ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ムラサキツクバネカズラ

2018年08月22日 | 草木:蔓蔦

 私は単純にモノの名前を覚えることを苦手としている。なのにこうやって沖縄の植物や動物を紹介している。これまで多くを紹介しているのにたぶん、その3分の1も記憶していないと思う。散歩していて出会う植物に見知っている「これはブログで紹介した」と覚えている植物は多くあるが、その名前を思い出せないものはきっとその過半数。
 ブログの相互読者のコスモスさんから頂くメールの中に植物の名前がいろいろ出て来るが、そのほとんどを私は知らない。例えば、ナスタチウムは、「聞いたことあるけど、何だったっけ?」となる。だけど、キンレンカならその姿とともにすぐに思い浮ぶ。
 ナスタチウムはおそらく英名、キンレンカはその和名。私にとって和名が覚えやすいのは、その由来から記憶に残り易いから。金蓮花、葉がハスの葉に似た黄色の花。

 ムラサキツクバネカズラ、「何だそれ?」となる人が多いと思われるが、ペトレアというと「あーあれね」となる人が増えると思う。でも、私はそれを私の脳味噌に記憶させるためには「ペトレアとはムラサキツクバネカズラのこと」と先ず記憶させる。そして、ムラサキツクバネカズラとは「花が紫色で、愕と果実がくっつく衝羽根(つくばね)のような形になるツル植物」と覚える。その方が覚えやすかった・・・以前は。脳軟化している今はしかし、ムラサキツクバネカズラという名は長すぎて覚えられないはず。
 ちなみに衝羽根(つくばね)とは「追羽根のはね。羽子」(広辞苑)のこと。正月に女の子が遊ぶ(現代でも遊んでいるのかなぁ)羽根つきの羽根のこと。

 
 ムラサキツクバネカズラ(紫衝羽根葛):壁面・パーゴラ
 クマツヅラ科の常緑蔓性木本 中央アメリカ原産 方言名:不詳
 海洋博公園に本種があって、名札にはペトレアとあり、それは学名の属名Petreaから。ペトレアではいくつもの種があると思われるが、本種がその代表みたいなものなのであろうか?本種の種名も含めた学名はPetrea volubilisとなっている。
 参考文献の1つである『つる植物』にムラサキツクバネカズラ(紫衝羽根葛)との和名があった。ムラサキツクバネカズラという名はおそらく、花の色がムラサキ(紫)で、愕が結実期にも残っていて、それがプロペラのような役割をするからツクバネ(衝羽根)、蔓性の植物だからカズラ(葛)だと思われる。
 衝羽根とは羽子板でついて遊ぶ羽根つきの羽根のこと。その羽根の形に似ていることからその名がついたものは他にもツクバネアサガオ、ツクバネウツギなどがある。
 蔓は他のものに巻きついて長さ5~10mほどまで伸びる。葉は対性で長楕円形、長さ10~15センチ。葉面がざらつくことからサンドペーパーとも呼ばれるとのこと。
 枝端、または葉腋から長さ10~20センチの穂状花序をやや下向きに出し、紫色の花を数個つける。愕は花弁とほとんど同じ形で淡青色。開花期は3月~7月。
 愕が結実期にも残っていて、プロペラのような(ツクバネの形)役割をし、果実が落下する時に回転しながら風に乗って種を遠くまで運ぶとのこと。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2018.8.21 →沖縄の草木目次
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行 
 『講談社園芸大百科事典』野間省一編集、講談社発行


ヒスイカズラ

2018年08月16日 | 草木:蔓蔦

 今年3月末頃、友人のT夫妻が新居を訪ねてくれた。腰痛で体が弱って心も弱っている中、そういった友の優しさは心に沁みる。これも老化なのであろう。それはさておき、その時のTの話で「ヒスイカズラを見てきた」というのに私の頭が反応していた。
 ヒスイカズラはもうだいぶ前、25年ほど前になるか、知人の会社社長に「珍しいものがあるよ」と案内されてその庭にあるヒスイカズラを見せて貰った。その時はあいにく花は咲いていなかったが、「春に咲く」と聞き、その時にまた訪ねようと思っていた。思っていたがその後ずっと忘れていた。今回、ヒスイカズラのことを書こうとしてそのことを思い出した。「あー懐かしあの頃、若かりし頃」と、ノスタルジーも老化かな?

 友人Tからは「見てきた」という場所も教えて貰っていた。そこは今年3月から住んでいる今の住まいから近い、ということで、それから数日後その場所へ出掛けた。計ってはいないが車で15分ほどの文化財中村家住宅。「半分は散っていたよ」とTが言っていた通り、私が見た時はほとんど散っていて、数房が残っているだけだった。

 ヒスイカズラのヒスイは「花の色が宝石のヒスイの色に似ているから」とあった。ヒスイが宝石であることは知っているが、私はこれまで宝石とは縁の無い人生を送ってきたのでヒスイがどのようなものか全く想像がつかない。画像を浮かべることのできる宝石の類はダイヤモンドくらい。ダイヤモンドも実物を見たことは無いかもしれない、記憶には無い。過去に恋した女性は何人もいるが彼女らに宝石を贈ったこともないし、贈ろうと思って宝石屋へ入ったこともない。「淋しい人生だ」と過去を嘆くのも老化?
 
 ヒスイカズラ(翡翠葛):壁面・パーゴラ
 マメ科の常緑蔓性木本 フィリピン原産 方言名:不詳
 名前の由来は『つる植物』にあり、「ヒスイカズラの名称は花の色が宝石のヒスイの色に似ていることから」とのこと。『沖縄園芸植物大図鑑』には別名としてジェードバインとあったが、これは英名Jade Vineから。学名はStrongylodon macrobotrys。
 名前の由来となった翡翠色、『熱帯アジアの花』に「翡翠色というのは植物の世界では最も珍しい色」とあった。ヒスイ(翡翠)を広辞苑で引くと「玉(ぎょく)の一つ。鮮やかな翠緑色・・・」とあり、翠緑(すいりょく)は「みどりいろ」とあって、よく判らない。宝石に縁の無い私はたぶん、翡翠なるものを見たことが無い、なので、それがどんな色なのか不明。「ヒスイカズラの花の色さぁ」と言われたらそれまでだが。
 巻き蔓型で、木などに絡みついて高く上り、蔓の長さは5m以上となる。葉は三出葉で小葉の先は尖る。房状花序は1mほどの長さで下垂し、爪状の花を多く着ける。開花期は3~5月。私はまだ見たこと無いが「果実は長さ12センチほどの紡錘状」とのことで、結実期は7~9月。本土では温室栽培となるが、沖縄では露地栽培が可能。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2018.8.12 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行 


ナンゴククサスギカズラ

2017年10月13日 | 草木:蔓蔦

 沖縄の草木・草本で「スギノハカズラ」を紹介したのは一ヶ月ほど前の9月15日、その時に、「畑にアスパラガスが2株あって、その中の1株が大きく育って、1週間ほど前に芽が1本、10センチ程に伸びているのを発見。「数日後には収穫できるな」とニンマリしたではなかったかと。翌日、畑へ出掛けアスパラガスを確認。その芽は既に手遅れだったが、新たに芽が出ていた」と書いて、「この新芽は数日後に必ず食ってやる」と思っていたのだが、忘れた。気付いた時には30センチ程の高さになっていた。
 私の脳味噌が衰えていることの証明であるが、私の脳味噌がまだ使える状態であることを、今回紹介するナンゴククサスギカズラの説明文を書いている時に確認できた。
 同じく「スギノハカズラ」の記事の中で、「食用となるアスパラガスはクサスギカズラ(草杉葛)で、観葉植物となるアスパラガスはスギノハカズラ(杉葉蔓)ということのようである」と書いたが、それは覚えていたのである。

 ということで、本種ナンゴククサスギカズラもまた、アスパラガスの仲間で、食用となるアスパラガスと同じ草杉葛という名が付いている。ところが、このクサスギカズラは食用とならない。見た目が草杉葛、草であり、葉が杉の葉に似ていて、蔓蔦の類ということであろう。南国という名が付いたら食えない、ということではないと思う。
 
 ナンゴククサスギカズラ(南国草杉蔓):海岸野草
 ユリ科の蔓性多年草 九州以南に分布 方言名:ティンムン、バママツ
 名前の由来、スギ(杉)については『沖縄植物野外活用図鑑』に「葉状枝が杉の葉に似ているので」とあった。残りは私の想像となるが、ナンゴクは南方(九州以南)に分布するので、クサは草本性なので、カズラは蔓性なので、ということだと思われる。
 茎は匍匐して長さは1~2mまで伸び、海岸の岩の上に生息する。花は径4センチほどの淡黄色で、開花期は春から夏。果実は球形で径7ミリほど、白く熟す。
 「葉状枝が杉の葉に似ている」と文献にあり、それはその通りなのだが、私には「トゲトゲ葉っぱ」と見えた。その葉、葉ではなく、葉状枝と呼ばれる枝とのこと。

 記:島乃ガジ丸 2017.10.1 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行


ルコウソウ

2017年06月27日 | 草木:蔓蔦

 週末の散歩、雨が降っていなければほぼ毎週やっている。冬場は2時間以上、時には4、5時間も歩いて、首里石嶺から那覇新都心方面や、逆方向の浦添市、宜野湾市辺りまで行ったりする。のんびりと景色を眺めながら、知らない道を歩くのは気分がいい。
 夏場の散歩はちょっと・・・じゃなく、たくさん違う。先ず、歩き方が違う。夏場はダラダラ歩く。通り道にスーパーなどがあった場合は、買い物が無くても中に入ることがある。クーラーの中で少し休んだりするのだ。したがって、同じ2時間の散歩でも、冬と夏ではその距離が違う。もちろん、夏場の散歩は距離が短い。夏の散歩はまた、空をあまり見上げない。足元の自分の影を見ながら歩くことが多い。それでも、ときおり見慣れぬ花を発見したり、花の匂いを感じたりする楽しみはある。

 ルコウソウの写真は3年前の6月、テクテクと沖縄国際大学まで歩いた時に撮った写真。3年前は、散歩の習慣を始めた頃で、まだ元気だったようだ。沖縄国際大学といえば片道だけで1時間半かそれ以上はかかる距離。夏本番では無いが、沖縄の6月はもう既に暑い。よく覚えてはいないが、きっとその時もたっぷりの汗をかいたに違いない。
 そんな苦労しての写真だったが、パソコンのどのフォルダに入れたかを忘れていて、しばらく行方不明となっていた。ある日、旧パソコンから新パソコンへデータの移動をする際に偶然発見する。しかしながら、のんきなオジサンなのである。それがルコウソウという名の植物であることが判明したのは、それからなお、数週間経ってからのこと。
 
 ルコウソウ(縷紅草・留紅草):フェンス・地被
 ヒルガオ科の蔓性一年生草本。 メキシコ原産 方言名:なし
 漢字の「縷」は「いとのように細長くつらなるさま」という意味がある。ルコウソウの蔓は糸のように細く、そして長く伸びる。代表的な花の色は赤。よって縷紅草。
 一年生草本なので、常にそこに緑が欲しいところには向かない。期間(半年ほど)限定の壁面の花、あるいは棚仕立ての花として楽しむ。いわば、アサガオと同じような楽しみ方となるが、アサガオよりはずっと、花の期間が長い。
 細い蔓がフェンスなどに絡まって広がる。小さなかわいい花は品種によって赤、白、黄色などの色がある。開花期は春から秋。薄く小さな葉も涼しげ。

 記:島乃ガジ丸 2005.8.28 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行


テイカカズラ

2017年06月27日 | 草木:蔓蔦

 テイカカズラに方言名は無いが、その変種であるリュウキュウテイカカズラにはある。ウクヮンシンカンダと言う。文献にその説明は無いが、漢字で書くとたぶん御冠船蔓(カズラのことをカンダと発音する)となる。であれば、テイカカズラは藤原定家に由来しているらしいので、和名、方言名のどちらも由緒正しき名前ということになる。
 御冠船(うくゎんしん)は冊封使(和語ではサッポウシ、またはサクホウシ、沖縄ではサップウシと発音)の一行が乗ってくる船。冊封使とは「中国で、天子の勅を奉じて周辺諸国に使わし、封爵を授ける使節」(広辞苑)のこと。つまり、中国王朝が新しく琉球王になるものの、その即位を認めるために遣わした使節。その冊封使の乗った船を何で御冠船と呼ぶのかというと、新王に授ける冠こそが、船の主役だったからであろう。
 さて、じゃあ、何故リュウキュウテイカカズラが御冠船蔓なのか、これも文献に詳しい記載が無い。ただ、『沖縄植物野外活用図鑑』に、細長い莢状の果実が、「裂開すると長い冠毛のある種子が現れる」との記述があった。この「冠毛」が、新王に授けられる冠の羽かなんかに似ているところから御冠船となったのではないか、と考える。
 
 テイカカズラ(定家葛):地被・パーゴラ
 キョウチクトウ科の常緑蔓性植物 本州以南、沖縄、他に分布 方言名:なし
 テイカを広辞苑でひくと、定家という項目があり、その説明文の中に「定家葛」という文字が見つかった。定家は鎌倉前期の歌人、藤原定家(ふじわらのていか)のことであることについては知っていたが、『定家』が能の題目の一つであることは知らなかった。その能の説明に定家蔓があった。「藤原定家と式子内親王の激しい恋の物語。死後も内親王の墓に定家葛がまつわりついたという伝説を脚色」とのこと。それまで名無しのカズラだったのが、その時からテイカカズラと呼ばれるようになったということかもしれない。
 気根を発生させ、それが他のモノに絡み付いて(吸着型という)伸びる。白い小さな、かざぐるまのような形の花には芳香がある。開花期は3月から7月。
 
 花

 
 リュウキュウテイカカズラ(琉球定家葛):地被・フェンス
 キョウチクトウ科の常緑蔓植物 九州南部以南に分布 方言名:ウクヮンシンカンダ
 テイカカズラの変種。学名だと、テイカカズラがTrachelospermum asiaticumで、本種はTrachelospermum asiaticum Nak.var.brevisepalum T.Tsiangとなっている。
 沖縄の山野に自生しているところからリュウキュウという名前がついている。一般にも広く知られていたようで、上述の通り、方言名もちゃんとある。
 陽光地を好み、環境の良いところでよく生育する。ツルの長さは3~5m。テイカカズラ同様、気根を発生させ、それが他のモノに絡み付いて伸びる。花も同じく白花で、芳香がある。開花期は4月から6月。別名オキナワテイカカズラ。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2006.5.27 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行