毎日のできごとの反省

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書評・有事法制・森本敏/浜谷英博・PHP新書

2016-07-10 16:58:46 | 軍事

 自衛隊は軍隊かを論じるために引用するので、一か所の抜き書きだけなのは悪しからず。それでは自衛隊は軍隊だろうか。

 「本来、軍隊には任務遂行のための国内法的規制はない。任務の目的が、国家の独立と国民の安全確保にあるからである。唯一の制約は、国際法の禁止事項だけである。そのため昨今、国際法上認められている諸原則や基準が、自衛隊にはストレートに適用されないなど、多くの矛盾が指摘されている。(P35)」

 それは自衛隊が「警察予備隊」として始まったために、法整備が軍隊としてではなく、警察として整備されたためである、という。また、当然のことながら本来の軍隊は敵国の国内法の拘束を受けることもない。

 倉山満氏が、自衛隊は軍隊ではなく、軍隊並みの異常に強力な武器を持った警察である、と書いたのはこの意味である。しかし、一方で自衛隊は軍隊であると国際的には認知されている、という矛盾がある。安保法制がかろうじて制定されたが、上述のような国際法の適用に関する矛盾は全然と言っていいほど解消されていない。

 野党は「戦争法」と罵り、日本はアメリカのために外国で戦争をする国になった、と非難する。しかし、自衛隊は未だ、法制度的には軍隊にさえなっていないのである。



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