JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

アイツのおかげで

2007年01月30日 | d-f

いけません。まだ9時だというのに、そうとう飲んでます。
というのもみんなアイツが悪い!
アイツはだれか????・・・・なんて事はない同僚なんですがね。

「バブさん、昔、浅川マキも聴いてたことあったっていってましたよね。これプレゼントします。」
「いや、それほど聴いていたというわけでもないんだけど、ブツブツブツ・・・・、でもまぁせっかくだからいただくわ」
「よくよく見てみたら、『裏窓』って曲は、寺山修司の作詞だったんですねぇ、だからバブさん好きだったりして」
「いやいや、そういうわけじゃないんだよ。寺山修司だけじゃなくて、作詞筒井康隆、作曲山下洋輔なんてのもあるんだから」
「なんだ、やっぱり聴いてたんじゃないですかぁ」

ということで、もらってきたのが「DARKNESS Ⅰ/ MAKI ASAKAWA」という二枚組CDをCD-Rに落としたものでありました。
自宅に帰りこれを聴き始めたのですが・・・・
いやはや、浅川マキは酒無くしては聴けないでしょ? だから、こんなに早い時間なのにロックで五杯ほどいただいてしまったというわけです。(笑)

以前にもお話ししたことがあったかと思いますが、高校時代にアルバイトをしていたジャズ喫茶のママさんが、酔っぱらってお客さんがいなくなると浅川マキをよく聴いていたんです。なんだかその姿が、オーナーと別れた背景も合間って、浅川マキの歌詞にどうにもダブってしまってねぇ・・・・
私はおそらく彼女に惚れていたんだと思います。もちろんずいぶん年上でしたから憧れといった方が正しいでしょうけど、
「バブ君、今日はあんたしかいないんだから、最後まで付き合いなよ!」
「え~~~」
と言いながらも、そんなママと二人で飲めるのが嬉しくて、3時過ぎまでお付き合い、店内で寝てそのまま学校へ、なんてことがよくありました。
(まったくね、高校生の分際で)

浅川マキ好きはもう一人、同じく高校時代から付き合いのあったT君という同学年生です。今じゃ、何処で何をしているんだかまったくわからなくなってしまいましたが、とんでもないアウトローなヤツで、高校も中退、しばらく連絡もないかと思えば、演劇を始めたと連絡が入り、もぎりを手伝わされたり、また連絡が入らないと思ったら、怪しい不動産会社の社員になって羽振りがいいからと銀座のクラブに呼び出されたり、今、アメリカにいると手紙が来たり、かと思えばいつのまにかパチンコ屋の店員になってたり・・・
ちょうど劇団にいた頃でしょうか、
「酒を飲みたいから金貸してくれ」
夏のクソ暑い日に狭い三畳の部屋で、二人で大汗をかきながら飲んでいると、プレーヤーもないのに、浅川マキの「裏窓」を持ち出して眺めてるから、ならばと二人で大合唱をしたりして・・・・

ははははは、今日も聴きながら、知らず知らず口ずさんでいる自分がいました。
あ~ん、酔っぱらいそうだよう。・・・・みんなアイツが悪いんだ!(笑)

さて、今日の一枚は、酔った心を落ち着かせるためにピアノ・ソロにしてみました。
モンクじゃ、また酒が進みそうですから、ここはエバンスに出てきていただきましょう。彼の初ソロ・アルバムということになるのでしょうかね。
この頃のエバンス、多重録音に何度か挑戦していた時期だったと思いますが、このアルバムにはたしてその経験は生きているのか?
とらえ方はそれぞれでしょうね。
ただ、私はソロ・ピアノというと「穏やかなものには飽きる」というクセがありまして、エバンスのソロも正直その類にはいるのではないかと思っていました。
しかし、このアルバムを聴く限り、単調で飽きてしまうという感じは全くありません。
これが多重録音の成果であるのかどうかはわかりませんよ。

ALONE / BILL EVANS
1968年9,10月録音
BILL EVANS(p)
1.HERE'S THAT RAINY DAY
2.A TIME FOR LOVE
3.MIDNIGHT MOOD
4.ON A CLEAR DAY
5.NEVER LET ME GO

おまけ、
今日もらった、二枚組浅川マキの「DARKNESS ⅠDISC 2」に居並ぶメンバーを、一応紹介しておきます。近藤等則(tp) 本多俊之(sax,fl,p) 山下洋輔(p) 渋谷毅(p) 川端民生(b) BOBBY WATSON(b) 杉本喜代志(g) TONY MAIDEN(g) 飛田一男(g) つのだひろ(ds) ANDRE FISCFER(ds) 森山威男(ds)
「あまり聴かない」と言いながら、「裏窓」「マキⅡ」のレコードはしっかり持っているという私、本当は好きなのかもしれません。

ちなみに、筒井康隆作詞、山下洋輔作曲の曲名は「ケンタウロスの子守歌」です。
 ♪ ぼうや そんなに泣かないで
   そんなに ねんねが きらいなら
   ぼうやの星へ 帰りましょう
   ぼうやの星は 青い星
   青いお馬が走ってく ♪  (三番の歌詞です)
あら、また歌っちゃったぁ。