褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 イン・アメリカ 三つの小さな願いごと(2003) チョッとしたお伽噺

2013年10月24日 | 映画(あ行)
 もうすぐ10月31日がやってくるが、その日はアメリカではハロウィンの祭りが所々で行われる。実は俺の家にも、ここ最近の2年ほど、仮装した子供達が俺の家にトリック・オア・トリートと言いながら、お菓子をもらいにやって来る。そんなわけで、個人的にハロウィンと聞いてパッと頭の中に思い浮かべる映画が今回紹介するイン・アメリカ 三つの小さな願いごと
 ある一家が苦い出来事を忘れるために、わざわざアイルランドからアメリカンドリームを求めてニューヨークにやって来たのに大して報われないストーリーなんて書いてしまったら元も子もないが、確かに前半はけっこう辛い展開だ。
 だいたい俺に言わせれば、アメリカンドリームなんて言葉に吊られて安直にニューヨークにノコノコと出かけてしまうのが間違っていると思うのだが、時代設定があのE.T.が大ヒットしていた時だから、1980年代前半頃。もう現在においては、世界中の多くの人々がアメリカなんかで生活しても今よりも更に苦しくなるだけだと気付いているが、ちょうど強いアメリカ再生を訴えたレーガン大統領が颯爽と登場してきた時代と重なるから、アメリカンドリームという言葉に騙されてしまうのも無理はない時代背景であることは確かだ。
 そして未だにアメリカにおける差別問題というのは黒人に限ってだと思っている人が多く居るようだが、実際は白人の中だけでも多くある。特にアイルランド系の人々に対する差別感情は本作においても随所に見られる。そのようなことを考えながら観ると本作は、なかなか興味深く見ることができるはずだ。

 さて喪失感を持ちながらもアメリカンドリームを求めてニューヨークにやって来たアイルランド移民に対する厳しい現実、そしてわずかに見られる再生への道のりを描いたストーリーとはいかなるものか。
 売れない俳優をしているジョニー(パディ・コンシダイン)とその妻サラ(サマンサ・モートン)は、2人の娘であるクリスティ(サラ・ボルジャー)とアリエル(エマ・ボルジャー)を連れてアイルランドからニューヨークにやって来た。
 実は彼らにはフランキーという幼い末っ子の息子がいたのだが、不慮の事故で亡くしてしまいその時の心の傷が癒えないでいた。ニューヨークに来れば、心の傷が癒え、アメリカンドリームを手に入れることが出来ると思っていたのだが、ニューヨークでの生活は彼らにとっては非常に厳しい現実を突きつけられる。
 ある日のこと、ハロウィンがありクリスティ(サラ・ボルジャー)とアリエル(エマ・ボルジャー)は同じボロボロのアパートに住む不気味な黒人のマテオ(ジャイモン・フンスー)の部屋を訪ねる。その日を切っ掛けにマテオ(フンスー)との交流が始まるのだが・・・

 お父さんとお母さんには悲壮感が漂い、暗い内容になりそうなところだが、2人の娘たちの天真爛漫な性格や行動のおかげで見ていて、気が滅入ることはない。ニューヨークの世界はお父さんとお母さんにとっては厳しい現実を思い知らされるが、子供たちにとっては見るもの全てが新しい世界。過去の悲惨な出来事から立ち直れない両親を、まだ幼い娘たち2人が支えているという所に大きな希望を感じることができるし、よく子供は宝だという言葉を耳にするが、本当にその通りだと実感できる。
 そしてタイトルの副題になっている三つの小さな願いごとだが、これが本物の感動を呼ぶ。大きな喪失感を埋める再生への希望の光が、小さいながらも強烈に輝いている様子に、今まで味わったことがない類の感動を得られるはずだ。
 最近は子育てに悩んでいる人、まるで未来に希望を見出せない人、心に傷を抱えている人などにはイン・アメリカ 三つの小さな願いごとは、きっと癒しと希望を与えてくれるお勧めしたい映画です

イン・アメリカ/三つの小さな願いごと [DVD]
サマンサ・モートン,パディ・コンシダイン,ジャイモン・フンスー
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント


 監督はアイルランド人のジム・シェリダン。アイルランドの諸問題をパワフルに描く作風が非常に魅力的な監督。脳性麻痺の影響で左足でしか絵を描けない実在の画家の伝記映画でダニエル・デイ=ルイス主演のマイ・レフトフット、IRAによるアイルランドの諸問題を描いた、これまたダニエル・デイ=ルイス主演の父の祈りをボクサーなどがお勧め。

 短髪がやたら印象的なお母さんのサラ役にサマンサ・モートン。ウディ・アレン監督、ショーン・ペン主演のギター弾きの恋、スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演のマイノリティ・リポートがお勧めで、両方とも非常にインパクトのある役を演じています。

 怖そうな黒人マテオ役でジャイモン・フンスーが出演しています。スティーヴン・スピルバーグ監督のアミスタッドが超お勧め。他にエドワード・ズウィック監督、レオナルド・ディカプリオ主演のブラッド・ダイヤモンドがお勧め。

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2 コメント

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けんさんへ (ディープインパクト)
2013-10-25 07:09:41
 コメント&TBありがとうございます。本当に良い映画を観たな~と感じました。本当に願いごとの仕方が上手かったですよね。
 僕だったらもっと違うことに願いごとをしたと思いますが、大人の願いごとはロクなのが無いですからね。
返信する
Unknown (けん)
2013-10-24 09:48:05
面白かったです♪
願い事の仕方が巧いな~。
ほのぼのとさせてもらいました。
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