日曜日の午後、教会で婦人の集まりがあり、
みんなでDVDの鑑賞会をした。
その内容が、
すごく感動できだったので、
ちょっと紹介!
このDVDは、一人の日本人女性の半生をたどるものでした。
彼女の名前は、丸山陽子さん。
山梨の副市長だか県副知事だかの娘という
ちゃんとしたところのお嬢さん。
そんな彼女が、
日本の神学校で学んでいた顔金龍(ユエン ジンロン)
という台湾原住民の青年と出会い、結婚。
(ここで補足説明。
日本では「先住民」という呼称が一般的に用いられるが、
台湾では、先住民というと、
すでに滅んでしまった部族をあらわすことになってしまうため、
正式名称として「原住民」が使われている。)
台湾の原住民は、
台湾では2パーセントぐらいなのだか、
独特の文化を持ち、
政府による様々な援助、対策がなされてはいるが、
大学進学率が低かったり、
いわゆる3Kと呼ばれる仕事や、
女性なら夜のお仕事に従事することが少なくない。
神学校を卒業した顔金龍牧師は、
そんな自分たち原住民の現状を憂い、
台湾に戻ってからは、迷わず彼らへの伝道に専念する。
もちろん、妻陽子もいっしょに。
しかし、陽子の結婚生活は、
当初、大変なものだった。
日本人と台湾原住民とは、文化が違いすぎる。
歌や踊りが大好きで、楽観的な彼らは、
その日暮らしで平気、
計画性を持たない。
個人の所有という概念が希薄で、
日本から持ってきた高価な食べ物でも、
冷蔵庫に入れておけば、
誰かが知らない間に食べてしまう。
しかも言葉の問題がある。
嫁いだ当初は、中国語が話せなかった。
買い物ひとつするのも一苦労なのに、
夫は忙しくて、ついてきてくれない。
そんな中で、ストレスを募らせ、
何度も国に帰ろうとしたとか。
夫の伝道方法は特別だった。
夜になると教会の仲間と繁華街に出て行き、
そこで働いている原住民の「小姐」(バーなどで働く女性)に伝道する。
お店が終わる遅い時間に、
何人かの小姐と一緒に聖書を読んで、
イエス様のことを伝える。
そんな中で、多くの女性たちが救われていくのだという。
DVDの中で、
陽子は、はじめ涙ながらに当時のことを振り返るのだが、
その表情は、どんどん明るくなっていく。
いつの間にか、原住民の文化に慣れ、
受け入れられるようになっていったのだった。
それどころか、彼らに対する尊敬の念も生まれてくる。
彼女は言っていた。
当初は、「自分たちにはある。彼らにはない。」とずっと思っていた。
だけど、今は違う。
「彼らにはある。自分たちにはない。」
そんなところに目がいくようになったらしい。
彼らのおおらかさ、前向きは明るさ、豊かな感情。
どれもすばらしい神様からのプレゼント。
今は、そんな原住民の仲間が大好きだという。
彼女は、今では、
家庭に恵まれない原住民の子どもたちの友達であり、お母さんでもある。
彼らの駆け込み寺のような役割を果たし、
一緒に遊び、勉強も見る。
何かあれば相談にのってあげる。
彼らの卒業式には、必ず行って一緒に祝い、喜んであげる。
親のような仕事を望まない子どもたちのために、
仕事も一緒に探す。
そんな子どもたちの中には、
お父さんは日本人だという子どもも少なくない。
お母さんは結婚しないまま子どもを生み、
一人で育てている。
そんな時、陽子の胸は痛む。
日本人としての負債を感じるのだろう。
丸山陽子さん、
DVDで見る限り、
私と同じぐらいの年のようだ。
いつか会う機会もあるかもしれない。
私なんて足元にも及ばないけど、
彼女のような日本人が、
台湾で伝道のために汗を流していることには、
とても励まされる。
そうそう、でも、
婦人会が終わったとき、
心なしか、周りの人の視線が気になった。
やばい・・・比べられている?