREAM
**15.DINAH (take 1)
**16.SWEET AND LOVELY (take 1)
**17.RUBY, MY DEAR (take 1)
**18.I'M CONFESSIN' (THAT I LOVE YOU) (take 1)
**19.I HADN'T ANYONE TILL YOU (take 2)
**20.EVERYTHING HAPPENS TO ME (take 1)
**21.ASK ME NOW (take 1)

*は「SOLO MONK +1」でプラス、**は「SOLO MONK +9」でプラス。


初体験アルバム

2005年10月13日 | a-c

昨晩は食事の後、いつものバーへ、
一杯飲んで帰ろうと思ったのですが、先日の「頭かち割り事件」でご迷惑をかけたバーへもご挨拶をしてと思い、結局は午前様とあいなりました。

ここのバーのママは、小枝の集合体みたいな方でガリガリもいいところ
「ママ、この前はごめんね、飲みに来たんだか血止めに来たんだかわかんなかったよね」
「大丈夫だった? しかしみんなタフだよね」
「ママも少しは肉つけて、タフになったほうがいいよ、体調悪いんでしょ」
1ヶ月ほど前から本人は風邪だと豪語していましたが、体調不良が続いているようです。
「左の肩がすごい重いんだよねぇ」
「どれどれ」
お客さんがいないことをいいことに、ママをカウンター席に座らせマッサージを始めました。プロ級と称されるほど私のマッサージは好評でありますが、手相同様、基本的には女性専門ということになっています。(....しょうがねぇなぁ中年おやじは)
背骨沿いにマッサージをしてみると
「ママ、完璧に曲がってるよ背骨」
「やっぱり? だから左が重いのかなぁ?」
「俺、いい整体の先生知ってるから一度診てもらえば? 俺はママに片思いだけどママが肩重いじゃ興ざめだから」(なんじゃそりゃ)
ここで二人組のお客さん来店、マッサージ・タイムは終了いたしました。

ここで素直に帰れば午前様もなかったのですが、この二人組の方々としばしの団らん。
「そうですか、バブさんはジャズがお好きなんですか?」と一人の方、
「僕ねぇ、聴いてみたいんだけど、何から聴いたらいいですかねぇ?」ともう一人の方、店内には「JOHN COLTRANE AND JOHNNY HARTMAN」が流れていましたが
「これもジャズでしょ? いいねぇこんなん」

ジャズといっても多種多彩で、どんな好みかわからなければ「お勧め」というものは難しいこと、聴こうという気があればいたるところでジャズは聴けるということ、そんな話をした後
「それで、これいいなぁ、聴いてみたいなぁと思ったら、そのレコードかCDを買っちゃうんですよ。ついでにジャズの棚の中からジャケットかっこいいなぁっていうのも一枚買っちゃうんですよ。それからもう一つついでにいいなぁって思って買ったCDの演奏者を見て、どの人のでもいいから同じ人が演奏している一枚を買っちゃうんですよ、それがとっかかりかな」

「ところで、バブさんが初めて買ったジャズのレコードって何でした?参考までに」
「忘れもしません、中学2年生の時、さっき流れていた人のなんですが、ジョン・コルトレーンの「CRESCENT」っていうアルバムでした。今でももってますよ....あっ、でもそのアルバムは最初に聴くにはちょっと問題あるかも知れないので、参考にしないで下さい。」

こんな話で時計は午前を指していました。

CRESCENT / JOHN COLTRANE
1964年4-7月録音
JOHN COLTRANE(ts) McCOY TYNER(p) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES(ds)
1.CRESCENT
2.WISE ONE
3.BESSIE'S BLUES
4.LONNIE'S LAMENT
5.THE DRUM THING

おまけ、
何故「CRESCENT」だったのかといえば、トランペットの音にあこがれてジャズ喫茶のドアを開けた私は、トランペットではなくコルトレーンに打ちのめされてしまいました。初めて買うレコード(ジャズで)も何もわからず「コルトレーン・カルテットならなんでもいいや」的にこのアルバムを選びました。

日本のひばり、NYのヒバリ

2005年10月11日 | a-c

                  

今日お会いした、とある会社社長のお話をひとつ
彼は、私より年上でいらっしゃいますが、美空ひばりのファンで「ひばり展」なるものも開催してしまうほどの方です。一度だけ「ひばり展」に関わったことで知り合いました。何回忌だか忘れてしまいましたが、武道館までつきあわされたり、目黒のひばり事務所までお付き合いしたこともあります。

「バブ君はジャズ、詳しかったよね?」
「詳しいほどではありませんが、聴くのは好きですねぇ」
「ひばりさんのジャズは聴いたことある?」
(おいおい、「ひばり展」の時にいやというほどあなたに聴かされたではありませんか)
と2枚のアルバムを持ちだしていらっしゃいました。
そりぁ、昭和の歌姫ひばりさんですから、好みは別としてもすばらしい歌唱であります。またまた、1時間ちょっとひばり話につきあわされてしまいました。
               

彼には大変失礼ですが、私は「ヒバリ」というと、ソニー・クラークを頭に浮かべてしまいます。「NYC'S NO LARK」、クラークの早すぎる死を悼んだビル・エバンスの作品です。
1986年、第一回マウント・フジ・ジャズ・フェスティバルが開催され、私は2日目のその会場でうっとりとしていました。ジャッキー・マックリーン・クインテットが「クール・ストラッティン」を演奏し始めたときの歓声は、忘れることができません。
その後何かの記事で、その時の話として
” ステージ傍にいたマイケル・カスクーナ達アメリカ勢が、目を丸くした。本国アメリカではベスト・セラーどころか、話題作であったためしもない「クール・ストラッティン」に怒濤の歓声があがったことはもちろん、カスクーナによれば、その第一の理由は、「誰もクラークを知らなかったから」 ”というようなことが載っていました。

西海岸からニューヨークに出てきたクラークは、麻薬癖が原因でキャバレー・カードを取得できませんでした。2ヶ月後、ソニー・ロリンズのレコーディングにハンク・ジョーンズの代役として参加、ロリンズによってアルフレッド・ライオンに紹介されます。
26才の誕生日、クラークに魅了されたライオンは、彼の初リーダー・アルバムを録音しました。この「DIAL "S" FOR SONNY」です。
ブルー・ノートにリーダー、サイド会わせて20以上の録音を残したものの、麻薬癖は直らず、キャバレー・カードはついに発行されませんでした。現在でもそうかも知れませんが、アメリカでは「ライブあっての認知」という構図があり、クラークは認知の低いジャズメンということになってしまったのでしょう。

1963年1月13日未明、出演中のクラブの楽屋で、結局は麻薬が原因で心臓麻痺に襲われ、帰らぬ人となってしまいました。しかも倒れたとき、酒類販売許可証の没収を恐れたクラブ側の手でアパートに移され、その後救急車が呼ばれたといいます。人知れず高く飛んだニューヨークのヒバリは、こうして去っていきました。

DIAL S FOR SONNY / SONNY CLARK
1958年7月21日録音
SONNY CLARK(p) ART FARMER(tp) CURTIS FULLER(tb) HANK MOBLEY(ts) WILBUR WARE(b) LOUIS HAYES(ds)
1.DIAL S FOR SONNY
2.BOOTIN' IT
3.IT COULD HAPPEN TO YOU
4.SONNY'S MOOD
5.SHOUTIN' ON A RIFF
6.LOVE WALKED IN

追伸、
最初に録音された「SONNY'S MOOD」(テイク1)が始まると、「ああ.....この曲だった、SONNY'S MOOD !」とのライオンの声が響いたとか
ちなみに、私は「IT COULD HAPPEN TO YOU」が大好きであります。
 


徒花は世に無し

2005年10月10日 | j-l

                     

 ♪ 白い花なら百合の花 黄色い花なら菊の花
       悲しい恋なら何の花 真赤な港の彼岸花 ♪

昔、とあるジャズ喫茶で飲んでいると、突然、浅川マキが流れてきたことがありました。後で聞いた話ですが、その店のママが浅川マキ好きで、ビールを飲み過ぎた夜には必ず流れるということでした。
あぜ道に今ぞと咲き誇る彼岸花、あの毒々しいほどの赤は、時に血のように、魔性のルージュのように迫ってきます。正直にいうと私はあまり好きな花ではないのですが、やっぱり可愛らしい秋桜のほうが好みでしょうか(ポッ)
                   

今から15年ほど前だったでしょうか、私より3才年下の「やる気バリバリ」の男がおりました。とある飲み会の席で
「俺は、捨て駒ですか? 所詮、○○部の徒花ですよ!」
酔いにまかせて部長にからみ気味、どうも彼が頑張っていたプロジェクトから、知らぬ間に外されたとか。
「××君、君に能力がないという話ではないんだ、新しく君を必要としている仕事があるから、やむなくそちらへ移ってもらうだけで、それだけ君は高く評価されているということだよ」と部長、それでも納得いかぬ様子の××君でした。

一次会も終わり、我が課は課長の下、二次会へ、すると何故か別の課である××君もついてきました。今度はうちの課長に
「S課長、課長の課に引っ張って下さいよ、俺、頑張りますから」
すると課長は
「××、自分を捨て駒だの徒花だの言ってんじゃねぇよ、会社っていうのはなぁ、捨て駒だの徒花なんかを飼っていくほどお人好しじゃねぇんだぞ。」
つまみのトマトを持ち上げて
「トマトはなぁ、黄色い花をいっぱいつけるけど、赤い実を結ぶのは、その内の半分以下だ、なぁ? お前が実をつける花か、ただ綺麗を見せる花かはお前次第だけど、花も咲かせないうちに、徒花かどうかなんてわかんないんだから、ともかく花だけは咲かせてみろ!」

はたして、彼は徒花に終わったのでしょうか?
実をつけぬ花も、花としての意味はあります、とすれば、「世に徒花は無し」ということかも知れません。

さて、今日のアルバムは「ケリー・ブルー」でありますが、このアルバムを聴いても、ちっともブルーにならないところがよろしいですね。
ボビー・ジャスパーの何とも軽やかなフルートがそうさせるのか? ウイントン・ケリーのピアノがそうさせるのか?タイトル名となった一曲目が何とも好きな一枚です。

KELLY BLUE / WYNTON KELLY
1959年2月19日,3月10日録音
WYNTON KELLY(p) NAT ADDERLEY(cor) BOBBY JASPER(fl) BENNY GOLSON(ts) PAUL CHAMBERS(b) JIMMY COBB(ds)
1.KELLY BLUE
2.SOFTLY, AS IN A MORNING SUNRISE
3.ON GREEN DOLPHIN STREET
4.WILLOW WEEP FOR ME
5.KEEP IT MOVING
6.OLD CLOTHES


アルコール漬けのバブはいかが?

2005年10月09日 | a-c

                     
昨晩は悪友二人と、なっなんと5件のはしごを決行、当然ながら帰宅時間はご想像通りでありました。何故5件ものはしごになったかといえば、三人がそれぞれ好きな店に飲みに行ったがためです。
まずは珍しくもS君が「お好み焼きを食べたい」とほざき(いつもは魚介類専門の男なのですが)、お好み焼きでビール&日本酒(?)。
2件目は私のリクエスト、行きつけのバーでスコッチ&バーボン。
3件目はちょっとしたアクシデント、道路に飛び出た窓枠に頭をぶつけ出血、血止めのために急遽近くのバーへ、大きな傷でもなかったのですぐに血は止まり、またまたスコッチ&バーボン。
4件目はS君リクエストにより、通称「ジェシー・コーポレーション」(ジェシーという可愛い女の子がいるお店です)で、ウイスキー&焼酎。このあたりですでにお昼は過ぎておりましたが、M君はスナック好み、5件目のスナックへ電話とあいなりました。
「空いてるから、大丈夫よ。お待ちしてるわ」
5件目でスコッチ。これにて終了であります。

杯数は数えていませんが、それはもう良い気分には余りある量のアルコールが私の体に注入されたのはいうまでもありません。

                      
さて、今日ですが、何故か無性に「モツ煮」が食べたくなり、午前中に買い出し、早々と仕込んだ後、
「アルコールを抜くためにも体を動かしたほうがいいよ」との暖かい友人からの誘いでゴルフ練習場へ、
不思議なものです、汗を流すとまたビールが飲めてしまうんですねぇ、しかも「ワイルドターキー・トリビュートあるよ」なんて言われちゃうと
「俺、それ飲んだこと無いのよ、飲みテーーー!」ってんで、いただいてしまいました。
ワイルド・ターキーは、ほとんどの種類を口にしていますが、このトリビュートだけは、これが初体験。旨い酒ですねー、厳選シュガーバレルの一品だそうですが何ともいえない口当たり、
もちろん「ストレート・ノー・チェイサー」で、「う~~~~~~~ん」って感じでした。
流れていた曲は、デクスター・ゴードンの「GO!」、ずぶといサックスの音がこの酒に良く合っていました。

「明日は休肝日にしよう、そうしなければいけない、飲まないぞ!我慢するぞ!.......でも、今日仕込んだ「モツ煮」が明日は食べ頃に......いやいや、明日は「栗ご飯」に「戻り鰹」、それに「モツ煮」アルコールはなしだ!!!!」

GO ! / DEXTER GORDON
1962年8月27日録音
DEXTER GORDON(ts) SONNY CLARK(p) BUTCH WARREN(b) BILLY HIGGINS(ds)
1.CHEESE CAKE
2.I GUESSI'LL HANG MY TEARS OUT TO DRY
3.SECOND BALCONY JUMP
4.LOVE FOR SALE
5.WHERE ARE YOU
6.THREE O'CLOCK IN THE MORNING