JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

守り子の唄

2005年10月24日 | a-c

                 

今日は久しぶりに青空が広がり、やれやれと思っていたら、夕刻カミナリ、やっぱり「秋の空」はわかりません。
今日の昼食は車内でファーストフード、時間が少しあったので本屋さんを覗いてきました。すると、ふと目に留まった本が、森達也氏の「放送禁止歌」という本です。
以前、記事「気づかぬ偏見」で岡林信康の「手紙」という曲を紹介した事がありましたが、当然、この本にも取り上げられておりました。(おもわず買っちゃいました)

                     

先ほどまで「竹田の子守唄」に関する一節を読みふけっておりました。
赤い鳥のヒット曲「竹田の子守唄」は、京都の被差別の伝承唄が本歌となっている事、それ故にヒット曲であったにもかかわらず放送禁止となってしまった事、この程度の事は私も知ってはおりましたが、詳細をこの本であらためて知り、考えるところが大でありました。
興味がある方は、ぜひお読みになってみて下さい。

竹田に伝わる「守り子唄」の何節かを、書かせていただきます。

  寺の坊さん 根性が悪い
  守り子いなして 門しめる
  どしたいこりゃ きこえたか

  久世の大根めし 吉祥の菜めし
  またも竹田のもんば飯
  どしたいこりゃ きこえたか

  早よもいにたい あの在所こえて
  向こうに見えるは 親のうち
  どしたいこりゃ きこえたか

水はけの悪い敷地、の整備は当然、他地区に遅れていることがあたりまえで、
地面は常にぬかるみ、家の中も湿り気が絶えない、そんな劣悪な環境に生まれた少女達は、学校へも行けず奉公に出されました。奉公先では「の子」とさげすまれ、じっと耐えながら「守り子」をしていたのです。
泣く子を寺であやそうとすると、坊さんが門を閉めてしまう。
では大根めしや菜めししか食べられない、竹田の主食はもんば(おから)飯。(久世も吉祥もです)
もう少し我慢をすれば、在所()のうちに帰れる、じっとこらえて頑張ろう。
「竹田の子守唄」の本歌は、じっとこらえて奉公を続ける少女達の労働歌でした、子守ではなく守り子の歌です。

なんともジャズの起源に類似を感じてしまうのは、私だけでしょうか?

前回の「気づかぬ偏見」では、ミンガスを紹介しましたが、今日はミンガス・ワークショップへの参加で知られる、テッド・カーソンの初リーダー盤です。
ブッカー・リトルの流れをくむカーソンですが、このアルバムでは美しいメロディー・ラインを聴かせてくれます。個人的にはケニー・ドリューのピアノも、ピカっと光っていると思って聴いています。

PLENTYP OF HORN / TED CURSON 
1961年4月録音
TED CURSON (tp) BILL BARRON (ts) KENNY DREW (p) JIMMY GARRISON (b)
ROY HAYNES (ds) ERIC DOLPHY (fl) DANNY RICHMOND (ds) PETE LA ROCA (ds)
1.CARAVAN 
2.NOSRUC 
3.THE THINGS WE DID LAST SUMMER 
4.DEM'S BLUES 
5.AHMA (SEE YA)
6.FLATTED FIFTH
7.BALI-H'AI
8.ANTIBES
9.MR. TEDDY