ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

薬になる庭の食物3:野菜

2019年02月25日 | 飲食:加工品・薬草・他

 辺野古新基地に賛成反対かの県民投票が昨日あって、その結果が私にとってはまあまあ良い結果だった。それに関する感想はいっぱいあるが、それを我慢して今回は薬草。

 既に完成し依頼主に差し上げた薬草冊子その1、友人K子が代表者の1人であるデイサービスにも「ご老人方の意見が聞ければ」と思い、1ヶ月ほど前に持っていった。
 「H女(K子の姉)がこういうの好きで良く知っているから彼女に訊いてみるね」とのことで、H女に見てもらって1週間後に再訪することにし、冊子を置いていった。
 で、一週間後再訪すると、冊子のあちらこちらに付箋が貼られてあった。H女の意見とのこと。できないこともあったが、概ねはもっともなことであったので意見に従うことにする。その後、依頼主からもいくつかご意見があり、それらを踏まえて修正した「薬草冊子その1」が昨日やっと完成。今日にでも依頼主に会って差し上げる予定。

 付箋とは別に、「こういった内容の本は既にあるよともH女は言っていたよ」とK子。ちょうどそのころ、「こういった内容の本は既にあるよ」には気付いていた。図書館から借りた本に『おきなわ野の薬草ガイド』というのがあり、ちゃんと読んではいないがパラパラと目は通していた。著者は経験豊富なその道の専門家で、私の作った冊子など「小学生が作ったのか」と思うほど『おきなわ野の薬草ガイド』は懇切丁寧な立派な本。
     
 ではあるが、「いいさぁ、小学生が頑張って勉強して作ったんだ、同程度の経験しかない人にとってはいくらか役に立つだろうさ」と思うことにし、懲りないオッサンは今もなお、薬草の勉強を続けており、「薬草冊子その2」の作成を始めようとしている。
 このブログでも、前(2月6日)に『薬になる庭の食物2』という題で薬になる庭の果物を紹介したが、懲りないオッサンは今回もまた薬になる身近な植物の話。前回は果物だったが、今回は庭の野菜の紹介。庭の野菜とは大雑把な言い様だが、1坪2坪といった小さなスペースで、特に農業の技術がなくても簡単に育てられるものを選ぶ。それでも数が多いので、沖縄で昔から親しまれ、野菜として普通に美味しいものを選んだ。
 
 エンサイ(ウンチェーバー)は普段食で煮物炒め物に使え、解熱・利尿・風邪に効く。
     
 カラシナ(シマナー)は普段食で消化促進効果がある。その種子を乾燥させ粉末にしたものに湯を加え塗布すれば神経痛・リウマチに効く。
     
 サツマイモの葉(カンダーバー)は普段食で視力回復・眼精疲労・整腸の効果がある。生の若葉を揉んでネバネバを髪に塗ると髪の毛がツヤツヤになる。
     
 スイゼンジナ(ハンダマ)は普段食で低血圧・めまい・貧血・頭痛・不眠症に効き、葉を乾燥させ煎じて服用しても同じ効果がある。
     
 ニシヨモギ(フーチバー)は普段食で高血圧に効く。葉を乾燥させ煎じてその液を塗布すれば鎮痛・止血・消炎・解熱・神経痛・リウマチに効く。
     
 ニラ(チリビラ)は普段食で滋養保健・疲労回復の効果があり、茎葉を乾燥させ煎じて服用すれば健胃・整腸に効く。    
     
 ニンジン(チデークニ)は普段食で滋養保健・夜盲症予防の効果があり、茎葉を煎じてその液でうがいすれば口内炎・扁桃炎に効く。
     
 ニンニク(ヒル)は普段食で健胃・整腸・利尿・滋養保健・がん予防になり、薬用酒(ヒル酒)にして飲めば冷え症・不眠・便秘に効く。
     
 ネギ(ビラ)は普段食で解熱効果があり、刻んで布に包んで湿布すれば咳止め・咽喉の腫れ・不眠に効果がある。
     
 ヘチマ(ナーベーラー)は普段食で夏バテに効果があり、ヘチマ水を作りそのままでうがいすれば痰切り・咳止めになる。ヘチマ水は美肌効果もある。
     
 ホウレンソウ(フーリンナー)は普段食で貧血・血行不良に効果がある。
     
 ホソバワダン(ニガナ・ンザナ)は普段食で解熱・胃痛・腹痛に効き、生葉をつついて    その青汁を薄めて服用すれば腹痛・下痢に効く。
     
 ボタンボウフウ(サクナ)は普段食で咳・喘息・百日咳・解熱の効果があり、葉を乾燥させ煎じて服用すれば高血圧・動脈硬化・神経痛・リウマチに効く。
     
 ラッカセイ(ジーマーミ)は普段食で滋養強壮・糖尿病に効く。
     
 ラッキョウ(ラッチョー)は普段食で疲労回復、健胃、整腸に効き、鱗茎を薬用酒にして飲用すれば冷え症・不眠症・低血圧症に効果がある。
     
 その他、アカザカズラ、アキノワスレグサ、ウイキョウなど薬草として有名なものがあり、カブ、カボチャ、キュウリ、ゴボウなど薬効のある野菜、キンレンカ、ツワブキ、ツルムラサキ、ハマゴウなど薬効のある野草がある。が、キリが無いので省略。

 記:2019.2.27 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄薬草のききめ』多和田真淳著・発行
 『身近な薬草活用手帖』寺林進監修、株式会社誠文堂新光社発行
 『食べる野草と薬草』川原勝征著、株式会社南方新社発行
 『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行
 『入門沖縄の薬草』吉川敏男著、ニライ社発行
 『薬用植物大事典』田中孝治著、社団法人家の光協会発行
 『薬になる植物図鑑』増田和夫監修、柏書房株式会社発行
 『沖縄食材図鑑』田崎聡著、有限会社楽園計画発行
 『うちなーの伝統野菜と食材』沖縄県中部農業改良普及センター発行
 『おきなわ野の薬草ガイド』大滝百合子著、有限会社ボーダーインク発行


サバ缶

2019年02月18日 | 飲食:加工品・薬草・他

 魚の餌

 テレビ観ない新聞雑誌読まない私は世間の流行りものに疎い。ではあるが、毎日の食事のほとんどを自炊している私は、ほとんど毎日その日食べる食料品の買い物に行っているので、スーパーの店頭に並ぶ商品を見て流行りものがおぼろげに分かる。たとえばカルピス、昔は1種類しかなかったが今はフルーツカルピスというのか、いろいろな果汁の混ざったカルピスがある。そして甘酒、昔はひな祭りの時期に多く見られた季節ものだったと覚えているが、今は季節問わずいつでも、そして何種類も並んでいる。
 甘酒については「何で?」と疑問に思って、従姉や友人のおばさま達に訊いた。「今流行ってるのよ、テレビで健康に良いとかって放送されたのよ」とのことであった。
 そういえば、私がまだテレビを観ていた頃、『ためしてガッテン』とか『あるある大事典』とかの番組があって、それで紹介された「健康に良い」、「ダイエットに良い」と言われたものが大流行りしていたのを思い出す。沖縄のシークヮーサーやシマラッキョウが確か、同じようにテレビで紹介され、それで人気になっていたと覚えている。

 そして、最近よく目にするのがサバの缶詰、インターネットのホームサイトにも「人気のサバ缶が・・・」なんていう記事が出てくる。おばさま達に訊くと、
 「健康に良くてダイエットにも効果があるってテレビでやっていたよ、何年か前だよ、サバでは無くてサバの缶詰がだよ。」とのこと。なるほど、またもテレビか。
 サバ缶は、私は子供の頃から親しんでいる。食べ物としては母が作るソーミンプットゥルー(チャンプルーとかタシヤーとも言う)のサバ水煮缶、大人になってからは酒の肴としてのサバ味噌煮缶、缶からそのまま食べたことを思い出す。サバ缶は貧乏人の食物と言われるほど値段が安かった。金の無い学生の頃は、キャンプに必需の肴だった。

 食べ物以外でもサバ缶はよく使った。魚釣りの餌の1つである練り餌に使った。練り餌作りを私は子供の頃(小学校低学年)に祖父から教わった。サバ缶と小麦粉をボールに入れて、練ってパン生地みたいにするだけの簡単な餌、それで魚が良く釣れた。
 男ばかりのキャンプ、焚火を囲んで泡盛を飲む。肴はサバ缶、私にとってはそんな思い出のサバ缶。オジーに教わりながら作った練り餌、サバの匂いはきつかったが、それよりも釣りへ出かける楽しみが強く、臭いのも我慢して作った、そんな思い出のサバ缶。そんなサバ缶は今でも部屋の中に時々非常食として置いてある。もう長いこと釣りに行っていない、この先も行く機会はごく稀だと思う。部屋のサバ缶は、もちろん酒の肴。
 ちなみに、キャンプの夜食べた缶詰の空き缶は、寝る前にテントから遠く離れた所に置く。空き缶の匂いに誘われて猛毒のハブがやってくるから。
     
     

 記:2019.2.16 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 


薬になる庭の食物2:果物

2019年02月06日 | 飲食:加工品・薬草・他

 薬草研究家であるHさんから「薬草を表にしたものを老人クラブの仲間たちのために役に立てたい」と半年ほど前に依頼があり、Hさんからあれこれ薬草の資料をお借りしてさっそくその作業に取り掛かり、その後、他の年配の方々からあれこれ意見を取り入れ、あれこれ紆余曲折があって、約半年後の年明け1月になってやっと冊子が完成。
 完成はしかし、「その1」であり、これから「その2」、「その3」と続く予定。取り敢えず完成した「その1」の内容は、「普通に食べて薬になるもの」、それを1冊、35ページほどの冊子にまとめた。普通に食べるということは普段食ということで、スーパーや八百屋に行けば普通に手に入るもの。あるいは、庭で育てることのできるもの。

 タイトルが『薬になる野菜果物』となっているが、野菜と果物の線引きが曖昧であると私自身、自覚はしている。スイカが果物なら同じウリ科草本類のキュウリやカボチャ、トウガンも果物でいいのではないかと自分でも思う。学術的には、草本類に生る果実は野菜で、木本類に生る果実は果物ということになっているが、私の中では「ご飯のおかずになるものは野菜、甘くて、ご飯のおかずになりにくいものを果物」として分けている。
 ニガウリは完熟すると外皮は黄色くなり、種を含む内部は赤くなり、食べると甘い。その甘さは果物といってもいいのだが、一般的には未熟果を使用する。なので野菜。バナナやパパイアは野菜としても果物としても扱われる。バナナもパパイアも品種によるが、未熟なものは甘くないので野菜として、熟したものは甘いので果物として扱われる。

 薬になる野菜果物は多くあって、「こういうのが庭にあって、必要な時にすぐ手に入ると便利だな」と思って、「野菜は畑仕事をしないとできないが、果物なら放っておいても時期が来たら勝手に実が着くな」と、いつもの緩い考えで、先ずは果物から紹介。
 スーパーや八百屋に行けば普通に手に入る果物。あるいは、庭で育てることのできる果物で、栄養価が高く、薬草を紹介する書籍に載っていたものから私が選んだのは、
 アセロラ、イチゴ、イチジク、オリーブ、カキ、キウイ、グヮバ、ザクロ、シークヮーサー、シマグワ、スイカ、バナナ、パパイア、ビワ、ブドウ、マンゴー、レイシなど。
 これらの内、(沖縄で)栽培しやすいものはアセロラ、グヮバ、ザクロ、シークヮーサー、バナナ、パパイア、ビワ、レイシなどがあり、アセロラ、グヮバ、ザクロ、シークヮーサー、ビワなどは民家の庭でよく見られ、よく結実する。ただ、アセロラは小鳥に食害されやすい。バナナ、パパイアは台風に弱い。レイシは高木になるので剪定管理が必要などといった弱点もある。それはおいといて、これらを果実として生食すると、

 アセロラはビタミンCが豊富で、風邪予防・美肌に効果がある。
     
 グヮバはビタミン、ミネラルが豊富で滋養保健に良い。
     
 ザクロは摂取した場合の効能は不明、ただ、果汁が皮膚病に効く。
     
 シークヮーサーはアセロラに同じ。
     
 バナナは滋養保健・便秘に効果がある。
     
 パパイアは滋養保健に良く、乳の出が良くなる。
     
 ビワは疲労回復に良い。
     
 レイシは滋養保健に良く、病後の回復に効く。
     
 これらの中にはまた、食べる以外の方法でその他の効能もある。例えば、グヮバとビワはお茶としても有名で、いずれもその葉を乾燥させて煎じて服用すれば、グヮバは糖尿病・下痢止め・肩痛に効き、ビワは健胃・下痢止めになる。
 その他、ザクロの果皮を乾燥させ、それを煎じた液はうがい薬となり扁桃炎・咳止めに効く。シークヮーサーの果皮は入浴剤として肩凝り・腰痛などに効き、煎じて飲めば咳止め・健胃になる。バナナの葉は止血に使え、パパイアの果汁は胃痛、下痢止めに効く。
 家に庭があればこういった果樹を植えておいて、食べて楽しみ、お茶にして楽しみ、皮膚病にも使え、健康になる。オバー(お婆さん)がバナナの葉でケガした孫の手当てをしている日向の縁側、などといった古き良き時代の沖縄の民家の風景が思い浮かぶ。

 記:2019.2.6 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄薬草のききめ』多和田真淳著・発行
 『身近な薬草活用手帖』寺林進監修、株式会社誠文堂新光社発行
 『食べる野草と薬草』川原勝征著、株式会社南方新社発行
 『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行
 『入門沖縄の薬草』吉川敏男著、ニライ社発行
 『薬用植物大事典』田中孝治著、社団法人家の光協会発行
 『薬になる植物図鑑』増田和夫監修、柏書房株式会社発行
 『沖縄食材図鑑』田崎聡著、有限会社楽園計画発行
 『うちなーの伝統野菜と食材』沖縄県中部農業改良普及センター発行
 『おきなわ野の薬草ガイド』大滝百合子著、有限会社ボーダーインク発行
 『ありんくりんぬちぐすい』金城勇徳著、株式会社週間レキオ社


薬になる庭の食物1:全般

2019年01月30日 | 飲食:加工品・薬草・他

 平和運動家で薬草研究科の知人Hさんに「薬草表を作ってくれないか」と頼まれたのは昨年(2018年)6月、「老人クラブの仲間たちのため」ということで、「薬草の名前を五十音順に1つずつその効能を書いて写真を載せた表が欲しい」という要望。頼まれてから4ヶ月ほど経った10月末にやっと、その要望を概ね満たした冊子をHさんに差し上げることができた。しかし、その内容は私自身も不満であったが、Hさんからも合格は得られなかった。以前に他の年配の方に意見を伺っており、その方の「こうした方がいいんじゃないの」という意見をHさんに語ると、「それがいいかも」とのお答え。

 「こうした方がいいんじゃないの」の内容は「効能別に薬草を紹介する」ということであった。で、以後その方向で薬草表を作り直す。ところが、薬草の数が多すぎ(300種近く)て時間がかかる。1種の薬草の、科名、方言名、別名、採取時期、採取場所、使用方法、加工方法、効能、含まれる薬効成分などエクセルの表に書き写していく、それが300種近く。パソコン画面を見続けていると目が痛くなり、肩が凝り、頭痛もしてくるので長く続けては作業ができず、休憩時間もしだいに長くなり、作業は捗らない。
 であったが、12月半ばにやっと入力作業終了。終了した頃に私は薬草関連の書籍を5冊以上は読んでいた。5冊以上の本を読んで「薬草は摂取法、摂取量など正しい知識がなければ危険な場合もある」と解る。摂取量によっては毒になるものもある。素人の私が生半可な知識で薬草を他人に勧めるのは、「簡単にはできないぜ」と思うようになった。

 ということで、「こうした方がいいんじゃないの」の内容はさらに変わる。「樹皮や根を使って、干して乾燥させて、長い時間煎じて」といった手間のかかるものは、手間がかかる分だけ薬効が強くなると思われ、薬効が強いものは危険と思い、除く。普段目にしない、薬草園などへ行かないと手に入らないといった、入手難であるものも除く。
 で、その結果、私が選んだものはそんじょそこらにある野菜や果物となった。そんじょそこらにある野菜や果物で健康に良いもの、・・・というか、ほとんどの野菜や果物は何かしらの栄養があり、健康に良いものばかり、で、それだけでも100種となる。
 100種を1枚の表にするのは無理、元々、表にするなら数枚になるかもと思っていたが、100種はあまりに多すぎる。ということで、冊子ということになった。

 1月23日の午後、Hさんに会い、完成した冊子を見せ、合格を頂き、それを差し上げて半年以上も費やした薬草表(結果は冊子)作りは終了・・・ではない。危険性が無いということであればハーブティーみたいな軽い飲み物(薬草茶)や、火傷、肌荒れ、切り傷などに効く塗り薬もいいのではないかとの意見もあって、それらも作ることにした。
 ということで、今回完成したのは「身近な薬草ガイドその1:野菜果物」とし、今後、その2、その3を追加することにし、今、手掛けている。実物を探し写真を撮らなきゃならないので、全ての完成にはあと半年はかかるだろうなぁ・・・でも、楽しみ。
     
     
     

 記:2019.1.30 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 


オリーブ塩漬け

2019年01月09日 | 飲食:加工品・薬草・他

 ワインにピッタシ

 年末27日に大学時代の友人、小豆島からOTが、埼玉からKRが沖縄にやってきた。「遠方より友きたる、楽しからずや」なのだが、腰痛のため長時間の車の運転に不安があり、空港に迎えに行ったりホテルまで送ったり、観光案内したりが私は面倒。30日のお昼過ぎに2人と会って、近場の「浦添ようどれ」という観光地に案内して、我が住まいに案内して数時間の会話を楽しんで、2人を駅まで送ってその後は放っておく。
 そしてやっと正月2日、同じく大学時代の友人で沖縄在のKYを加えてその3人を我が住まいに招待し、午後3時頃から昼飲み会をし、たっぷり昔話をした。

 OTとKRは「お腹が苦しくなるまで食べる」という意味不明の大食いである。今回の旅でもそれまで食べ放題飲み放題の店へ行って「お腹が苦しくなるまで食べる」ということを既に数回経験してきたとのこと。なので、その日、4人の待ち合わせ場所としたスーパーで飲み物食い物の質と量の選択は2人に任せることにした。その結果、意外なことに2人はお節料理の大皿セットの他は豆菓子などの乾きものを2袋選んだだけ。
 「ん?それで大丈夫?全然足りないんじゃないの?」と念のために尋ねると「これまでだいぶ食い過ぎてきたから」とのお答え。「おー、さすがに大食いを反省したか」と私は2人を見直した。「だぜ、もう若くはないぜ、食い過ぎは体に毒だぜ」と思う。
 我が家に着いて、酒を飲み、昔話のあれこれを懐かしみ、お節をつまむ。ビールを飲みワインを飲み、小豆島のOTが事前に私へ送ってあったオリーブ塩漬けをつまむ。ウィスキーを飲み泡盛を飲み、乾きものの袋を開けそれもつまむ。さらに、私がストックしてあった煎餅や黒糖もつまむ。チーズを食いウミブドウを食った。私の部屋の食物がほぼ消えた。「そんなに食うのなら最初にもっと買っとけよ」と思ったのであった。
     
 さてさて、小豆島といえば『二十四の瞳』の次にオリーブが思い浮かぶくらい、オリーブの有名な産地である。OTが送ってくれたオリーブの塩漬けは2袋あり、その内の1袋は既に1人で3回に分けて完食している。3回ともワインの肴、美味であった。OTとKRが年末年始に来沖することは数か月前から決まっており、年始のいつかにKYを加え我が住まいで昼飲みするということもだいぶ前に決まっていた。で、私は美味のオリーブ塩漬けをKRとKYにも食べてもらいたいと1袋は残してあったのである。
 オリーブ塩漬けはKRとKYにも大好評であった。KRもたくさん食べたが、最も多く食べたのは送った本人のOT、地元の人間が「これには目が無い」と言わんばかりに食べた。それほど美味であるという証拠であろう。旨くて高級な酒の肴である。
     

 記:2019.1.6 ガジ丸 →沖縄の飲食目次