JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

酒本

2006年05月11日 | d-f


- グラスを重ねるうちに、味の奥に海の匂いのようなものが潜んでいることに気がついた。これは確か、数あるスコッチの中でももっとも個性が強いといわれる、アイラ島Islackのウィスキーの味だ。
 Black Bottleはアイラ島の七つのシングルモルトをブレンドして、ひとつのウィスキーにしたものだった。口に含むたびに、それぞれのシングルモルトが、あたかもジャズのセッションのようにソロをとっていく。 -

ブレンドされたウイスキーの中から、一つ一つのモルトの個性が浮かび上がってくる・・・
これをジャズのセッションにたとえるあたり、にくいじゃありませんか。
これは、今読んでいる「世界銘酒紀行」なる、いかにも私向けの本の一節であります。


若い頃は、ただただ、「酒が口に入れば良」といった飲み方が主でしたが、(今でも、そういうときもあるけど・・・・) ある程度年齢を経てからは、その酒のバックボーンを思い浮かべて飲むのも一興であります。
そのためにも、たまにこういった「酒本」を読むのもまた、面白いものです。

私が酒を飲み始めた頃は、海外の酒などまだ高くて、スコッチなんて聞くだけで、滅多に口にできるものでもありませんでした。
海外からのおみやげが、ブランデーの「ナポレオン」か、「ジョニ黒」が定番といった頃です。
高校生の頃、「七夕まつり」を観に、友人達と仙台に泊まりがけで出かけたことがありましたが、夜、酒を飲んでいて(高校生はやっちゃいけません。)、
「ボトル入れちゃったほうが、いいよ」なんて、サントリー・ホワイトのつもりで
「ホワイト、一本入れて」って言ったら、ホワイト・ホースが出てきてビックリした、なんて事もありました。

それが、今では、値段もてごろ、種類も豊富、という良い時代になったではありませんか。
「飲めるうちに、いろんな酒の味を舌にしみ込ませてやる!!」
と思っている私でした。

ということで、今日も「自宅バー?」で、酒を楽しんでおります。雰囲気だけですが、「自宅バー」の写真を撮ってみました。


さて、今日のアルバムのバック・ボーンを、考えてみましょうか。

ソ連が人工衛星スプートニクの打ち上げに成功したのは、1957年10月4日のことです。このニュースを聞いて曲を作ろうなんて思った、アメリカのジャズ・ミュージシャンが何人いたでしょうか?そんなことを思ったのは、ただ1人、ルー・ドナルドソンだけだったでしょう。しかも、つけたタイトルがそのまんま「スプートニク」であります。

どこからみつけてきたのか、ジャケット・デザインはロケットが打ち上げられた瞬間。「ヤマト、発進!」ならぬ、「ルー、発進!」ときたもんだ。
この「SPUTNIK」を聴いて、人工衛星の打ち上げを思い浮かべられるか?!
皆さんはどうですか?
ごめんなさい、私は思い浮かびません。そこがドナルドソンらしいっちゃらしいですが。

LOU TAKES OFF / LOU DONALDSON
1957年12月15日録音
LOU DONALDSON(as) DONALD BYRD(tp) CURTIS FULLER(tb) SONNY CLARK(p) GEORGE JOYNER(b) ART TAYLOR(ds)
1.SPUTNIK
2.DEWEY SQUARE
3.STROLLIN' IN
4.GROOVIN' HIGH

おまけ、
この「LOU TAKES OFF」が、ブルーノート1591番、かのソニー・クラーク「COOL STRUTTIN'」が、1958年1月5日と録音日は遅いのに1588番、
このアルバムに続く、1592番は、ソニー・クラークのために用意されましたが未発表の欠番(後に発売されました。)、続く1593番はルー・ドナルドソンの「BLUES WALK」。
このへんの関係は、なんだかとても面白く思うのですが、