褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ライフ・イズ・ミラクル(2004) 悲惨な事が起こっても前向きになれます

2013年09月25日 | 映画(ら行)
 戦争を背景にした映画はたくさんあるが、その多くは戦争の悲惨さを強調した内容が殆んどだろう。観ていてシャレにならない映像が飛び出してきたりして、気持ち悪くなる時もあるが、今回紹介する映画ライフ・イズ・ミラクルは、まだ記憶に新しい?ボスニア紛争を背景にしたセルビア映画。しかし、この映画の凄さは戦争による悲惨さはそれほど感じないどころか、コメディ風に描いているところ。爆撃の音がドッカン、ドッカンと響いていてもそれほど恐怖に感じている人間は登場しないし、どこか憎めない奴ばかり出てくるし、なんだか楽しい音楽が流れるし、舞台となる村の風景は綺麗、そして楽しい動物たちが大いに笑わせてくれる明るい作品だ。
 
 しかし、けっこう主人公のお父さんの周りでは悲惨な出来事が色々と起こる。やっぱり戦争は人間に悲劇をもたらす悪の産物だと思っていたら、ここからがこの映画の真骨頂。主人公のお父さんを悩ます出来事が次々と起こるのだが、『生きていれば良い事があるんだ』というメッセージが伝わる展開。この映画では犬、猫、熊などの動物が大活躍するが、とくに最初は自殺しようかと涙を流していたヤギが、最後はまるで主人公の守護神だったかのごとく大活躍を見せる。こんなシーンを見せられたら、自然に生きる気力が湧いてくるからたまらない。

 本当は戦争なんかは悲惨な出来事だけれど、そんなペーソスユーモアで吹っ飛ばそうとするストーリーとはいかなるものか。
 1992年、ボスニアの村でセルビア人のルカ(スラブコ・スティマチ)は鉄道技師の仕事をしていて、オペラ歌手の妻ヤドランカ(ヴェスナ・トリヴァリッチ)と息子でサッカー選手を目指しているミロシュ(ヴク・コスティッチ)とノンビリ暮らしていた。内戦など起こるはずが無いと思っていたルカ(スラブコ・スティマチ)だったが、ボスニア紛争が勃発して彼の平和な暮らしも一気に崩れ去る。
 ミロシュ(ヴク・コスティッチ)は徴兵されてしまい、ヤドランカ(ヴェスナ・トリヴァリッチ)はハンガリー人の男と一緒に何時の間にか逃げてしまう。しかもミロシュ(ヴク・コスティッチ)は敵方の捕虜になってしまったことを知らされる。
 そんな中で息子のミロシュ(ヴク・コスティッチ)の捕虜交換要因として敵方のムスリムの女性サバーハ(ナターシャ・ソラック)を家で預かる事になってしまう。ところが2人は同居していく内にお互いに恋愛感情が芽生え始めてしまう。息子のミロシュ(ヴク・コスティッチ)を取り戻すためにサバーハ(ナターシャ・ソラック)と捕虜交換するか、それともサバーハ(ナターシャ・ソラック)と一緒に暮らすことを選択するかで悩みだすが、しかももう帰ってこないと思っていたヤドランカ(ヴェスナ・トリヴァリッチ)が戻ってきて・・・

 チトー独裁政権によって、何とかまとまっていたユーゴスラビアだがチトー亡き後、宗教、民族などの複雑的な要因によって様々な国に分裂していったが、他国の干渉もありボスニア紛争はまさに悲惨な戦争だった。しかし、この映画はそんな悲惨さを極力見せないように笑えるシーンを持ってきている。ルカ(スラブコ・スティマチ)とサバーハ(ナターシャ・ソラック)が空想の中で一緒のベットで空を飛んでいるシーンが出てくるなど、どこか寓話的要素を入れているところもこの映画の魅力だ。そしてこの映画は恋愛映画として観る事も可能。確かに男女が同居していたら恋が芽生えてしまうのも当たり前か。
 ストーリーに関係なく、とってつけただけのギャグのシーンもあり、そのせいで2時間半という長時間映画になっているのが残念だが、ボスニア紛争について詳しく知らなくても楽しめるライフ・イズ・ミラクルは、少々時間に余裕のある人ならば是非お勧めしたい映画です

ライフ・イズ・ミラクル [DVD]
エミール・クストリッツァ,エミール・クストリッツァ
アミューズソフトエンタテインメント


 監督はユーゴスラビア人と自分では言っているエミール・クストリッツァ。自国の内戦を見てきた監督ですが、そんなことを感じさせないユーモアを発揮するのが特徴。本作品でもその特徴は出ていますが、アンダーグラウンドはそんな特徴がより活かされた傑作でお勧めです

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