ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

炎天下の情熱

2016年06月24日 | 通信-沖縄関連

 私の部屋のすぐ傍は畑になっていて、夜になるとそこに住むカエルが大合唱を始める。夜中目を覚ますたんびに聞こえるので、おそらく一晩中鳴いているのだろう。
 朝5時過ぎになると、カエルの声は止み鳥の声が聞こえるようになる。この時期は、ヒヨドリの声も聞こえるがメジロの囀りが大きい。たまにはホトトギスの声も聞こえる。5時半頃になると、鳥の声をかき消すかのようにアブラゼミが大合唱を始める。
 夏農夫は、朝6時までに畑へ着きたい、そのためには4時半起床しなければならない。しかし、私が目覚めるのはメジロの囀りが聞こえる頃、目覚めてもすぐには起きず、ベッドでグダグダして5時半頃に起きている。何でグダグダしているのかというと体がだるいから。連日の暑さの中、暑さに耐えながら畑仕事を続けた、その疲れだと思う。
 日曜日も激しく暑かった。休憩する回数が増えて、1回の休憩時間も長くなる。午後1時、昼飯食った後も小屋前テントの陰でグダグダしていたら、ラジオで「県民大会」の実況中継をやっていた。「ぞくぞく人が集まっている」と言う。この糞暑い中、一般市民がぞくぞく集まっているようだ。開会は午後2時、閉会は午後3時半、この糞暑い中、早く着いた人は2時間半も炎天下に立つ。その情熱に私は大いに敬意を表したい。
          
          

 大会のラジオ中継は午後1時から3時半頃までだったが、その間の1時間ほどを私は聴いていない。「何をしていたんだ?」って、もちろん、畑仕事だ。炎天下で肉体労働だ、おそらく、会場で立っていた人達よりも多くの汗を私は流したと思う。
 「俺も大変なんだぜ」という大会へ参加しなかった私の自己正当化はともかく、聴いていなかった1時間のことも気になったので、火曜日(21日)、ネットのできる環境へ行って大会の事、その内容、大会に対する意見などを伝える新聞記事に目を通した。

 沖縄タイムスの記事によると、「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾!被害者を追悼し海兵隊の撤退を求める県民大会」(主催・オール沖縄会議)が19日午後2時から、那覇市の奥武山公園陸上競技場をメーン会場に開かれ、主催者発表で6万5千人が参加した」とのこと。写真も載っている、やはり炎天下だ、そこに6万5千人。沖縄の未来を何とか良い方向へ持って行きたいと願う人々が集まったのだと思う。真摯な情熱だ。
 関連するネットニュースをあれこれ見ていると、おとぼけ官房長官がまたもおとぼけコメントをしていた。朝日新聞の記事による。
 菅義偉官房長官は20日午前の記者会見で、元米兵による女性殺害容疑事件に抗議した沖縄県民大会に自民、公明両党が参加しなかったことに関連し、「よく県全体(の大会)という話がされるが、それはまったくあたらない。沖縄にある11市のうち9人の市長が出席していない。自民、公明、さらに維新も出席しなかった」と述べた。
 とのこと。もしも官房長官が、「誠に痛ましい事件だ、あってはならないことだ」と本当に思っているのなら、炎天下に集った6万5千人の想いに先ずは言及し、そして、「大会は被害者の追悼だけなく基地撤去も謳っていた。基地は沖縄に押し付けるというのが自民党の考えなので、残念ながら参加できなかった」となるのではないだろうか。
 炎天下の情熱は並々ならぬものがあると、炎天下で「糞暑い!」と叫んでいる農夫は理解している。大会に出席しなくても出席した人達と同じ想いの県民はさらに多くいる。
          

 記:2016.6.24 島乃ガジ丸


漫画やアニメより面白いもの

2016年06月24日 | 通信-文学・美術

 3週前『漫画虫』、先週は『懐かしの漫画青春』と漫画の話が続いたが、漫画だけでは無くアニメも私はよく観ていた。子供の頃夢中になったものを挙げれば『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ゲゲゲの鬼太郎』、『巨人の星』、『あしたのジョー』などがある。アメリカ産の『ポパイ』や『トムとジャリー』も大好きだった。大人になってからもアニメは観ている。『サザエさん』、『アラレちゃん』、『クレヨンしんちゃん』、『ドラゴンボール』など。中でも『ドラゴンボールZ』は、べジータのシリーズまでは夢中になって観ていたといっていい。映画でも宮崎駿監督作品はその多くを観ている。
 大好きだったアニメも、『クレヨンしんちゃん』、『ドラゴンボールZ』(べジータのシリーズまで)以降のテレビアニメは、テレビを観る時間がそもそも減ったということもあって、観なくなった。映画アニメは『千と千尋』が最後。
 先週の『懐かしの青春漫画』で記した私の漫画履歴でも、よく読んでいたいしいひさいちややまだ紫、その他も含め、それらは1990年代の作品だ。2001年公開の『千と千尋』以降、私は漫画からもアニメからも遠ざかっている。

 過日、友人から送られてくるメルマガに星新一、筒井康隆の名前があったので思い出した。私も若い頃は小説も多く読んでいた。純文学からSFまであれこれ読んでいた。
 思い出すままに作品、または作家の名前を連ねると、子供の頃は「シャーロックホームズ」、「怪盗ルパン」、「怪人二十面相」など、高校生になってからの青年期になると星新一、筒井康隆の他、安倍公房、小松左京、平井和正、北杜夫、遠藤周作、安岡章太郎、吉行淳之介、三浦朱門、阿川弘之、瀬戸内晴美、三浦綾子、有吉佐和子などの作品をよく読んでいた。あー懐かしや我が青春。もう40年ほども前の話だ。
 その頃は月に数冊は本を読んでいたと思う。文芸書は、30歳過ぎてからは年に1冊読むかどうかとなり、40歳過ぎてからはほとんど読まなくなった。読むのは仕事関連の参考書、パソコン関連の参考書がほとんどとなる。このガジ丸HPを始めるようになってからは動物図鑑、植物図鑑、百科事典などが私の愛読書となっている。

 さて、「2001年公開の『千と千尋』以降、私は漫画からもアニメからも遠ざかっている」と上述したが、漫画を全く読まない、アニメを全く観ないというわけではない。時々通っている宜野湾市民図書館には漫画本もアニメDVDもあり、ここ数年間で2~3冊の漫画本を借りて読み、数本のアニメDVDを借りて観ている。
 漫画本は沖縄関連の漫画、アニメDVDは沖縄関連の他、『千と千尋』以降のスタジオジブリ作品をいくつか観ている。そうやって読んだり観たりしているが、漫画もアニメももう夢中にはなれない。アニメだけではなく邦画、洋画など古いものから新しいものまで時々借りて観ているが、いずれも以前のように夢中になれるものはごく少なくなった。精神の老いということだろうか、淋しい気もするがしょうがない。
 いやいや、実を言うと、淋しい気はちっともしていない。漫画を読まないアニメを観ないからといって私はちっとも退屈していない。漫画やアニメより面白いものが畑には多くいる。畑には今そこに生きているものが多くいて、様々な姿を見せ、様々な動きを見せてくれている。それらを見て、妄想するだけで、私に退屈する時間は少しも無い。
          
          
          
          
          
 記:2016.6.24 島乃ガジ丸


判断基準

2016年06月17日 | 通信-科学・空想

 私はもう40年近く健康診断なるものをやっていない。役所から特定検診のお知らせみたいな封書は毎年届くけど、無視している。開けずに捨てている。「何で?健康に不安はないの?」と問われると、不安は無くもない。歯周病だし、腰痛も時々あるし、何より、血圧がここ数ヶ月、ずっと高め(150台)で推移している。脳溢血とか心筋梗塞で今日倒れるかもしれない。それでも私は、私に健康診断は不要と思っている。
 私の健康判断基準は「快食快眠快便」であること。そうである限り私は健康であると思うようにしている。歯周病については、冷たいものを食べると歯は凍みるが、その痛さが我慢の範囲内にあって、我慢しながらも1個のアイスクリームを完食できるようであれば歯周病も治療不要としている。腰痛については、畑仕事を頑張った日などは少々腰痛もあるが、立って靴下が履ける間は足腰もまだまだ大丈夫と判断している。
 快食快眠快便について現在どういう状態かというと、食事は毎日美味しく食べられている、自作の野菜が美味し過ぎて休肝日が少ないというのが気になるほど。快便も相変わらず、便器に座ればバッと出て、スッキリ終わる。ところが、快眠ができていない。
 睡眠時間は概ね夜9時半に寝て朝5時半起床のたっぷり8時間、それはだいたい守られているが、眠りはたぶん浅い。5月の中旬頃からこの時期とは思えぬ糞暑さになって、その寝苦しさで眠りが浅いのだと思われる。実際、夜中に暑さで何度も目が覚めている。先週木曜日の未明は雨の音にも目が覚めた。雨の音にも目覚めるほど眠りが浅いのだ。
          

 先週は暑さの他にも糞!と思うことがあったが、先週は他にも書くことがいっぱいあって、糞!は金曜日に間に合わず、その日、家に帰ってから書いた。それがこの頁。
 「糞!」と思ったのは天気が原因。5月27日付ガジ丸通信『見えない雲』にも書いたが、露地栽培農夫の私はその日の予定は天気予報に左右される。前の夜に天気予報を聞いて明日の予定を考え、当日の朝も天気予報を聞いて予定を決定する。その決定を覆されることが『見えない雲』の事例以降もたびたびある。自然の気紛れに翻弄されている。
 先週水曜日、いつものように4時頃まで畑仕事。芋掘りをしようと思ったが畑の土がまだ湿っている。3時頃の天気予報で「明日は曇り、昼過ぎから雨」とあったので、「明日の午前中なら土も少しは乾いているはず」と芋掘りは明日に延期した。しかし、木曜日の未明に大雨が降り、結局、芋掘りはできなかった。それが「糞!」と思ったこと。
 将来は自給自足芋生活、つまり、芋(甘藷:サツマイモのこと)が概ねの主食で野菜も全て自給を目指している私にとって、定期的芋掘りは重要な作業なのである。
          

 それにしても天気予報、夜中に雨が降るなんて予報はなかった。朝には雨も上がって、窓の外を見上げると快晴であった。しかし、ラジオは午前中曇りと言う。スタジオには窓が無いの?外を見ろ、気象台からの情報を鵜呑みにするな、現実を見ろ、快晴だぞ。
 翌金曜日、前日の天気予報では「曇り、昼過ぎから雨」であった。朝、窓の外を見ると雨が降っている。窓から下を見ると駐車場の路面が濡れている、たっぷり濡れている。ラジオの天気予報はそれでも「曇り、昼過ぎから雨」と言い張る。「スタジオには窓が無いのか?外を見ろ、気象台からの情報を鵜呑みにするな、現実を見ろ、小雨だが、雨降っているぞ!」と叫びたかった。「天候判断基準はいったい何なんだ?」と訊きたい。
          

 記:2016.6.17 島乃ガジ丸


懐かしの青春漫画

2016年06月17日 | 通信-文学・美術

 子供の頃マンガオー(漫画王:漫画虫という意)であった私は、青年期になっても、オジサンと呼ばれる歳になっても漫画を買って読んでいた。
 学生の頃は青年漫画雑誌と呼ばれる「アクション」や「ビッグコミック」、「ビッグコミックオリジナル」などの週刊誌を購入し、『じゃりんこチエ』やら『ゴルゴ13』などを好んで読み、また、月刊誌の「ガロ」もよく読んでいた。
 どの雑誌に掲載されていたかは記憶が定かでないが、大友克洋の『AKIRA』、いしいひさいちの『タブチくん』、白土三平の『カムイ外伝』などを好み、作品はどれでも構わずいしいひさいち、大友克洋は大好きで、彼らの単行本を買い揃えていた。

 今は無いのだが私の部屋の本棚には漫画本がいっぱいあった。10年ほど前に私の漫画蔵書を調べ記録している。それによると、私の蔵書で多い作家から順に記すと、
 1、いしいひさいち 『問題外論』など67冊
 2、手塚治虫 『火の鳥』など29冊
 3、ますむらひろし 『アタゴオル玉手箱』など23冊
 4、大友克洋 『AKIRA』など19冊
 4、白土三平 『カムイ外伝』のみ19冊
 6、魚戸おさむ 『家裁の人』のみ12冊
 6、東海林さだお 『ショージ君全集』など12冊
 8、山本おさむ 『はるかなる甲子園』のみ10冊
 8、やまだ紫 『やまだ紫作品集』など10冊
 10、谷岡ヤスジ 『アギャギャーマン』など9冊
 以上がベストテン。その他、黒鉄ヒロシ、吾妻ひでお、古谷三敏、杉浦日向子、近藤ようこ、安西水丸、原律子、高信太郎などが複数冊あり、好んで読んでいた。
 前回の『漫画虫』で「私は大きな目にキラキラと星が輝いているのが苦手で、少女漫画はほとんど読まなかった」と書いたが、女流作家が嫌いと言う訳では無い。女流作家が少女漫画家であるとは限らないのだ、文学的漫画家も数多くいる。上に挙げたやまだ紫、杉浦日向子は大好きで大ファンと言っていい。他にも上記の近藤ようこ、原律子に加え、萩尾望都、高野文子、赤星たみこ、内田春菊などの本も持っていた。
         

 漫画単行本の蔵書の総数は、家にあったものだけで243冊、実家の自分の部屋にも本棚があり、そこにも『じゃりんこチエ』の十数冊を含め4、50冊はあったと思う。
 そんなたくさんの中で、私の青春漫画を挙げるとすれば、第一位はやはり、蔵書の数も飛びぬけて多いいしいひさいち。いしいひさいちの笑いのセンスは私の壺にピッタシカンカンであった。笑いでは他にも、東海林さだお、谷岡ヤスジ、黒鉄ヒロシ、吾妻ひでおなどにも大いに笑わせて貰った。いずれも大笑いでは無く、ニヤリとした笑い。
 上に挙げた漫画家の名前を見ている内に思い出した。白土三平を筆頭に、ますむらひろしや安西水丸、そして、女流漫画家のほとんどはガロで知った人たちだ。ガロで知った人には永島慎二やつげ義春もいた。ガロはアンダーグランド的雰囲気を持った漫画雑誌で、私は若い頃好んで読んでいた。ということで、ガロが私の青春漫画だと言える。
          

 記:2016.6.17 島乃ガジ丸


竜洞谷のエリカ

2016年06月17日 | ガジ丸のお話

 場面は、以前勤めていた職場の事務所、事務員が2人いる頃なので20年ほど前、私は同僚Oさんが現場監督をする工事の書類作りにパソコンとにらめっこしている。その時、事務員の1人K子が入ってきて、「S(私のこと)さん、お願いがある。」と言う。
 「何だ、今忙しいよー、デートの申し込みは後にしてくれ。」
 「デートは来年でも再来年でもいいさぁ、それより、M子が、息子が急に熱出して今日は休みますってさっき電話があった。」と困ったような顔で言う。M子はもう1人の事務員で、同僚のTさんが現場監督をしているもう1つの工事の書類作りを担当している。
 「Tさんの工事、明日提出する書類があるって、それを私にお願いって。」
 「お願いされたらやればいいじゃないか。」
 「数字を入れるだけなら私にもできるけど、その書類さぁ、数字が何でこうなったかって説明する文章もたくさん書かなければならないのよ、それは苦手なのよ。」
 「で、それを俺にやれってか?」
 「Sさん以外にできる人はいないんだから、しょうがないさぁ。」
 「今日は夕方、大事な約束があるんだ、明日ではダメか?」
 「M子が言うにはどうしても今日中なんだって、お願い。」
     

 宇崎竜童が友人のもう1人のミュージシャンと2人で私の実家に宿泊することになっていた。空港まで迎えに行く約束をしていたが、残業になりそうで迎えに行くのは難しくなった。竜童に電話(当時既に携帯電話を持っていた)し、その旨伝える。
 「タクシーで行くから大丈夫だよ、近くに飯食う所ある?」
 「有名な店があります。タクシーの運転手にその名を言えば知らない運転手はいないでしょう。その店から私の実家は徒歩30秒くらいです。」ということになり、やはり残業となった私は、遅れてその店へ向かう。私の車は近所のKさんに「2、3日1台分貸して下さい」と予め頼んであったので、数台分の広さがあるそこの駐車場に停める。
 その時、夜7時を過ぎていたが南国沖縄の夏はまだ薄明るい。Kさん家の娘と思われる5、6歳位の女の子が立っていてこっちを見ている。「こんにちは」と挨拶すると、女の子は満面に笑みを浮かべて「こんにちはじゃないよ、こんばんわだよ」と言う。
 「そうだね、こんばんわだね。お嬢さんはKさん家の子供?」
 「そうだよ、エリカっていうんだよ。」
 「そうか、エリカちゃんか。オジサンはガジ丸って言うんだ、よろしくね。」
 「うん、友達になろうね。」
 「うん、今日から友達だ。・・・エリカちゃん、オジサン、ちょっと用事があるから今日はこれでサヨナラしようね、また会おうね。」
 「うん、バイバイ。」
     

 その後、私は飲み屋へ入る。竜童一行は既にいて、店に入る私を見て「こっち」と手招きし、私が席につくと、「お疲れさん、急な残業だったんだって。」と、テレビで良く見る髭面のいかつい顔が、テレビでよく見る無邪気な笑顔になって言う。
 「遅れて済みません。私も少し飲んでいいですか?」
 「もちろん、どうぞどうぞ。生でいい?」と無邪気な笑顔は言って、ビールを注文してくれた。そのビールを飲んで、少しおしゃべりして、30分ほどで店を出る。
 「車どこ?荷物の多くは車に乗せておきたいんだけど。」
 「その方がいいですね、車はすぐそこです。」と私は2人を駐車場に案内する。荷物を車に乗せていると、駐車場のすぐ傍、Kさん家の窓からさっき友達になったばかりのエリカがこっちを見て手を振っている。私も手を振り返す。
 「可愛い子だね、知合い?」
 「この家の子供です。さっき知合いになりました。」
 「俺も知合いになろうっと、紹介して。」といういことになって、竜童をエリカに紹介した。竜童はエリカのことが気に入ったらしく、大いに語り合っていた。その経験から後のヒット曲『沖縄ベイブルース』が誕生した・・・ということは無い。

 竜童とエリカがおしゃべりしている間、私と竜童の連れの2人は駐車場で立ちっ放しであったが、その時、私の両足、足首からふくらはぎにかけて痒くなった。痒みは腿にまで上がり、それはすぐに異常な痒さとなった。その部分を見る。私は靴下を穿いている、その靴下の中が異常に痒い、靴下を脱ぐとそこに夥しい数のダニがたかっていた。
 そのおぞましい光景と、あまりの痒さで目が覚めた。
     
 
   ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 以上は夢の中の話、2016年5月27日の未明に見た夢。8割方は夢、あとの2割は覚めてからの妄想を付け加え脚色している。元同僚のTさん、事務員のM子とK子、宇崎竜童の顔ははっきりと出てきた。女の子エリカは「エリカ」という名前ははっきり覚えているが顔はボケている。そして、もっと強烈に覚えているのは足の痒み。
 5月下旬、畑の、もうすぐ熟しそうであったバナナが何者かに食われ、それを防ぐために袋を被せたら、袋の中が最適空間だったのか、小さな虫の類が大量に発生し、24日、まだ半分は残っていたバナナの房を切り取って畑小屋の中に吊るした。竜童の夢を見たその前日の26日、吊るしていたバナナの実の上列の8本が熟しかけていたので収穫し、ビニール袋に入れ、家に持ち帰った。袋の口はバナナが蒸れないよう開けておいた。
 で、27日の未明、足のあまりの痒さを経験する。おそらく、バナナの実に着いていた虫がそのまま着いていて、私は虫着きのバナナを家の中に持ってきて、虫はバナナから離れて部屋の中に散らばり、寝ている私の足を齧ったに違いない。
 5月31日、部屋の中に見慣れぬ小さな虫を見つけた。まだ何者か判明していないが、ごく小さいので何者かの子虫かもしれない。その後、畑小屋の中のバナナを揺すって、虫らしきものが落ちるのを確認して、その写真も撮った。これもまだ何者か判明していないが、これは先の者よりさらに小さい。もしかしたらダニかもしれない。 
     
     
     
 『アルプスの少女ハイジ』とか『風の谷のナウシカ』とかいったカッコ良く、爽やかな面白い物語にしようと思って『竜洞谷のエリカ』を妄想したのだが、ダニが部屋で繁殖して、寝ている私の全身を襲うといったおぞましい妄想しかできなかった。
 『竜洞谷のエリカ』、宇崎竜童から竜洞、ダニから谷、エリカは夢に登場した可愛い少女の名前からですぐに思い付いた。なかなか良いタイトルと思ったのだが・・・。

 記:2016.6.10 ガジ丸 →ガジ丸の生活目次