褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 悪魔のような女(1955) ネタバレ厳禁です

2020年04月29日 | 映画(あ行)
 ネタバレ厳禁タイプの映画は昔から多々あるが、今回紹介する映画悪魔のような女はその筆頭格。同系統の映画の中に、夢でも見ているかのようなトリックを安直に使って失笑してしまうような作品を見せられてしまうこともあるが、古典的な本作品はどんでん返しにリアルさを感じることができるし、CGなんかに頼らなくても充分に見た目でインパクトを与えることを証明しているのが本作の特徴。そして、いや~、まんまとヤラレタ!というミステリーならではの快感を味わえるのは勿論だが、更にオチを用意しているのも何とも味わい深い。
 そしてタイトル名から想像できるように、とんでもない悪女が登場する。男性諸君は絶対に女性を敵にまわしてはいけない、という教訓を得ることができる。俺なんかは明日から全ての女性をヨイショしようと決意させられた。

 どんでん返しをウリにしたサスペンス映画は古今東西において名作、珍作の両方とも多々あるが、間違いなく前者に当たる本作のストーリー差し障りのない程度で紹介してみる。
 パリ郊外の寄宿小学校の校長であるミシェル(ポール・ムーリス)には心臓に持病を抱えている妻クリスティーナ(ヴェラ・クルーゾ)が居ながら、女教師のニコール(シモーヌ・シニョレ)と愛人関係にあった。何かと自己中で乱暴なミシェルに我慢の限界がきた同僚であるクリスティーナとニコールは手を結んでミシェル殺害計画を練る。
 まんまと殺害に成功し、ミシェルの遺体を学校のプールに沈める。完全犯罪成立かと思われたが、ひょんなことからプールの水を抜くと存在するはずの死体が無くなっており・・・

 さて、死体はどこへ消えたしまったのか?なんて興味を惹かれながら見ていると、アリャ!?なんて思わせるシーンが多々出てくる。もしかして・・・、あんまりこの部分に触れるとネタバレになってしまいそうだからこの辺で止めておこう。しかし、本作を観ているとライター、靴、スーツ、タイプライター等、小道具の使い方が抜群に上手い。これらの小道具がサスペンスを盛り上げるのに大いに役立っているあたりは演出を褒めるべきだろう。
 そして、殺害計画を練り、実行する2人組の女性のキャラクター設定が良い。校長の妻であるクリスティーナ(ヴェラ・クルーゾ)は持病を抱えていて、どこか気が弱そうに描かれている。一方、愛人のニコール(シモーヌ・シニョレ)は性格が悪そうに描かれている。この設定がラストで観ている我々に強烈なカウンターブローを打ち込んでくる仕掛けになっている。そして、シャルル・ヴァネル演じる元刑事がお節介の如く事件に首を突っ込んでくるが、これが名探偵のごとく非常に頭が切れて、良質なサスペンス映画として一役買っている。
 そして、事の顛末にたどり着くまでの粘っこいストーリー展開。まるでホラー映画見ているかのような不気味さを煽るような仕掛けが多くなされており、女性主人公と同じように観ている俺も叫び声をあげてしまった。それにしても幼気な子供を使ったエンディングが意地悪すぎる。最後にこんなシーンを持ってくるか!と種明かし以上にこっちの方に俺は驚いた。
 どんでん返し系のサスペンス映画が好きな人、監督の熟練のテクニックを堪能したい人、大掛かりなハリウッド映画に飽きている人、古いフランス映画の名作を観たい人に今回は悪魔のような女をお勧め映画として挙げておこう

 監督はアンリ=ジョルジュ・クルーゾー 。フランス製サスペンス映画において名作、傑作を遺した。ハラハラドキドキ感満載の恐怖の報酬、上質なサスペンス映画犯罪河岸、何だか哀しい恋愛ドラマ情婦マノン、疑心暗鬼に満ちた世相を表現したかのような密告がお勧めです。








 
 

 

 

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