ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

カワラアカザ

2019年07月17日 | 草木:雑木雑草

 今、探している薬草が「特にこれらは早急に」と思っているものが4種ある。いずれも私がまだ出会っていない(あるいは気付いていない)もので、フウトウカズラ、サネカズラ、ヒメイタビ、そしてアカザ。アカザは私が最近目を通した薬草の本の多くに載っており、五十音順に掲載されている本ではトップかその次に紹介されている。
 今、図書館から借りている薬草の本は2冊、『薬になる植物図鑑』と『琉球薬草誌』、どちらにもアカザは載っており、どちらもアカザは全国に分布とあり、「野原や畑地に普通に見られる」と説明されている。普通に見られても私には気付かれていない。

 ところが、沖縄の植物(薬草とは関係なく)を紹介している私手持ちの文献(6冊)のどれにも記載が無い。『沖縄大百科事典』にも載っていない。アカザは載っていないがカワラアカザは『沖縄大百科事典』にある。さらに、カワラアカザは私が散歩する公園のうち海岸端の公園である県立運動公園にも吉の浦公園にもどっさりある。
 どっさりあるのだが、カワラアカザがアカザと同様に薬効があるのかどうか、説明されている文献に今のところ出会っていない。ちなみにアカザは、若葉は食用になり、生葉の汁が虫刺されに使われ、若苗を煎じて服用すれば高血圧などに効くとのこと。
 ちなみに、アカザと本種カワラアカザは同科同属で、アカザ科にはあの有名なホウレンソウもある。ホウレンソウの学名はSpinacia oleraceaとなっている。
 
 カワラアカザ(河原藜):野草
 アカザ科の一年草 本州~九州、南西諸島、台湾に分布 方言名:不詳
 名前の由来は『沖縄植物野外活用図鑑』に「和名は河原アカザの意」とあった。アカザとは何かと調べると、藜と漢字が充てられ「アカザ科の一年草 本州~九州、南西諸島、台湾に分布する。紅紫色の若葉は食用に、茎は干して杖にする。」という植物、本種とは同科同属の別種。アカザのアカは「紅紫色の若葉」から来ているようだがザは不明。本種は別名にマルバアカザというが、これは葉の形状からだと思われる。
 海岸の砂地に多く見られる。草全体が白紛をふき白っぽく見える。茎は直立して高さ30~70センチになる。葉は卵形~広披針形で互生。枝先に円錐状穂状花序を多くだし、小さな花を密に着ける。花は目立たないが、多く着ける花序が目立つ。
 「和名は河原アカザの意」だが、沖縄では河原より海岸砂浜で多く見られる。アカザは食用になり、薬効のある薬草でもあるといくつかの文献に紹介されているが、本種については食用になるとか薬草になるとかの記述はどれにも無い。
 そもそもアカザとカワラアカザの違いを書いてある文献もなく、はっきりと判断できないが、文献の写真をみる限りでは、アカザの葉には鋸歯があり、カワラアカザは全縁。ところが別の本では、アカザの葉は幅広く大きく、表面が皺皺になっている。などとアカザは判断に迷うが、カワラアカザはどの文献でもほぼ同じ形状で間違いないと思われる。
 
 葉のアップ
 
 浜辺の群れ

 ちなみにアカザ、
 
 アカザ(藜):野草
 アカザ科の一年草 本州~九州、南西諸島、台湾に分布 方言名:不詳
 名前の由来は資料がなく不明。新芽の若い茎や葉は紅紫色とのことなのでアカザのアカは赤から来ていると思われる。
 葉は三角状卵形~三角状広卵形で、近縁種のカワラアカザに比べると大きく、目立つ鋸歯がある。概ねは路傍の雑草扱いであるが、畑で栽培されることもあり、紅紫色になる若葉が食用になるとのこと。同じアカザ科のホウレンソウによく似た味がするとのこと。茎は硬くて軽いので杖として利用される。開花期は8~10月、沖縄での開花期は不明。
 
 ちなみに学名は、
 カワラアカザ Chenopodium acuminatum var. vachelii
 アカザ Chenopodium album var. centrorubrum

 記:島乃ガジ丸 2019.6.23 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
 『グリーン・ライブラリー』タイムライフブックス発行
 『ネイチャーガイド 琉球の樹木』大川智史・林将之著、株式会社文一総合出版発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行
 『講談社園芸大百科事典』野間省一編集、講談社発行
 『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
 『ネイチャーガイド琉球の樹木』大川智史、林将之著、株式会社文一総合出版
 『自分で採れる薬になる植物図鑑』増田和夫監修、柏書房株式会社発行


サダソウ

2019年06月12日 | 草木:雑木雑草

 2011年7月だからもう8年ほど前、読谷村にある座喜味城跡へ出かけた。東京から友人Iが遊びに来ていて、彼の希望による座喜味城跡であった。着いてすぐに彼は資料室へ、資料室で1時間ほどは費やすというので、その間、私は城跡の散策をする。
 座喜味城の奥には、遊歩道はあるけど人はあまり入った形跡のないジャングルのような面白い場所があった。植物や動物の写真がいくつも撮れた。
 後日、撮った写真の植物や動物がそれぞれ何者であるか調査する。調査と言っても図書館から借りた図鑑と照らし合わせて「これはこれだ」と判定するだけのこと。今回紹介するサダソウは、その時「これはこれだ」と判ったものの1つ。
 
 判ってから8年も経って、「何で今頃?」なのだが、すっかり忘れていたというだけのこと。実は今年2019年5月、埼玉から遊びに来ていた友人Kと中城城跡を訪ねる機会があった。そこで、すっかり記憶から遠のいていたサダソウに出会う。記憶力の弱い私だがサダソウは特徴のある見た目をしているのでそんな私でも思い出せたのであった。
 
 2011年7月座喜味城跡で撮った写真
 
 サダソウ、参考文献によるとそう珍しいものでも無いようなのだが、久しぶりに見る。というか久しぶりに存在に気付いたという方が事実に近いと思う。出会った場所が8年前も今年も城跡というのが面白い。何か、因縁があるかもと考えていたら、1つ、

 沖縄の古い、有名な楽曲に『上り口説(ヌブイクドゥチ)』という古典がある。琉球から薩摩へ首里王府の役人がご挨拶に行く、その道中を語っている歌。首里から那覇の港へ行き、船に乗って薩摩へ至るその道中を語っている。その後半の何番かに、
 ・・・佐多の岬に・・・
と出てくる。サダソウという名前は佐田岬に由来しているとのこと。首里の偉い侍が薩摩に行くたび佐田岬が目に入る。サダソウを見ると佐田岬を思い出す。で、サダソウは偉い侍に好かれ、よって、侍がいる城に植えられたのかもしれない・・・想像です。
 
 サダソウ(佐多草):野草
 コショウ科の多年草 四国、九州南部、南西諸島、台湾に分布 方言名:不詳
 名前の由来は『琉球弧野山の花』に「和名は大隅半島の佐田岬に由来する」とあった。佐田岬に多く見られ目立ったのか、佐田岬で学術的発見がなされたのかは不明。
 海岸近くの石灰岩地域の岩の上に多く、山地の岩上でも見られる。私の写真はいずれも山地の方で、2011年は座喜味城、2019年は中城城といずれも城跡。
 茎は直立して高さ15~40センチほどになる。葉は多肉質。形状は倒卵形で対生するが、時に3~5の輪生となる。葉の表も裏も軟毛がある。
 花穂は細長い円柱形で長さ3~12センチ、茎の先端または葉脇から出る。花はごく小さく花穂に多く着き、4月頃に咲く。
 観葉植物として人気のあるペペロミアの仲間。本種は葉の表も裏も軟毛があるが、オキナワスナゴショウ(別名ケナシサダソウ)という軟毛のない近縁種もあり、九州南部~南西諸島に分布する。ちなみに学名は、
 サダソウ Peperomia japonica Makino
 オキナワスナゴショウ Peperomia okinawensis
 
 2005年10月の写真、場所は不明。毛が無いのでケナシサダソウと思われる。

 ちなみに、ペペロミア
 
 コショウ科ペペロミア属。小型の多汁質の多年草で一般には多肉質。
 世界中の熱帯、亜熱帯に数多くの種が自生しており、葉が美しい種が多くあり観葉植物として栽培される。ペペロミア属は和名ではサダソウ属となる。品種が多く、写真のものが何という種であるか素人には判断が難しい。

 記:島乃ガジ丸 2019.6.9 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行


ムサシアブミ

2019年04月08日 | 草木:雑木雑草

 畑仕事が忙しくて長く休んでいた散歩、また、腰痛で畑仕事を辞めて時間がたっぷり取れてからも、その腰痛のせいでしばらく休んでいた散歩を半年ほど前から復活し、天気の良い日は1~2時間ほどの散歩をしている。歩く場所は概ね公園。1~2時間の長時間散歩は海浜や山林の広い公園。それより短い散歩は近くの都市公園でやっている。
 海浜公園は車で15分ほどの距離にある吉の浦公園、20分ほどの距離にある県立総合運動公園。山林公園は車で15分ほどの距離にある浦添大公園、20分ほどの距離にある末吉公園を利用している。このうち、吉の浦公園は小さいので1時間も歩けないが、それ以外の県立総合運動公園、浦添大公園、末吉公園は広い。1時間はたっぷり歩ける。

 家から近く(車で15分以内)に若松公園という中規模の公園があり、そこはサッカー場や遊具施設など運動施設、遊ぶ施設もあるが、元は山林の地だったようでその名残も一部にある。過日、人が足をあまり踏み入れないと思われる名残の一部に分け入った。時は1月、南の島沖縄も冬らしくそれなりに寒い日が続いていた頃、寒いのでハブは冬眠中、なので藪の中も怖くない。その藪の中に洞窟のような所があり、そこにも入った。
 そこで、これまで見たことのない植物を見つけた。こういった洞窟様の環境は末吉公園にも浦添大公園にもあるが、そういった個所に何度も踏み入れているのだが、これまでに出会ったことがない。後日調べるとムサシアブミという名、武蔵鐙、何かカッコいい。
 
 ムサシアブミ(武蔵鐙):野草
 サトイモ科の多年草 関東以南に分布 方言名:不詳
 名前の由来は『琉球弧・野山の花』に「和名は、仏炎苞がむかし武蔵野国で作った馬の鞍の鐙に似ることによる」とあった。ちなみに、仏炎苞(ぶつえんほう)は「肉穂花序を包む大形の苞葉。ミズバショウやテンナンショウなどサトイモ科の苞」のこと。鐙(あぶみ)は「鞍の両わきにさげ、足をかける馬具」のこと。以上の言葉の説明は、いずれもインターネットサイトの「コトバンク」による。
 苞とは芽や蕾を包む葉のことを言うが、サトイモ科の植物は仏炎苞と呼び、概ねその苞が目立つ。本種の仏炎苞は照りのある緑紫色をしていてきれい。仏炎苞が見られるのは、具体的には文献になく、「ヒカンザクラの花が見られる頃」とあった。ヒカンザクラの花が見られる頃とは、私の経験では1~2月。
 地下に球茎があり、1株からほぼ同じ形同じ大きさの2枚の葉が出、その間から仏炎苞が出る。葉は一見、三出複葉のように見えるが深い切れ込みがあって3枚に見えるとのこと。3つに切れた1枚1枚の小葉は細かな平行脈が目立ち、先端が糸状に長く伸びる。
 高さ30~60センチ。石灰岩地域の樹林下に生える。
 
 仏炎苞

 記:島乃ガジ丸 2019.3.31 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行


オオヤブツルアズキ

2018年01月05日 | 草木:雑木雑草

 今回紹介するオオヤブツルアズキは、2012年9月10日に出会っている。「宮古諸島オッサン二人旅」の2日目、宮古島空港9時25分発の飛行機に乗り多良間島へ。多良間空港に着いたのは午前10時頃、多良間は雨が降っていた。雨のせいで私は11時まで空港に足止め、雨が上がるのを待って歩き出し、海岸沿いの道を宿方面へ向かう。

 のんびり景色を眺めながら、あれこれ写真を撮りながら夕方5時前に宿へ着く。オオヤブツルアズキに出会ったのはその途中。だけど、全く記憶に無い。空港から宿まで6時間かかっているが、その間で覚えているのは宮古島まもる君とヤシガニだけ。
 宿で、宿の主人や他の客たちと宴会したことも覚えている。そういうことから推察するに、私は植物にさほど関心は無いものと思われる。HPで沖縄の植物を紹介しているのでしょうがなく関心のあるようにしているのかもしれない。でもいいさ、それでほんの僅かでもモノを覚える。それが長年続けば、私もきっと物知り爺さんになれる、はず。

 
 オオヤブツルアズキ(大藪蔓小豆):野草・蔓植物
 マメ科の蔓性多年草 原産分布は不詳 方言名:不詳
 名前の由来、『沖縄植物野外活用図鑑』に「大藪蔓アズキの意」とあった。「大」については、おそらく仲間内では大きい方だからであろう、「藪」については、野原や道端に鬱蒼と生えているからであろう、「蔓」については、蔓性の植物だからであろう、アズキはあの食用のアズキ(小豆)と同属の植物だからということであろう、などと想像できるが、しかし、そのアズキそのものの由来が不明、想像もできない。
 原産分布は資料がなく不詳。文献の写真は八重山諸島の西表島で、私の写真は宮古諸島の多良間島。もしかしたら、沖縄島には分布しないのかもしれない。
 葉はマメ科植物でよく見る形の3出複葉。花は黄色でいかにもマメ科植物の形状。野原や道端に生え、莢果(きょうか)は食用にならない。
 ちなみに学名、
 アズキ Phaseolus angularis W.F.Wight
 コバノツルアズキ Phaseolus minimus Roxb.
 オオヤブツルアズキ Phaseolus reflexo-pilosus Ohwi

 記:島乃ガジ丸 2017.12.26 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行


コバノツルアズキ

2017年12月29日 | 草木:雑木雑草

 「かれのはら」という文字列を見て「彼の腹」を想像する人は・・・な性格。「枯れ野原」と想像する人は・・・な性格。というような性格判断なんてのはないだろうか?

 それはさておき、名前に「ノ」のつく植物は多くある。その場合の「ノ」は、格助詞の「の」ではなく、野原の「野」であることが多い。例えば、
アレチノギク(荒地野菊)
スズメノエンドウ(雀野豌豆)
ノアサガオ(野朝顔)
ノイチゴ(野苺)など。
 格助詞の「の」の場合ももちろんある。例えば、
イヌノフグリ(犬の陰嚢)
タツノツメガヤ(竜の爪茅)
ネズミノオ(鼠の尾)など。

 今回紹介するコバノツルアズキの「ノ」は後者の方。「小さな葉の」という意。「だから何だ」と問われると困るが、「彼の腹」と「枯れ野原」を思い付いたので。

 
 コバノツルアズキ(小葉の蔓小豆):野草・蔓植物
 マメ科の蔓性多年草 原産分布は不詳 方言名:不詳
 名前の由来、『沖縄植物野外活用図鑑』に「小さい葉の蔓アズキの意」とあった。「小さい葉」も「蔓」も納得。アズキはあの食用のアズキ(小豆)と同属の植物だからということで納得するが、しかし、そのアズキそのものの由来が不明。
 原産分布は資料がなく不詳。文献の写真は八重山諸島の西表島で、私の写真は宮古諸島の宮古島。もしかしたら、沖縄島には分布しないのかもしれない。
 葉はマメ科植物でよく見る形の3出複葉。花は黄色でいかにもマメ科植物の形状で大きさは1センチほど。野原や道端に生え、莢果(きょうか)は食用にならない。
 ちなみに学名、
 アズキ Phaseolus angularis W.F.Wight
 オオヤブツルアズキ Phaseolus reflexo-pilosus Ohwi
 コバノツルアズキ Phaseolus minimus Roxb.

 記:島乃ガジ丸 2017.12.26 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行