褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 流されて・・・(1974) 男女の究極の愛を描いた映画というよりも

2010年11月21日 | 映画(な行)
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 ガイ・リッチー監督で、マドンナが主演のスウェプト・アウェイという映画を観たけれど、この作品が酷評の嵐
 僕はこの映画を初めて観たときは、今回紹介する流されて・・・のリメイクということを知っていたし、実際に流されて・・・も20年ぐらい前に観ているから、斬新さの無い、旦那が(ガイ・リッチー)が嫁さん(マドンナ)の言いなりになって撮ってしまった映画ぐらいにしか思わなかったのだが、確かに僕が最もエキサイティングな楽しい映画だと思っているロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズを撮った監督とすれば、あまりにも平凡すぎる映画であるのは確かである。

 今回紹介する流されて・・・を初めて観たのは高校生の時で、この映画を観た目的はエロ
 この映画のリメイクであるスウェプト・アウェイに自らセックス・シンボルを自負するマドンナが出たがる理由もわかる

 今回改めて流されて・・・を観ると驚いた。流石に20年以上も経つと自分の知識が豊富になっていて、僕の頭の中の支配率がエロさ100パーセントではない事を

 映画というのは再見すると新しい事を発見できる。この流されて・・・もただのエロいのが目的だけの映画だと思っていたのが、実はこの映画の製作された1970年代のイタリアの社会的背景が描かれていることがわかる。

 イタリアというのは日本と同じく戦敗国。そして日本と同じくどん底の状態から目覚しい経済発展を遂げた国である。ところが経済発展を遂げるのは決して良いことばかりでは無かった。
 ヨーロッパに吹き荒れた共産主義から資本主義の導入によって格差社会、環境汚染、ブルジョワジーの台頭、マフィア、テロ、政治腐敗のような問題が実はこの流されて・・・には非常にわかりやすく描かれている。
 そして文明社会に対する痛烈な批判が描かれている事も非常に重要。裕福な世界にどっぷりつかってしまった人間の無力さを教えてくれる。
 単なるエロ映画だと思っていたのが、再見すると実は社会派映画だった流されて・・・を紹介します

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 夏の豪華客船においてブルジョワ夫人のラファエラ(マリアンジェラ・メラート)は出てくる料理に不満を言い、船員に対して傲慢な態度をとっている。
 そんなラファエラ(メラート)の態度に対して召し使いのジェナリーノ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)は苦々しく思っているが、ひたすら耐えていた。

 ラファエラ(メラート)は客船から離れてボートで出かけたいと言い出し、ジェナリーノ(ジャンニーニ)は仕方なくボートを出す。
 ところが2人が乗ったボートは途中で故障し、無人島に漂流してしまう


 
 無人島での自給自足を必要とする生活において2人の立場が逆転してしまう。自分で火をおこし、魚を釣り、自活するジェナリーノ(ジャンニーニ)に対し、ブルジョワ育ちのラファエラ(メラート)は自分で生活できない。

 そんな2人の主従関係が逆転してしまい、今まで屈辱を受けてきたジェナリーノ(ジャンニーニ)はラファエラ(メラート)を辱める。
 無人島での生活において身分階級が逆転してしまうが、不思議なことに2人には非常に心地良い無人島での生活が送られる。

 無人島での幸せな?生活がこのまま続くかと思われたが、2人を探していたヨットが表われ・・・ブルジョワの傲慢さは映画を観てください

 豪華客船でおけるブルジョワ達の傲慢さの描き方は見ていて腹が立つ。まるで事業仕分けにおける某女性大臣以上の威張り散らしようである
 事業仕分けは国民のために無駄なお金を捻出しようという意図があるが、このブルジョワの傲慢さが自己満足のみ。
 豪華客船を舞台にした上流階級と底辺社会における労働階級の対比がえげつない。

 ところが何も無い無人島でブルジョワと労働階級の人間が一緒になって暮らすと傲慢なブルジョワ気質が脆くも崩れ去ってしまう。
 そして高慢な振る舞いをしていたブルジョワ女の本質がなんとドMだったという皮肉さ
 無人島の暮らしになればブルジョワも労働階級も無く、そこには身に何もまとっていない赤裸々な男女の姿があるだけである。
 このことを男女の究極の恋愛だと言うのだろう

 しかし驚くのがこの映画の監督はリナ・ウェルトミュラーという女性監督
 女性監督と聞いて驚くが、たしかに男性では描き切れない映画のような気もする。

 ちなみに召し使い役のジャンカルロ・ジャンニーニはヴィスコンティ監督のイノセントや、レクター博士で有名なハンニバルではイタリアの刑事役だった人です。
 映画自体はコメディタッチでもあり、笑える部分もあります

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