褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 失われた週末(1945) アルコール中毒の苦しみを描く

2017年01月06日 | 映画(あ行)
 もうお正月気分も終わる頃だが、今年も酒を飲んだくれて未だに体の中に酒が残っているんじゃないか?と思える人が俺の周りにもチラホラ居る。酒を飲んでいて注意したいのがアルコール中毒。アル中になった恐怖を名匠ビリー・ワイルダー監督がスリリングに描いたのが今回紹介する失われた週末。ちなみに本作はアカデミー作品賞、アカデミー監督賞などに輝いているように名作だ。
 本作は冒頭から凄いシーンで始まるので、最初から気を抜いて観てはいけない。ニューヨークの情景を流して、アパートの一室の窓をカメラがとらえる。そこに写しだされるのが、窓からヒモでぶら下げられた酒ビン。このシーンだけで主人公がひどいアル中男だとわかる。
 しかし、この男のアル中度がマジでやばい。周囲が彼に酒を飲ませないようにすればするほど、笑えるぐらい姑息な手段を使って酒を飲みたがる。しかし、この様子がハッキリ言って人間のクズレベル。酒を飲みたいがために金は盗むわ、酒屋の店員を脅すわ、バーで酒をタダで飲もうとしたり、自分の部屋のあらゆる部分に酒を隠していたりしている。そして何といっても一番ダメなのが、酒の飲みすぎで女性とのデートをすっぽかしてしまうこと。


 それではアル中に陥ってしまったダメ男のストーリーを簡単に紹介を。
 売れない作家のドン・バーナム(レイ・ミランド)はまだ年齢は30代前半なのだが極度のアルコール中毒。そんな彼を兄のヴィック(フィリップ・テリー)やバーナムの恋人のヘレン(ジェーン・ワイマン)が、アレやコレやと彼をアル中から立ち直らそうとするのだが、どうしようもない。
 2人はアル中のバーナムが、少しでも気が紛れるようにと週末に旅行に連れ出して、酒を忘れさそうとするのだが・・・

 なんだか今、改めて観直すとアル中の男を見ていると言うより、覚せい剤を常習している人間を描いているように見えるのは、今の日本の時世のせいなのか。しかし、観ていて不思議に思ったのがアル中の男に素敵な彼女が居ること。出会いはさておき、自らを犠牲にしながらもアル中男にトコトン想いを募らせている姿を見ていると、とっくに女性の方が先に神経を参らせても仕方なく見える。とことんダメな男に尽くす女性は、美しくも見えるが、どこか悲しくも見えてしまうのは何故だろう?
 アル中男のダメッぷりが凄いが幻覚症状に陥った時の映像シーンはホラー映画なみに怖いし、電子音楽が恐怖心を煽るのに非常に効果的に使われている。

 アル中の人がこの映画を観たら、他人に迷惑をかけているだけでなく、自分のだらしなさにも気付く。とにかくアル中だと自覚している人だけでなく、覚せい剤から抜け出せない人も今回紹介した映画失われた週末を観れば、終わった後に何となく勇気づけられるのではないだろうか?
 正月で酒を飲みすぎたと言う人も多いだろうから、今回は失われた週末をお勧め映画として挙げておこう

失われた週末 [DVD] FRT-139
フランク・フェイレン/ドリス・ダウリング/レイ・ミランド/フィリップ・テリー/ジェーン・ワイマン
ファーストトレーディング


 監督は僕の最も好きな映画監督であるビリー・ワイルダー。彼のお勧めとして今回はアパートの鍵貸しますを挙げておこう。



 
 

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