私たちがアメリカから帰って来てから、
課輔班の子どもたちの
お昼ご飯事情が少し変わっていました。
課輔班を立ち上げた当初、
学校がお昼前に終わる日は、
子どもたちは、直接教会に来て、
教会で用意した温かいご飯を食べていました。
ところが、その後に、
政府が「餐券」(食事のクーポン券)を出すようになり、
いわゆる貧困家庭の子どもたちは、
指定されたコンビニで50元以内のお弁当などと
引き換えることができるようになりました。
すべての貧困家庭の子どもたちに、
教会で食事を提供できるわけでもないですし、
土日の食事も心配する必要がないので、
まあ、国の対応としては良かったと思います。
こうして課輔難に来ている子ども30人の
半数以上の子どもがそのクーポン券を使って、
自分でコンビニで好きなものを選んで来て、
教会で食べるようになりました。
ところが子どもが選ぶ物と言ったら…、
菓子パンやおにぎりに
甘いミルク(いちご味やチョコ味)やジュース、
電子レンジで温めたレトルト食品、
そういった類が多いのです。
野菜やお肉の入ったお弁当を買う子どもは、
ほとんどいないという現状。
そして、課輔班の先生たちも、
低学年の子どもたちに代わって、
クーポンを預かって、
買って来てあげるところまではするのですが、
内容は子どもたちの希望を聞いてなので、
やっぱり、同じような内容。
ところが、竹子坑教会の課輔班の話をきくと、
ちょっと事情が違う。
同じ大里区なのですが、
そこの公立小学校では、
コンビニではなく、
ホカ弁のようなお弁当屋さんが
指定されているというのです。
その方がいいですよね。
食に対する高い意識や
栄養に関する一般知識などは、
たぶん日本人独特のものなので、
私などは、いつも疑問でつらかったのですが、
これは文化の違いと受け止め、
子どもたちに個人的に注意をしたり、
食事の選び方のアドバイスはしても、
それを課輔班全体に浸透させることはできませんでした。
ところが、私たちがアメリカに行って帰って来た時、
事情が変化していました。
子どもたちは、変わらずクーポン券を与えられていましたが、
それは学校がお休みの時だけなのです。
それ以外は、
対象の子どもたちたちだけ学校に残らせて、
学校が子どもたちに給食を出すことになったのです。
こどもたちはそこで食事をしてから教会に来きます。
これはいい変化でしょう。
コンビニで自分で好き勝手選ぶより、
きっと栄養状態もいいはず。
というわけで、
全学年がお昼前に学校が終わる水曜日、
課輔班で教会スタッフが準備した食事を食べている子どもは、
だいたい10人ぐらい。
その他の子どもたち20人ぐらいは、
学校で給食を食べてから、
教会に来ます。
それにしても学校で給食を支給される子どもと
そうでない子どもが、一目瞭然です。
日本人なら嫌がるだろうな。
でも、台湾の子は意外と平気です。
良く言えば、
貧富の差が原因で
いじめや差別が発生したりということはない社会なのです。
少なくとも公立の学校では。
悪く言えば…、
貧困問題や経済格差は彼らにとって日常なのです。
一緒に机を並べて勉強していても
そこは子どもたちであっても棲み分けができているというか、
お互い干渉しないことが、
身についている…というか。
課輔班の子どもたちの中でも、
クーポンが支給されること支給されない子がいますが、
それは彼らにとっては大きな問題ではありません。
中にはクーポンをもらっている子どもをうらやましがる子も。
これは、子どもらしい単純さからのものですね。
といわけで、
長い春節休みですが、
課輔班の子どもたちがひもじい思いをしていることは、
ないはずです。
感謝主?(^_^;)