JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

用があるのは生だ

2007年01月10日 | p-r



「私たちはもはや死には用がない。用があるのは、生だ。」
                     J・サンド『魔の沼』より

年始めにブログ仲間のけいさんが「色々と」という記事の中で、
「生きる意味や自分の存在感に対し、ときおり不安を感じる、わたしになにができる?あなたに伝えるなにがある?」といったニアンスの投稿を載せておられました。

人間生きていくには、頼れる人間の存在はもちろん、同時に自分も誰かに頼られている、必要とされているという実感も不可欠なものです。
「自分には生きている意義があるのか?意味はあるのか?」
知らぬ間に自問自答を繰り返す、これも人間の常なのでしょう。
脳天気な私ですら、ときおり考えることであります。

「会社では、僕は頼られる存在だ」「あの子は私がいなければ生きていけない」「僕は団体の中心的存在として不可欠だ」「私の行動に賛同してくれる人がいる」「私は多いに社会へ貢献している」「僕の音楽や絵は、多くの人に夢を与えている」
ようは、何でもいいから自分の思い込みで納得することが肝心なのかもしれません。

昨晩TBS系で放映された「難病と闘う子供たち・・・」という番組を観ました。
先日ここでも触れた『XP(色素性乾皮症)』『ミトコンドリア病』の子供達とご家族はもちろん、『無痛無汗症』『魚鱗癬』『レット症候群』等々、数々の難病と闘うご家族と医師達を紹介する番組でした。

それでね、ふと再確認したわけですよ。
人間どんな形であれ『生きている』それこそが最大の貢献であり、意義なんじゃないかって、
「目標を無くしたから生きていけない」「いじめに毎日が苦しくて生きていけない」「周りの重圧に耐えきれない」とか、まして「恋人にふられたから」なんて事で、最大の意義を放棄することがあったらいけないし、逆に他人の意義を抹消するような事など言語道断。

彼らや彼らの家族が『生きている』ということに感謝して、毎日精一杯生活をしている姿を見れば、『生きている』これがどれほど素晴らしいことで、生きていればどれほどに他人にも影響を与える存在でいられるのか、それが痛感できると思うのです。
つまり、彼ら自身も、私たちに素晴らしい教えを与えてくれる『生きている』存在に他ならないのだと。

悲しいかな今日も、山形で小学校5年生が首を吊って亡くなったとか
「生が軽んじられている」と叫ばれる現代、「あたりまえに生きる」を目標に頑張っている子供達や家族がたくさんいます。彼らにたやすく死を論じられる人間が何処にいるでしょうか?あたりまえに『生きている』我々に、偶然とはいえ彼らに与えられた試練が、あたりまえがどれほど素晴らしく、ありがたいことなのかを教えてくれるのです。

彼らを、かわいそうだとか、たいへんだとか、あるいは偏見だとかで見るのではなく、その生き様を知ることで、勇気と希望と『生きている』大切さを教え続けてもらう、私は、心から彼らに感謝しています。

ここで、先日『ミトコンドリア病』の記事で知り合った、同病気を患われた稜真君とともに日々戦っておられるMITOKONさんのブログを紹介させていただきます。
その名も『ミトコンドリア病と生きる』という、ご家族と稜真君の頑張りが伝わる素敵なブログです。
みなさんもできれば、いっぱいエールをおくって下さい。そして日々の頑張りに勇気をいただきましょう。

さて、今日の一枚はデューク・ピアソンです。
このアルバムを録音したJAZZ LINEというレーベルは、超マイナー・レーベルであったこと、すぐに倒産してしまったことからの版権譲渡等で、その後の発売状況などがじつに複雑になってしまいました。私などにはとっても理解不能なレーベルであります。

例えば、同じピアソンのトリオによる録音は、オリジナルの発売はなく、イギリス・ポリドールから「ANGEL EYES」として、日本ではずっと後に「BAGS GOOVE」として発売になったりましたし、ウイリー・ウィルソンの初リーダー作として発売予定だったアルバムが、結局、オランダ・ファンタナからフレディー・ハバードのリーダー作「GROOVY」として発売になったり(このアルバムはアメリカでは、ピアソン名義で「DEDICATION!」、日本ではハバード名義で「No.5」という名で発売」)、その後、またJAZZ LINEのロゴ入りで発売になったりとジャケットも収録曲もわけわかんなくなったりしています。(詳しい方は御存じなのでしょうが)
私など、知らずに同じ収録曲のアルバムを買ってしまったことがありました。

というわけで、このアルバムも手に出来たのは再販のおかげ、それまでは、聴いたことはあるけど手に出来ない一枚であったと思います。
フロントをトランペット二本で固めるユニークな編成、これに趣味の良いピアソンのピアノが重なり、いけるんですよ。
「ANGEL EYES」のピアノ・ソロが、めちゃくちゃそそられます。

HASH ! / DUKE PEARSON
1962年1月12日録音
DUKE PEARSON(p) DONALD BYRD(tp) JOHNNY COLES(tp) BOB CRANSHAW(b) WALTER PERKINS(ds)
1.HUSH !
2.CHILD'S PLAY
3.ANGEL EYES
4.SMOOTHIE
5.SUDEL
6.FRIDAY'S CHILD
7.OUT OF THIS WORLD
 

追伸、
『無痛無汗症』『魚鱗癬』『レット症候群』に関しては、以下のようなサイトがあります。よろしければご覧になってみて下さい。
『無痛無汗症』・・・・「しょうくんのページ」
『魚鱗癬』・・・・・・「魚鱗癬の会」
『レット症候群』・・・「そうじをしていない書いさい」、「レット症候群沙織の部屋「レット姫「奈々」のへやへようこそ」