ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ウラナミシロチョウ/ウスキシロチョウ

2011年10月31日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 おすぎとピーコほど2

 血液型A型のUは、女性に関してもかなり慎重なようで、オジサンと呼ばれるようになってから10年以上過ぎた今でも、まだ独身である。結婚は命を縮める素とでも思っているのかもしれない。ところが大雑把なO型の私も、彼と同じ歳で、同じく独身である。結婚は面倒なことの最たるものと思っているに違いない。たぶん、私は。
 理由にはこのように大きな違いがあるのだが、若い女性から見ればどちらも、結婚もできないまま草臥れ果てた中年オヤジと映るのであろう。我々にはおすぎとピーコほどの違いも無い。だけでなく、どちらがおすぎでもピーコでも構わない存在であろう。

 虫には、科が違っていてもそっくりだったりする種も多くあるが、同科同属でそっくりなのもあって、二卵性双生児のおすぎとピーコどころか、一卵性双生児のマナカナほどの違いもないのではないか、と思われるのもある。
 ちょっと離れてみれば、色も形も大きさもそっくりで、見分けのつかない蝶が2種、ウラナミシロチョウとウスキシロチョウ、これらもまた、素人の目ではマナカナほどに見分けがつかない類。ウスキシロチョウはまた、翅の文様に変異が多いということで「お前は本当にお前か?」迷ったりして、両者が違う種類であることが判り、ウスキシロチョウがウスキシロチョウと断定するのに2、3ヶ月の時を要した。

 ウラナミシロチョウ(裏波白蝶):鱗翅目の昆虫
 シロチョウ科 沖縄本島、先島諸島、東南アジアなどに分布 方言名:ハベル
 ウスキシロチョウの無紋型によく似ていて判別しにくいが、翅の裏に薄く細かい波状の紋様があるので、写真のものはおそらくウラナミシロチョウであろう。名前はその通り、翅の裏に波模様があるシロチョウの仲間であるところから。
 前翅長33ミリ内外。成虫の出現時期、八重山諸島では周年、沖縄本島は3~12月。成虫は花の蜜を吸う。職場の庭のハイビスカスが開花中はその蜜を吸っている姿をよく見かける。幼虫の食草はナンバンサイカチ、ハネセンナなど。
 
 成虫   
 
 幼虫   
 
 顔    

 ウスキシロチョウ(薄黄白蝶):鱗翅目の昆虫
 シロチョウ科 沖縄、先島諸島、東南アジア、他に分布 方言名:ハベル
 翅の色が薄い黄色なのでウスキシロチョウ(薄黄白蝶)という名。雄はほぼそのような白に近い黄色、雌は黄色で、斑紋があるのと無いのと2種類あるらしい。
 移動力があり、迷蝶として本土でも見られるらしい。翅の文様には変異が多いとのことだが、写真のものは無紋で、文献にあるそれとほぼ同じに見える。素人が断定して大丈夫かと不安を少し感じつつアップ。間違いに気付いたときは反省すればいい、のだ。
 前翅長32ミリ内外。成虫の出現時期は周年。幼虫の食草はナンバンサイカチなど。
 
 成虫   

 記:ガジ丸 2005.10.1  →沖縄の動物目次 →蝶蛾アルバム

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行


キチョウ/タイワンキチョウ

2011年10月31日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 おすぎとピーコほど1

 虫が飛んでいるのを見ると、追いかけて行って写真を撮る。撮った写真と図鑑を照らし合わせて正体を調べる。ガジ丸HPを始めてからはそのようなことが多くなった。
 撮った写真と同じものが図鑑の写真にあることも多いが、判別できない、あるいは、判別しにくいものも少なくない。なにしろ虫は種類が多いだけでなく、似たものも多いのである。似たものが多いだけでなく、オスメスで色形の違うものも多く、また、個体変異なんてのもある。もーわけわかんない!なんてことになる。

 職場の庭で黄色い蝶を何度か見つけ、5、6枚の写真を撮った。それぞれ微妙に形が違うのだが、昆虫素人の私は初め、そのどれもがモンキチョウだとばかり思っていた。黄色い蝶ではモンキチョウしか名前を知らなかったせいである。写真を撮ってから2、3ヶ月が過ぎて、図鑑の写真をまじまじと見続けた結果、それらは種類の違う黄色い蝶であることが判明した。判明したことの喜びも半分あったが、「なんだ、おすぎとピーコほどの違いじゃないか!」と憤慨する気分も半分あった。でも、学問の目から見れば「おすぎとピーコほども違えば、大きな違いだぜ」なのだろう。・・・頭が下がる。

 キチョウ(黄蝶):鱗翅目の昆虫
 シロチョウ科 本州以南、沖縄、東南アジア、他に分布 方言名:ハベル
 ほぼ全身が黄色をしているのでキチョウ(黄蝶)という名。タイワンキチョウと同じくマメ科の植物を食草としているが、タイワンキチョウは山地に多く、本種は平地に多いと文献にある。職場は那覇市の住宅街にある。写真は本種で間違いなかろう。
 体長21ミリ内外。成虫の出現時期は周年。幼虫の食草はマメ科の植物、ナンバンサイカチ、ビルマネム、ハマセンナなど。
 
 成虫   

 タイワンキチョウ(台湾黄蝶):鱗翅目の昆虫
 シロチョウ科 八重山諸島、東南アジアに分布 方言名:ハベル
 先島諸島以南に多く、キチョウに近い種なのでタイワンキチョウという名。
 『沖縄昆虫野外活用図鑑』に「日本では、西表島と石垣島に多く見られ、生息地は山中の谷間に限られる」とある。キチョウのようなものをいくつか職場で発見し、写真を撮った。翅の紋様がそれぞれ違っていて、もしかしたらタイワンキチョウもその中に含まれているかもと思ったが、「山中の谷間に限られる」というのでは、本種は無かろう。
 他にはあまり見られない珍しい生態として、卵を塊で産みつけ、幼虫は共同生活を送ると紹介されている。蛹になる場合も集団で枝や葉脈にぶら下がっているとのこと。
 前翅長23ミリ内外。成虫の出現時期は周年。幼虫の食草はネムノキなどのマメ科。

 記:ガジ丸 2005.10.1  →沖縄の動物目次 →蝶蛾アルバム

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行


モンシロチョウ/モンキチョウ

2011年10月31日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 畑の蝶、野原の蝶

 毎年、冬野菜としてキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどを植えている。この中でブロッコリーにはほとんどつかないが、キャベツとカリフラワーには虫が多くつく。もう何ヶ月も前の話だが、カリフラワーを収穫して、それを水洗いする時に小さな青虫がわんさか出てきた。毎年お馴染みの虫は、キャベツの葉を剥いたときにも出てくる。
 「やあ、今年も会えたね。」と言う他無い。彼らも一所懸命生きているわけだ。枯れるほど食わないし、私が食う分をたくさん残してくれる。ありがたいこった。

 虫の正体は前から知っている。モンシロチョウ。成虫になればカワイイ奴。カワイイけれど、農業を仕事にしている人々にとっては嫌われ者。「やい!モンシロチョウ。テメェがいるから農薬を使わなきゃならないんだ。」と思っている農夫も多かろう。多少虫のついたキャベツでも普通に売れるような社会が、”普通”だと私は思うんだが。
 似たような形をして、色違いのモンキチョウはしかし、畑の野菜を食いに来ない。虫の世界にもグルメとそうでないのがいるようなのだ。モンシロチョウは野菜を食う畑の蝶、モンキチョウは雑草を食う野原の蝶。野原の雑草よりもはるかに畑の野菜を好んでいる人間は、むしろ、モンシロチョウこそ好みを同一する同士と思わなきゃあね。

 モンシロチョウ(紋白蝶):鱗翅目の昆虫
 シロチョウ科 日本他、世界に広く分布する 方言名:ハベル(チョウの総称)
 モンシロチョウは、アゲハチョウと並んで最も良く知られたチョウで、私も子供の頃から知っているのだが、文献によると、「沖縄島への進入は1958年頃」と比較的新しい。全体が白色で、後翅に一点の黒点があることからモンシロチョウ(紋白蝶)とい名。
 幼虫が一般にアオムシ、アオナムシ、ダイコンノアオムシなどと呼ばれ、アブラナ科の作物の葉を食草としている。したがって、成虫も畑で良く見かける。家庭菜園をやっている今は、この時期、毎日、何度も見ている。成虫はいろんな花の蜜を吸うので、畑だけでなく、庭でも原っぱでもどこでもよく飛んでいる。
 前翅長30ミリ内外。成虫の出現は真夏を除くほぼ周年。成虫はいろいろな花の蜜を吸うが、幼虫の食草はキャベツなどアブラナ科の植物。
 
 成虫1  
 
 成虫2  
 
 幼虫  この日収穫したブロッコリーに付いていた。 
 
 交尾   

 モンキチョウ(紋黄蝶):鱗翅目の昆虫
 シロチョウ科 日本、ヨーロッパなど広く分布 方言名:ハベル(チョウの総称)
 橙黄色の翅の外縁は黒、後翅に円紋がありモンキチョウ(紋黄蝶)という名。
 文献には「草原性のチョウで、牧場などに多い」とあり、確かに、家の周り、職場の周りにもいるにはいるが、数は少ない。モンキチョウを見る機会はモンシロチョウに比べるとずっと少ない。アパートの畑に来ることは無くて、職場の庭の草地、センダングサが蔓延った辺りで、その花に停まっていたりする。
 前翅長27ミリ内外。成虫は春から秋に多く見える。幼虫の食草はマメ科の植物、シナガワハギ、シロツメグサなど。
 
 成虫   

 記:ガジ丸 2005.9.26  →沖縄の動物目次 →蝶蛾アルバム

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行


リュウキュウヒメジャノメ

2011年10月31日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 藪の目

 今年の5月、シーミー(清明祭)で従姉の墓を訪ねたときに、藪の中に一匹のチョウを発見した。チョウ?かと思う。チョウとガには確固とした違いは無く、アゲハチョウ上科とセセリチョウ上科に含まれる種を気分的にチョウとしている、ということは別項「昼間働くガ」で述べたが、その頃はチョウとガについてよく知らなかったので、墓で見つけたチョウも最初は、藪の中にいるので、ガかもしれないと思っていた。
 近付くとなかなかきれいな模様をしている。きれいなものはチョウという先入観を持っていたので、これはチョウであろうと見当し、文献を調べ、ジャノメチョウであることを知る。翅に目玉模様があるので、それを蛇の目に喩えてジャノメチョウとのこと。
 先日、職場の庭に翅を広げて地面の上に止まっているチョウを発見する。このチョウの翅にも目玉の模様がある。こっちはしかし、日向にいる。ジャノメチョウは藪の目玉、こっちは日向の目玉、形も違うので別の科であろうと推測できる。私もだんだんと虫のことが解りつつあるようだ。日向の目玉はアオタテハモドキであることを知った。

 リュウキュウヒメジャノメ(琉球姫蛇の目):鱗翅目の昆虫
 ジャノメチョウ科 奄美、沖縄、八重山諸島に分布する 方言名:ハベル
 蛇の目とは文様の名前の一つで、広辞苑には「輪貫(わぬき)と呼ぶ環の文様の俗称」とある。ジャノメチョウ科のチョウには、この輪貫文がある。ジャノメチョウ科にはいくつか種類があるようだが、この文様の数、形などで素人にも判別ができた。
 北海道から九州に分布するジャノメチョウ(ナミジャノメとも)という種があり、それより小型なのでヒメ(姫)が付く。他にヒメジャノメという種があって、同じく北海道から九州に分布する。本種は奄美以南に分布するところからリュウキュウが付く。
 街中で見かけることはほとんど無く、林や森の中の薄暗いところに多い。私がよく散歩している末吉公園、弁ヶ岳、浦添大公園などにも薄暗い場所は多いが、そこらで見たことはない。都会より田舎が好きなのかもしれない。
 これまで、中城村の藪の中、国頭村の林内、名護市の山裾、南城市の林内で見つけ、どれもそれぞれ数分間は観察しているが、翅を広げている状態にはならなかった。
 前翅長24ミリ内外。成虫の出現、先島諸島では周年、奄美、沖縄諸島では3月から12月。幼虫の食草はチガヤ、ススキなどイネ科の植物。
 
 成虫1   
  
 成虫2   
 
 山原産  

 記:ガジ丸 2005.9.16  →沖縄の動物目次 →蝶蛾アルバム

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行


モンシロモドキ

2011年10月31日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 昼間働くガ

 チョウとガの違いが判らない。チョウと思って調べるとガだったり、ガと思ったものがチョウだったりする。そこで、チョウとガの違いについて改めて調べてみた。
 日本に生息する鱗翅目(蝶と蛾)には24の上科があり、そのうち、チョウに分類されているものはアゲハチョウ上科とセセリチョウ上科とある。残りの22上科全てはガとなる。ところが、アゲハチョウ上科とセセリチョウ上科には他の22科と区別する共通の特徴は何も無いらしい。つまり、チョウとガの違いは気分的なものなのである。
 ガは夜間活動し、止まるときは翅を広げ、幼虫は毛虫などという先入観を私は持っていた。そのうち、先ず、ガの幼虫に青虫は多くいることを知り、翅を閉じて止まるガのいることも知り、そして、昼間活動するガもいくつか発見した。

 モンシロモドキ(紋白擬き):鱗翅目の昆虫
 ヒトリガ科 本州、沖縄、東南アジアに分布 方言名:ハベル(ガの総称)
 ヒラヒラと飛んで、花に止まったりするので最初はチョウかと思った。調べるとガの仲間。モンシロチョウにはさほど似ているとは思えないが、チョウに似ていて、全体に白っぽいのでモンシロモドキという名前になったのであろう。
 昼間活動するガ。花にとまって吸蜜もする。食草のベニバナボロギクはあちこちにあるので個体数も多いとのこと。虫に興味を持っていればよく見かけることになる。
 前翅長25ミリ内外。成虫の出現時期は周年。幼虫の食草はベニバナボロギクなど
 
 成虫1  
 
 成虫2  
 
 交尾   

 記:ガジ丸 2005.9.14  →沖縄の動物目次 →蝶蛾アルバム

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行