ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

国のインチキ『はだしのゲン』

2017年08月11日 | 通信-音楽・映画

 今週日曜日(8月6日)、辺野古新基地建設反対の立場にある宜野湾市民フォーラム木曜会、その主催による第6回市民シンポジウムが行われ、私も参加した。今回は「辺野古工事の深刻な問題点」というタイトルの講演で、講師は奥間政則氏。
 「辺野古工事の深刻な問題点」を、私が理解できた限りで言うと、汚濁防止膜に不備があり、このままでは海が汚染されるが、防衛施設局はその指摘を無視したまま工事を続けようとしている。辺野古の埋め立て予定区域は地盤が不安定である、不安定な地盤の上に建設予定の構造物を設置するには設計変更が必要である。辺野古の埋め立て予定区域近辺には断層があり、断層が工事区域内にあると建設はできないが、防衛施設局はその調査をしていない、あるいは、調査をしていてもその結果を公表していない。
 などということだが、いずれにせよ、国は工事を何が何でも強行しようとしているように感じられる。国には目論見がある。「来年の名護市長選、及び沖縄県知事選に国寄りの候補者を立て、現市長、現知事に勝って、設計変更の認可を得れば良い」という考え。逆に言えば、現市長、現知事が負けたら、平和運動家たちはお先真っ暗となる。
     

 講師の奥間政則氏の語ったことで講演内容とは別に私の記憶に残っていることがある。奥間氏は一級土木施工管理技士の資格を持ち、沖縄では大手の土木会社で働いていたが、それを辞めて今、辺野古、高江の基地建設反対運動に関わっている。何故?
 奥間氏の両親はハンセン病患者で、国策により理不尽な差別を受けていた。そういうこともあって、国に対する不信感があり、反対運動に関わっているとのこと。実際に高江の建設現場では工事のインチキを見て、今回は辺野古基地のインチキを指摘している。
 ハンセン病に対する政策のように国は時に間違いを犯す。あるいは、「お国のため」だと言って平民など多少の犠牲を被ってもしょうがないという考えからインチキをする。そのインチキの最たるものが先の大戦。数多くの平民が国のインチキの犠牲となった。

 シンポジウムが行われた8月6日、シンポジウムが終わって、畑仕事に戻って、7時過ぎ家に帰ってシャワーを浴びて、無上の幸せであるビールを飲みながら、私は西原町立図書館から借りたDVD『はだしのゲン』を、その前編を収めた1枚を観た。
 8月6日は72年前広島に原爆が落とされた日。DVDはその数日前に前編、後編の2枚を借りていたが、観るのは広島を意識して8月6日まで待った。
 漫画の『はだしのゲン』を私は知っている。何度か目にして読んだと思う。広島の原爆を題材としている、主人公は小学生の、丸坊主で目が輝いている少年などということは知っているが、しかし、詳しい内容はほとんど知らない。『はだしのゲン』が連載されている頃、私はもう漫画をあまり読まなくなっていた年齢だったと思われる。
 『はだしのゲン』のドラマがあることを、西原町立図書館のDVDコーナーを物色している時に私は初めて知った。DVDの表紙には中井貴一が映っている。であれば、そう古くはない。調べると、2007年8月に放送されたフジテレビのドラマだ。
 ドラマ『はだしのゲン』を観ても、私は国のインチキを強く感じた。中井貴一演じるゲンの父親は「この戦争は間違っている」とはっきり言う。家族や自分が周りから迫害されてもその信念は曲げない。私は久々にナダ(涙)ウルウルしてしまった。
     

 記:2017.8.11 島乃ガジ丸


クサガメ

2017年08月11日 | 動物:両性・爬虫類

 言葉を知る

 クサガメを調べると、『ポケット図鑑 日本の爬虫両生類157』に「仔ガメは「ゼニガメ」と呼ばれる」とあって、「ゼニガメって何だ?」と広辞苑を引く。そういうことが他の動物、また植物を調べている時にたびたびあって、そうやって私は言葉を覚える。ただし、覚えた言葉が脳に残るかと言えば、私の軟化脳はその1割も覚えない。
 ゼニガメはまだいい。広辞苑に「イシガメやクサガメの幼期のもの。甲羅が円く、銭に似る」とあって、「甲羅が銭に似る」ということで記憶に残るかもしれないが、
 クサガメを調べると、『ポケット図鑑 日本の爬虫両生類157』に「甲背に3本のキールがある」とあって、「キールって何だ?」と広辞苑を引く。キール、広辞苑には「船の竜骨」とあった。「竜骨って何だ?」と、また広辞苑を引く。竜骨は「化石動物の骨が地中から出たもの」と広辞苑。しかし、ここでいう竜骨はそれでは無く、第三義の「竜骨突起の略」のことであろうと判断する。クサガメの背には3本の突起した線がある。
 「竜骨突起って何だ?」と、さらに広辞苑を引く。「鳥類の胸骨の中央にある大きな突起」とあった。「鳩胸ってこと?」と思うが、「鳩胸って何だっけ?」とまたも広辞苑。鳩胸は「人の胸郭が湾曲して前方へ張り出たもの」とのこと。

 などと、広辞苑を何度も引いていくつかの言葉を覚えた気になるが、おそらく、一週間後にはその多くを忘れているはず。ただ、クサガメについては「臭い匂いを出す」ということから記憶に残るかもしれない。どんな匂いだと少し興味がある。
 
 クサガメ(臭亀) 甲長、雄20センチ、雌30センチ内外
 イシガメ科 日本、朝鮮半島、中国、台湾に分布 方言名:不詳
 名前の由来、漢字表記の臭亀は広辞苑にあった。広辞苑には草亀との表記もあったが、今回から参考文献に加えた『ポケット図鑑 日本の爬虫両生類157』によると、「危険を感じると臭線から臭い匂いを出すことでクサガメの名がついた」とあった。
 同書にはまた分布として「北海道~九州、奄美大島、朝鮮半島、中国、台湾」とあり、沖縄島の個体群は移入種とのこと。もっとも、同書には「日本国内の個体群は古い時代の移入の可能性もある」ともあった。以下、同書からの情報と私の付記。
 「甲背に3本のキールがある」とあったが、私の写真では光線の加減と思われるが不明瞭で「何となく判る」程度。キールとは上記の話の通り。
 「雄の成熟個体では全身が著しく黒化するのが普通」とあり、ということは、私の写真の個体は雌かもしれない。そういえば、大きかった。30センチはあったはず。
 「仔ガメは「ゼニガメ」と呼ばれる」ともある。ゼニガメは広辞苑に「イシガメやクサガメの幼期のもの。甲羅が円く、銭に似る」とのこと。
 「主に昼行性で半水生、河川、湖、池沼に生息」については、私は宜野湾市民図書館の池の近くで見た。「水底の泥内や陸の土中で冬眠する」については、沖縄では冬眠しないかもしれないと思う。「雑食性で水草や水生昆虫、甲殻類、巻貝、陸上動物の遺骸などを食べる」については、陸上を歩いているところを私は見ている。遺骸があったかも。

 記:2017.7.29 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『ポケット図鑑 日本の爬虫両生類157』大谷勉著、株式会社文一総合出版発行


イタジイ(スダジイ)

2017年08月11日 | 草木:公園街路

 西原町立図書館から借りた本『沖縄やんばるフィールド図鑑』によると、そのスダジイの説明文に「やんばるの森で最も多い樹木」とある。ちなみに、同説明文では「別名イタジイ、オキナワジイ」とあって、スダジイを代表名としているが、私が参考にしている他の文献も確認して、多数決の結果、ここではイタジイを代表名とした。
 話が逸れたが、「やんばるの森で最も多い樹木」であれば、私はこれまでに何度もイタジイを目にしているはず。数年前までは毎年のようにやんばるの森に出掛け、野山を散策して動植物の写真を撮っていた。「やんばるの森で最も多い樹木」であれば、パソコンの不明植物フォルダにおそらくイタジイはあるはず。しかし、今回紹介する写真はヤンバル産ではなく石垣島産。「何で?」と問われたら、答えははっきりしている。やんばるの森にはたくさんの樹木があったが、そのどれがイタジイなのか素人の私には判断できなかった。しかし、石垣島バンナ公園には「これがイタジイ」という名札があったから。
     

 『沖縄四季の花木』に「沖縄の山地を構成する樹木の主役」とあり、景観の主役だけでなく、ノグチゲラが営巣し、樹洞ではヤンバルテナガコガネが生活し、果実はリュウキュウイノシシ、ケナガネズミが食べ、他の鳥類の貴重な栄養源となっているようだ。
 沖縄の森の主役、今度ヤンバル(沖縄島北部の通称)へ行く機会(ガソリン代を考えると当分は無いだろうな)があれば、お目にかかって挨拶したいと思う。
 
 イタジイ(いた椎):公園・建築材
 ブナ科の常緑高木 関東地方以南、南西諸島、朝鮮に分布 方言名:シィジャ
 名前の由来は資料が無く不明。広辞苑にイタジイは無くスダジイとなっている。スダジイを引くと別名としてイタジイがあった。イタジイもスダジイも由来は不明。シイを広辞苑で引いても語源の記載は無く、よって、シイについても由来は不明。
 分布の南西諸島を細かく言うと、奄美大島、徳之島、沖縄島、石垣島、西表島となっている。山地に生育し、琉球列島のブナ林の主要構成樹木の1つ。
 高さは20mほどに達する。材は建築材、器具材、薪炭材、パルプ原料に、樹皮は染料に用いる。また、椎茸栽培の原木にも利用される。
 花は淡緑黄色で小さく目立たないが芳香がある、開花期は2月から3月。堅果(どんぐり)は卵形で13ミリ内外あり、10~12月に熟し、生食できる。
 
 葉

 記:島乃ガジ丸 2017.7.29 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行