ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

イタジイ(スダジイ)

2017年08月11日 | 草木:公園街路

 西原町立図書館から借りた本『沖縄やんばるフィールド図鑑』によると、そのスダジイの説明文に「やんばるの森で最も多い樹木」とある。ちなみに、同説明文では「別名イタジイ、オキナワジイ」とあって、スダジイを代表名としているが、私が参考にしている他の文献も確認して、多数決の結果、ここではイタジイを代表名とした。
 話が逸れたが、「やんばるの森で最も多い樹木」であれば、私はこれまでに何度もイタジイを目にしているはず。数年前までは毎年のようにやんばるの森に出掛け、野山を散策して動植物の写真を撮っていた。「やんばるの森で最も多い樹木」であれば、パソコンの不明植物フォルダにおそらくイタジイはあるはず。しかし、今回紹介する写真はヤンバル産ではなく石垣島産。「何で?」と問われたら、答えははっきりしている。やんばるの森にはたくさんの樹木があったが、そのどれがイタジイなのか素人の私には判断できなかった。しかし、石垣島バンナ公園には「これがイタジイ」という名札があったから。
     

 『沖縄四季の花木』に「沖縄の山地を構成する樹木の主役」とあり、景観の主役だけでなく、ノグチゲラが営巣し、樹洞ではヤンバルテナガコガネが生活し、果実はリュウキュウイノシシ、ケナガネズミが食べ、他の鳥類の貴重な栄養源となっているようだ。
 沖縄の森の主役、今度ヤンバル(沖縄島北部の通称)へ行く機会(ガソリン代を考えると当分は無いだろうな)があれば、お目にかかって挨拶したいと思う。
 
 イタジイ(いた椎):公園・建築材
 ブナ科の常緑高木 関東地方以南、南西諸島、朝鮮に分布 方言名:シィジャ
 名前の由来は資料が無く不明。広辞苑にイタジイは無くスダジイとなっている。スダジイを引くと別名としてイタジイがあった。イタジイもスダジイも由来は不明。シイを広辞苑で引いても語源の記載は無く、よって、シイについても由来は不明。
 分布の南西諸島を細かく言うと、奄美大島、徳之島、沖縄島、石垣島、西表島となっている。山地に生育し、琉球列島のブナ林の主要構成樹木の1つ。
 高さは20mほどに達する。材は建築材、器具材、薪炭材、パルプ原料に、樹皮は染料に用いる。また、椎茸栽培の原木にも利用される。
 花は淡緑黄色で小さく目立たないが芳香がある、開花期は2月から3月。堅果(どんぐり)は卵形で13ミリ内外あり、10~12月に熟し、生食できる。
 
 葉

 記:島乃ガジ丸 2017.7.29 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行