JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

ユミちゃんとお粥さん

2007年01月21日 | m-o

夕方、裏の奥さんがいつになく大きな声で「ユミちゃ~ん、ユミちゃ~ん」と呼んでおります。
はて?裏の奥様は我が母よりも年上で、しかも今は一人暮らしのはずだけど・・
「お孫さんでも遊びに来てるのかなぁ?」と母に訊くと
「違う違う、猫を呼んでるんだと思うよ」
夕方になるといつも呼んでいるそうだけど、それにしても少し声が大きすぎるんじゃなかろうか?
「なんだか尋常じゃないよ」
母がおもわず表に出てみたところ、どうも猫のユミちゃんが行方不明になったらしく、
「○○、ちょっと探してきてやって」

白黒の斑猫だそうで、それだけを頼りにあたりを捜索いたしました。
小一時間ほど探してはみましたが見つからず、ふとあずきさんのブログ記事を思い出しました。
「俺の知っている人の飼い猫も、しょっちゅう居なくなるのがいて、何日間か探検すると戻ってくるらしいから、ユミちゃんもきっと戻ってくるよ。」気休めではありますが・・

夜になって、裏の奥さんがみかんを土産にお越しになり、
「おかげさまで、見つかりました。」とのこと。ともかく良かった良かった。

    立ちわかれ いなばの山の 峰におふる まつとしきかば 今かへりこむ

平安時代の歌人、在原業平の兄、行平の歌であります。
「因幡に行くことになったけど、峰に生えている『松』ではないが、『待つ』といってくれたならば、すぐ帰って来ますよ」だいたいそんな意味なのですが、昔はペットがいなくなったときにこの歌を紙に書いて、餌入れの下に置くと無事帰ってくるというおまじないがあったんですよ。
この秘法を伝授しなくとも、帰宅したユミちゃんはじつにお利口さんでありました。

行平といえば、『行平鍋』というのがありますけど、これも彼が広口の鍋で塩を取ったとの古事に由来するもの、その塩がまるで雪のように美しく白かったので『行平』、『雪平』となったとかならなかったとか・・・(笑)

『行平鍋』と聞いて、広口鍋ではなく、土鍋を思い浮かべた方、それもまた正解であります。そもそもは広口の鍋を『行平鍋』というのですが、あのお粥さんを炊く真ん丸い土鍋も『行平鍋』と称します。これは「お粥の米粒が『行平鍋』に浮かび上がった塩にも似て白く美しいから」だそうでありますよ。
ほら、そこの貴方、お粥はかくも美しく仕上げなければいけないのです。(笑)

そんな話をしていたら、「美味しいお粥もたまにはいいなぁ」なんて思えてきちゃう、明日の朝食はお粥さんにしてもらおうかなぁ・・・・

さて、今日の一枚は昨日に引き続いてのブルーノート盤です。しかもトミー・タレンタインが入っているという・・・・
じつはね、このアルバムを最近よく車の中で聴いているんですよ。というのも、私はMP3の小型プレーヤーを車のカーステに接続して聴いているのですが、しょっちゅう再生が先頭に戻ってしまって・・・・すると、このアルバムになってしまうという。まぁ意図せずによく聴いてしまう一枚となっています。

ソニー・クラーク、ブルーノート復帰第一弾レコーディングとなったこのアルバム、(発売日で追うと「LEAPIN' AND LOPIN'」が先)それを象徴するかのように1曲目「FIVE WILL GET YOU TEN」はクラークのオリジナルです。個人的には2曲目「SUBDUED」が好みですけど。
それと、私はこのアルバムB面をほとんど聴きません。MP3で落としているのもA面のみです。(さて、どうしてでしょうか)


LEAPIN' AND LOPIN'

ともかく、ライオンはクラークのドラック地獄からの復帰を心待ちにしていたのでしょうね。それはじつに伝わってきます。
私が心待ちにしているのは明朝のお粥さん。(けっきょく自分で作るはめになったりして・・・・・・笑い事ではない。)

A FICKLE SONANCE / JACKIE McLEAN
1961年10月26日
JACKIE McLEAN(as) TOMMY TURRENTINE(tp) SONNY CLARK(p) BUTCH WARREN(b) BILLY HIGGINS(ds)
1.FIVE WILL GET YOU TEN
2.SUBDUED
3.SUNDU
4.A FICKLE SONANCE
5.ENITNERRUT
6.LOST

追伸、
『行平鍋』というと、打ち出し模様の広口鍋を思い浮かべる方も多いと思います。この『行平鍋』は歴史的にはもっとも新しいタイプで、打ち出し模様が雪のようだとゆうことでそう呼ばれるときいております。