おかあちゃん牧師の日記

新船橋キリスト教会の牧師です!
日々の生活のこと、教会のこと、
家族のことなどを書いています!

父 その2

2010-08-30 14:13:21 | 家族
つづく…
とか書いて、
随分間が開いてしまいました。
父の生い立ちの続きを書きますよ~。


さて、中学を卒業した父は、
兄を頼って、川崎へ。
早速、就職するも、なかなか続かず、
なんと半年で、6回も仕事を変えたという。
父の弱さ、不器用さ、根性の無さもあったと思うが、
父は、「働いても働いても、兄に給料を取られてしまう…」
ともこぼしていた。

そんな中で、
父は、人生の意味を考えるようになる。
人は、何のために汗を流し、苦労して働くのか。
何のために生きているのか。
自問自答しながら、
都会の真ん中で、むなしさを感じ、
ただ、生きていた。

川崎に出て、半年後、
父は、失意のうちに帰郷する。
そして、青森の金木という小さな町の本屋さんで、
働くことになった。

相変わらずのきつい仕事。
朝の6時から夜の9時まで、
年中無休で働いた。
(その辺、根性なしの父のこと、
時には、ズル休みもしたらしいが。)
とにかく、労働基準法など、
あってない様なもの。
そういう時代だったのだ。

そんな父にも友達がいた。
同じ職場で働く、将棋仲間の「角田くん」だ。
二人は、少しばかりのひまを見つけては、
一緒に将棋をさす仲間だった。

ところが、そんな角田君が、
いつの頃からか、パタッと将棋をしなくなった。
その代わり、聖書を片手に、
キリスト教の話をしだしたのだ。
罪だとか、さばきだとか、
父にとっては、あまり面白くない話だった。
そして、一緒に宣教師のところに行こうと、
いつも父を誘うのだった。


父は、大事な将棋友達をとられたのと、
角田くんが、あまりにしつこく誘うこともあって、
ある日、彼にキリスト教を教えたという
イギリス人宣教師に会う決心をした。

そうそう、こんな伏線もあった。
実はその宣教師に会うずっと以前、
父は、その宣教師を電車の中で見かけたことがあった。

電車は、ひどく混雑していたらしい。
そんな中で、一人の年老いたおばあさんが、
大きな荷物を持って、困っていたらしい。
すると、赤ら顔の西洋人が、
そのおばあさんに優しく声をかけ、
重い荷物を荷台に載せて上げたのだった。

父は、その様子をずっと見ていた。
自分の西洋人にもっていたイメージとは違っていた。
親切で、優しそうなその態度に、
父は、驚き、感動を覚えたらしい。

さて、父は、角田君と一緒に宣教師のところに行った。
当時、宣教師のいた集会所は、
洋裁学校の二階にあった。

そのイギリス人の宣教師は、
畳の上にきちんと座っていたが、
父が部屋に入ると、
向きを買え、畳に両手をつき、
最高級の丁寧なお辞儀をした。

父は驚いてしまった。
学も無く、社会的地位もない、こんな若僧に、
未だかつて誰も、
こんな丁寧なお辞儀をしてくれた者はなかった。
そして、更に父をおどろかせたのは、
この宣教師は、かつて混雑した電車の中で見かけた西洋人、
その人だったのだ。


つづく…。







コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  | トップ | 父 その3 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (抹茶あいす)
2010-08-30 20:04:14
なんかドキドキしてきちゃいました。
その宣教師の先生の気概の凄さ、
角田くんの断られ続けても誘い続ける熱心さ。
わたしには無いものばかり。
そして、宣教師とは知らず好印象の外人さんが
実は・・・なんて!
続きが楽しみです!
返信する
Unknown (grace1000)
2010-08-31 14:10:33
数えてみると、
父が8歳のときに、
日本は終戦を迎えたわけですから、
戦後の混乱の中、
青年期を過ごしたわけです。

それにしても、
全ての出会いは、
神さまのご支配の中にあるんですね。
本当に不思議な話です。
返信する

コメントを投稿

家族」カテゴリの最新記事