褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 アフター・アワーズ(1985) まさしく悪夢です

2016年01月03日 | 映画(あ行)
 明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。年末年始において殆んどの人が忙しいと思うが、ちなみに俺の場合はかなりヒマ。飯を食っては寝るの繰り返し。寒くて昼間でもちょっと暖かい布団の中に入ってしまい、二度寝、三度寝は当たり前の休日を過ごしています。そんな俺は普段の日でも不眠に襲われることがないのだが、中には平日も休日も眠れないという人も居るだろう。すっかり不眠症に陥ってしまった人にお勧めしたい、いや逆に毎日が眠たいと感じている人にお勧めしたい映画が今回紹介するアフター・アワーズ。なかなかストレートに笑わせてくれないブラックコメディであり、ニューヨークを舞台に現代人にも襲いかかってきそうな狂気が描かれている傑作だ。
 だいたい夜な夜な男が喫茶店で独りで本を読みながらコーヒーを飲むなんて、本当の目的は、読書でもノドが乾いているわけでもなく、ナンパ!もしくはこの映画の主人公の男性のように女性から逆ナンされるのを待っている奴が殆んど。そう言えば俺も学生の頃、読みもしない村上春樹の『ノルウェイの森』の赤と緑のハードカバーの本を二冊持って、女の子から声を掛けられないかな~と思いながら突っ立っていた事を思い出した。

 ちょっと気弱そうでシャイな俺のような男性なら本作の主人公の気持ちが痛いほどわかるが、そんな下心に痛烈なしっぺ返しを喰らわせられるストーリーとは如何なるものか。
 ニューヨークに住み、そしてニューヨークの大きな会社でワープロの使い方を教えているポール(グリフィン・ダン)は、仕事が終わった後に喫茶店に寄って、本(ヘンリー・ミラーの北回帰線)を読んでいる。そこへ、若くて綺麗なマーシー(ロザンナ・アークウェット)が声を掛けてくる。2人は本の事で意気投合し、マーシーはポールに電話番号を教える。
 毎日退屈な日を過ごしていて、大して女性に縁の無かったポールは自宅に帰るとマーシーが教えてくれた番号に電話をし、マーシーから『来て~』なんて言われるのだが、時計を見ると11時半を過ぎている。しかし、それでもラッキーとばかりに有頂天になって、やたらぶっ飛ばす運転手のタクシーに乗って彼女の所へ向かうのだが、それは悪夢の始まりだったのだが・・・

 そりゃ~、綺麗な女の子から電話番号を教えてもらったら俺でもすぐに電話をかける。なんだかヤバイよな~と思っても、普段は発揮しないチャレンジ精神がこんな時だけは沸き起こってくるから不思議だ。しかし、本作の主人公の男性も別のところでチャレンジ精神を発揮すれば良いのに、使うタイミングを間違ってしまっているから、さあ~大変だ。
 だいたい彼が出会うことになる女性は、外見は綺麗でもドン引きさせる生活及び悪趣味を持っていたり。当然、この男性もすっかり萎えてしまって、明日は仕事だし、もう遅いから深夜の地下鉄に乗って帰ろうとするのだが、ここから派手に次々と悪夢が襲いかかってくる。まさに危ない深夜のニューヨークを見ている気分に我々もなるし、なぜか自宅に帰ることができないこの男性の迷宮入りの様子はストレートには笑えない。
 人殺し、盗みの現場を観てしまうだけならチョロイもの。多勢の人間から追いかけられたり、自分が盗まれる?ようなありえないことが起こったり。いつもなら寝ている時間に今日に限ってとんでもない事が主人公の男性に降りかかってくる様子を見ていると、やっぱり人間は寝れる時にしっかり寝ないといけないんだと感じることができる映画だ。
 ごく平凡な主人公に対して、登場する脇役達はぶっ飛んだ奴ばかりの設定が笑えるし、最後のオチもバッチリのところへ収まった。一連の流れもハチャメチャなように見えて、なかなか計算されている。人間の狂気を描いた作品で多くの傑作、名作を遺している現在でもバリバリの現役である名匠マーティン・スコセッシ監督の珍しいコメディ作品。なんだかいつも眠れない人、いつも眠いと思っている人、マーティン・スコセッシ監督の作品が好きな人には楽しめるが、もしかしたら彼の作品に今ひとつのめり込めない人の方が楽しめるかもしれない。
 とにかく俺みたいな寝正月を過ごしている人は新年の一発目に観る映画としてアフター・アワーズをお勧めしておこう

アフター・アワーズ 特別版 [DVD]
ジョセフ・ミニオン
ワーナー・ホーム・ビデオ


 監督は前述したようにマーティン・スコセッシ監督。お勧め映画が多いが、比較的最近の作品として、とっても素敵な気分になれるファンタジー作品のヒューゴの不思議な発明がお勧めとして挙げておこう。

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