褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 哀愁(1940) 僕もジ~ンとしました

2013年09月12日 | 映画(あ行)
 孤独、苦しみ、悲しみを背負い込んでいる男の背中は哀愁が漂っていて格好良い。もちろん今までの人生を背中で語るタイプの俺の背中からはバリバリに哀愁が漂っている。恐らく多くの女性はそんなことぐらいは気づいているはずなのだが、誰も声を掛けてくれない。俺の後姿を見て、胸がキュンとなった女性は遠慮無く声を掛けるべし
 さて、今回紹介する映画哀愁だが、後姿の格好良い男を誉める映画では無く、実は悲しいまでに切ない恋愛映画。非常に神経が繊細で脆い女心に観ている我々は涙なくして観れない傑作。男ならばきっとこの映画を観た後は、自分の彼女(注:奥さんは除く)を思わず抱きしめたくなるはずだ。
 
 本作品は戦争を背景にした恋愛映画ではあるが、そのような作品は手垢が付くぐらいにたくさんあるが、マンネリを感じるどころか次々に傑作が誕生する気配さえ感じる。しかし、今回紹介する哀愁はまさにそんな恋愛映画の王道であり、時代的にそんな切っ掛けを作った映画だと言えるのかもしれない。
 だが、そのような多くの作品は戦争による悲惨さが強調されている映画が多数。しかし、今回紹介する映画哀愁は、どこか甘美的であり、優雅さが漂う。それは観ればわかるがロマンチックな名シーンが有り~の、しびれるような台詞が有り~の、蛍の光や白鳥の湖の音楽が良かったりで印象的な場面が非常に多いからだ。

 そして、結末から観ている我々に多くの教訓を突きつける。自分の今までの人生はどうだったのか?自分の過ちをどのように償うのか?他人を許せるのか、そもそも自分を許せるのか?等等、本当にこんなことばかり考えていたら鬱病になってしまいそうになるが、もっと自分自身に対して寛容にならなければならない人間がこの世の中にはたくさん居る。そして未来へ向けて力強く一歩を踏み出すのだ

 さて、これぞ恋愛映画の王道ともいえるストーリーとは如何なるものか。
 1940年のロンドン、ウォータールー橋(これが原題になっています)において、ロイ大佐(ロバート・テイラー)は陶器でできたお守りを握りながら物思いにふけっていた。実は彼にとってはウォータールー橋において非常に苦い思い出があったのだ。
 1917年のロンドンに時は戻る。ロイ大尉(ロバート・テイラー)はフランスへ赴く前のわずかな休暇をロンドンで楽しんでいたのだが、そんな時に空襲のサイレンが鳴りウォータールー橋において踊り子のマイラ(ヴィヴィアン・リー)と出会う。一瞬で2人は恋に落ち、翌日にはもう結婚の約束をした。
 ロイ大尉(テイラー)は結婚式の段取りを素早く済ませ、すっかりその気になっていたマイラ(リー)も所属していたバレエ団をクビ同然のような形で辞めてしまう。
 しかし、ロイ大尉(テイラー)のフランスへの出征は予定より早まり、結婚式を挙げる前に彼はフランスへ赴いてしまう。

 ロイ大尉(テイラー)の帰還を待ちわびていたマイラ(リー)は、友人のキティ(ヴァージニア・フィールド)と極貧生活を強いられるが何とか彼が帰ってくるまで耐えようと決心したのだが、ある日マイラ(リー)は新聞にロイ大尉(テイラー)の死亡した記事を見てしまう。
 それ以来マイラ(リー)はすっかり娼婦に身を落としてしまい、今日も男アサリのためにウォタールー駅で待構えていると、死んだはずのロイ大尉(テイラー)を見つけてしまう。実は彼は生きていたのだ。
 再会に大喜びのロイ大尉(テイラー)だったが、一方、娼婦になって生きているマイラ(リー)は・・・

 ロンドンの霧の風景が抜群で、これがモノクロの映像の良さを感じる。そしてロイ大尉(ロバート・テイラー)とマイラ(ヴィヴィアン・リー)が蛍の光の曲に乗せてダンスをするシーンがあるが、これが本当に印象的な名シーン。それにしても蛍の光って、こんなにも良い曲だったけ
 しかし、最後に自分の気持ちをどうしても裏切れないマイラ(ヴィヴィアン・リー)が目の表情だけでロイ(ロバート・テイラー)の母親に訴えるシーンは彼女の名演技も重なり、観ている側の想像力を掻き立てる素晴らしいシーン。俺はこのシーンを見て映画とういうのは小説を超えていると確信した。
 ウォータールー橋で始まり、ウォータールー橋で終わってしまうストーリー構成が巧みで、お守りの使い方も抜群に上手い。思わずジ~ンとしてしまうメロドラマを観たい人には哀愁はお勧めです

哀愁 [DVD] FRT-010
ウ゛ィウ゛ィアン・リー/ヴァージニア・フィールド/ロバート・テイラー/ヴィヴィアン・リー
ファーストトレーディング


 監督はマーヴィン・ルロイ。もしかしたら、ちょっと前から流行りの記憶喪失ムービーの走りかもしれない心の旅路がお勧め。

 主演のロイを演じたのがロバート・テイラー。昔のハリウッドの大スターはこの人もそうですが、クラーク・ゲーブル、ロナルド・コールマンなど口ひげを生やした二枚目スターが多いような気がします。実はこの人の事は殆んど知りません。お勧めの作品があれば逆に教えて欲しいぐらいです。

 非常に神経が繊細なマイラを演じるのがヴィヴィアン・リー。本作品ではどこか脆い女性を演じていますが、名作風と共に去りぬの、気の強いスカーレット・オハラ役で超有名。
 他にエリア・カザン監督、マーロン・ブランド競演の欲望という名の電車では、既に容貌に衰えを感じますが、マーロン・ブランドと強烈な個性のぶつかり合いを見ることができます。

 
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