褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ハードエイト(1996) ポール・トーマス・アンダーソン監督の長編映画デビュー作です

2022年02月03日 | 映画(は行)
 世界中の映画祭でありとあらゆる賞を受賞しまくっている今や名監督として君臨する鬼才ポール・トーマス・アンダーソン。そんな彼の長編における監督デビュー作品が今回紹介するハードエイト。デビュー作品でありながら、なかなかの豪華キャスト。後々に名監督と言われる人はデビュー作品から才能を見せつけることがよくあるが、彼もその中の1人。デビュー作品ながら、なかなか意欲的で後々の彼のスタイルが既に出来上がっていることを感じさせる。ちなみにタイトルの意味だが、よくカジノで行われるサイコロの2つの数字の合計を的中させるゲームがあるが、『サイコロの4のゾロ目』こと。タイトル名から想像できるように少しばかりギャンブルチックな内容もあり、ラスベガスやリノといったカジノで有名な都市を舞台にしている。

 それではミステリアスな雰囲気を漂わせる老人が主役のストーリーの紹介を。
 母親の葬式代を稼ごうとしてラスベガスで財産を殆ど投げうってしまい一文無しになってしまったジョン(ジョン・C・ライリー)は、喫茶店の前ですっかり打ちひしがれていた状態でいた。そんな彼の前に全く見ず知らずの老人であるシドニー(フィリプ・ベーカー・ホール)が現れる。何とこの老人はジョンにコーヒーを奢り、更にはギャンブルで勝たしてやるから今からラスベガスへ戻ろうと言いだす。ジョンはこの老人を怪しく思っていたのだが、他にどうしようもないので一緒に再度ラスベガスへ行くのだが、何とシドニーのアドバイス通りにギャンブルに臨むとドンドン儲かっていく。そして、そのことを切っ掛けに2人はまるで親子関係のように親密になってゆく。
 そして2年後、リノで2人は再会する。すっかりプロのギャンブラーになったジョンはウエイトレスをしている恋人であるクレメンタイン(グウィネス・パルトロー)と友人であるジミー(サミュエル・L・ジャクソン)を、シドニーに紹介する。しかしながら、4人の出会いは思わぬ秘密が暴かれることになってしまい・・・

 シドニーと呼ばれる老人が非常にミステリアスで、最初の登場からこの爺さんは何者?なんて思いを抱きながら見ることになる。とにかくお節介なぐらいジョンに対して親切。ジョンをカジノで勝たせてあげるだけでなく、彼がトラブルに巻き込まれたら、どんなことをしてでも解決してあげる優しいオジサンであり、まるで頼りになるパパみたいな存在だ。それにしても、なせ老人シドニーはジョンに対してこんなに親切なのか?それにしても、お金を貸してくれるし、ギャンブルで勝たしてくれるし、暴力沙汰の事件も警察沙汰にならないように解決してくれるし、素敵過ぎる老人。俺もこんな知り合いが欲しいと思いながら観ていたのだが・・・。
 一応は映画の分野としてはミステリーサスペンスに入ると思うのだが、けっこうストーリーは淡々と進む印象があるし、会話のシーンも多めなので少しばかり冗長に感じる人もいるだろう。しかしながらこの監督らしい無駄なバイオレンスシーンは観る気を煽らせるし、なかなか人生の役に立つような台詞もあったような気がする。そして数年前に40歳代で亡くなった名優フリップ・シーモア・ホフマンが、まだ大して有名でない頃の彼が見られるし、けっこう印象的な演技を見せる。ポール・トーマス・アンダーソン監督のデビュー作品と聞いて興味が惹かれた人は迷ってないで観ることをお勧めしておこう

 監督は前述したポール・トーマス・アンダーソン。現在のところ51歳で、まだ映画監督としては若い。本作が26歳だった時の作品だと知って今さらながら驚いた。作風的に万人受けするとは思えない気もするが、ポルノ業界の裏側を描いたブギーナイツ、何じゃこりゃとラストで思わせるマグノリア、少しばかりバイオレンスな恋愛コメディパンチドランク・ラブ、ダニエル・デイ=ルイス主演の欲望と権力に憑りつかれた石油王を演じるゼア・ウィル・ビー・ブラッドがお勧め。

 


 

 

  

 



 


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