ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

薬草茶3 自作の茶2

2019年09月09日 | 飲食:飲物・嗜好品

 セッコツソウ茶 クミスクチン茶

 化学薬品ではない、自然のもの(薬草など)を利用して腰痛が治らないかと思い、去年の6月から時々薬草茶を飲んでいる。薬草も、最初は商品として販売されているをよく使っていたが、その頃、(大家の許しを得て)アパートの庭に植えた薬草の類、アロエ、ローゼル、クミスクチンなどがあれからほぼ1年が経った今年6月、十分育った。
 アロエは生で火傷などによく効くということはすでに経験済みだが、アロエをお茶にして飲むということはどの薬草の本にも記されていない。ローゼルはハーブティーとして有名で、私も既に自分で点てて飲んでいる。美味いものであることも知っている。
 アパートの庭で茂っているクミスクチンを先日収穫して、干して乾燥させ刻んで茶葉のようにした。これは煎じてみた。色は濃くなったが味はさほど濃くない。まあまあ飲みやすい。クミスクチンは煎じて服用すれば腎臓病・糖尿病・高血圧・神経痛・リウマチに効果があるとのこと。神経痛・リウマチは腰痛にも繋がりそうだし、腰痛を患って以降、高血圧になってもいるし、「こりゃ、いいかも」と少しずつだが頂いている。
     

 セッコツソウは、この春に海辺の公園を散策している時、潮干狩りしていた漁師に「俺はこれで膝痛が治った」と教えられた薬草、「近くに生えてるよ」と言って彼が収穫し、私にくれた中から、「挿し木できるよ」というので数本を挿し木していた。
 彼から頂いたセッコツソウ、挿し木に使用した数本以外のほとんどは干した。干して乾燥させ、お茶にして飲んだ。4月半ばから6月半ばまでの2ヶ月間で、500CCペットボトルにすると、たぶん40本分くらいは飲んでいる。「それで、腰痛は?」と訊かれると、残念ながら今のところ効果はない。ただ、40本分くらいの茶は、乾燥したセッコツソウの葉に湯を注いで抽出しただけのもの。次回は煎じてみようと思っている。

 「次回は煎じてみようと思って」から1週間も経ったか、先輩農夫のNさんから「友人の畑にセッコツソウらしきものがある」と電話があって、一緒にそれを見に行った。それはしかし、私がヤナギバルイラソウと認識しているものだった、その花が咲いていた。
 ということで、「もしかしたら、漁師に紹介され頂いたものもヤナギバルイラソウではないか」と疑いを持った。案の定、漁師から頂いて挿し木に使用した数本から間もなく顔を出した花は、私がよく見知っているヤナギバルイラソウの花であった。
 薬草研究家のHさんから「あやふやなのは嫌ですね」と言われ、セッコツソウを紹介している本も出している薬草の会社へ出かけた。そこにあったセッコツソウらしきものは、ヤナギバルイラソウとは違っていた。末吉公園にこれと同じものがあると思い出した。そのことをHさんに告げた。それから2週間後、Hさんが末吉公園から頂いてきたというセッコツソウではないかという植物の茎葉の生を少し、乾燥物を少し持ってきた。その乾燥物を煎じて飲んでみた。前回セッコツソウと思って飲んだのに比べると癖があった。
     

 それから1ヶ月も経たない内に薬草の類も置いてある八百屋で、商品としてのセッコツソウに出会った。さっそく購入。家に着くとさっそく干す。それから4~5日後、干したものを刻んで煎じ、一晩冷ましてから翌日飲んだ。これもやはり癖があった。おそらく、Hさんが持ってきたものと同じ味、Hさんが持ってきたものはセッコツソウと判明。
 セッコツソウはこれまで見たことが無く、紹介している文献も1冊しかなく、情報不足である。ちなみに、クミスクチンはクミスクチンで間違いない。何度も目にしている。
     
     
 
 クミスクチン
 シソ科の多年草
 陰干し乾燥させたものを煎じて服用すれば腎臓病・糖尿病・高血圧・神経痛・リウマチなどに効く。
 また、生を絞って汁にして塩と酢を混ぜ塗布すれば水虫に効く。

 セッコツソウ
 キツネノマゴ科の常緑低木
 秋に茎葉を採取し、日干し乾燥させ、煎じて服用すれば関節炎、生理痛、神経痛、風邪、黄疸、痛風などに効く。
 生の茎葉を砕いて酒、酢を加えて患部に塗布すすれば骨折などに効く。
     

 記:2019.10.5 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 

画像説明
クミスクチン煎じ中
煎じ薬というよりお茶と言った方が良い葉の量。元々、葉の色が濃いので煎じた液も濃くなるのだろう。

Hさんが持ってきたセッコツソウ
薬草の会社にあったセッコツソウらしきものと同じものが末吉公園にあり、Hさんはそれを頂いてきた。

八百屋のセッコツソウ
宮古島にも薬草の会社があるようで、そこが販売している生のセッコツソウ。

それの煎じ中
宮古島のセッコツソウを干して刻んで煎じる。Hさんが持ってきたセッコツソウと色も味もほぼ同じ。

クミスクチンとセッコツソウの色、右がクミスクチン。


頭垂れないわけ

2019年09月06日 | 通信-その他・雑感

 薬草研究家のHさん、一緒に野山を歩き回って薬草探しもやっているが、ここ2ヶ月ほどは出かけていない。予定していた日に雨というのが何度かあって延期が続いている。延期の理由は天気だけではなく、参議院選挙もあったから。Hさんは基地反対派の候補を応援していて、その運動でも忙しかったから。そして、私の体調不良もあったから。
 薬草探しに出かけることも無く、雨が多かったので散歩に出かけることも少なかった私だが、ヒマだったということは無い。私はボーっとしている時間が、特に今年になってから長い、パソコンを30分見ていると目が痛くなり、頭痛がしてきつい。30分パソコンやった後は30分はボーっとしている。腰痛の腰休めの意味もあって時々はベッドに横になる。ベッドに横になると、時には眠っている。そんな日々を暮らしている。

 そんな日常のある日、6月23日の慰霊の日、その翌日だったか翌々日だったか、Hさんが私を訪ねて来て、しばし慰霊の日の話、戦争の話など聞かせていただいた。
 「終戦時、6歳だった子が今年80歳になりますねぇ、あと10年もしたら90歳ですよ。戦争を語れる人がほとんどいなくなってしまいますねぇ。」と話すのを聞いて、「戦争体験を残さなきゃ」と私はふと思い付いた。戦争体験記はおそらくいくつもある、映像になっているものも、本になっているものも多くあるに違いない。私もテレビか映画でそれらを観た覚えがある。それでも「もっと残そう」と思った。
 まだ語っていない人がいるだろう、そんな人の中には軍国少年だった人もいるだろう、逆に「戦争反対」と思っている人もいただろう、ただ、時の流れるままに生きた人も多かろう。そういった人たちが沖縄戦の間、何を思って過ごしていたのかに興味がある。
     

 あるお年寄りに話を伺ったら
 「タケ部隊という日本軍が近くにいて、そこの押切曹長と仲良くしていた」と聞き、
 「あっ、俺は軍そのものついてほとんど何も知らんぞ」と気付く。沖縄に軍が配備されたのは1944年3月の事。配備されたのは第32軍。武部隊とは第9師団の通称で、第32軍には3つの師団が含まれている。「軍って何だ?師団って何だ?」となる。
 さらに、沖縄戦はいつから始まって、どのような経緯を経て、どのように終了したか。
沖縄戦にはどれだけの戦力がつぎ込まれたのか。サイパン、グァム、フィリピンなど外国の戦況と沖縄はどう関わったのか。などなど分からないことが多い、「いかん、これではお年寄りたちに話を伺う資格が無ぇぞ」。ということで、その日から沖縄戦の勉強。
 疎開とは何だったのか、十・十空襲とは何だったのか、艦砲射撃とは何だったのか、集団自決とは何だったのか、それらには何の意味や意義があったのか、私ははほとんど知らない。図書館行って資料を読み、資料を借りて家でも読み、自分が理解できるように内容をまとめていく、時間かかっている。脳味噌フル活動している。こんなに勉強するのは大学受験以来ではないか、しかし、やっている割には頭に入らない。齢のせいであろう。
 そして、そんな中、私はショックなことに気付いた。「あー、俺は地位も名誉も金も無い。それでも傲慢なのは、うわべの知識だけで物事を良く知っているぞと勘違いしていたからだ、知識があるから俺は偉いんだぞという思い違いをしていたからだ」と気付いた。中身が無いから実らない、だから、頭を垂れることが無いんだな、と気付いた。
     

 記:2019.8.30 島乃ガジ丸

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 


フジマメ

2019年09月04日 | 飲食:食べ物(材料)

 酒の肴にはなる

 今年(2019年)4月に薬草研究家のH爺様にフジマメを頂いた。頂いたフジマメは若い莢が1かたまり、熟した莢も1かたまりあった。若い莢は全て私の食物となったが、熟した莢の中にある熟した豆は、そのほんの一部、10粒ほどは庭に播いた。
 播いた10粒は数日のうちに全て芽を出した。Hさんから頂いたその日に若い莢は料理されて私の酒の肴になっていたが、数日のうちに熟した豆も煮豆にして食っていた。
 その煮豆、不味くは無かったのだが、フジマメを調べると、豆は毒を少し含んでおり大量摂取は危険であるということを知る。10粒の種が全て成長して、全てが実を着けるようになったら私1人ではとても消費できない。ということで、10粒の種から芽の出た8株は引き抜いて、2株だけ残した。若い莢もキヌサヤほど旨いとは思わなかったので、1年の収穫時期に、5~6回食卓に上ればいいか、との考えから。

 後日談、種を播いたのは4月、5月にはスクスク伸びてネットに絡みついた2株のフジマメであったが、日光不足という環境が悪いのか、未だに花も咲かない。
 
 フジマメ(藤豆):果菜・豆類
 マメ科の常緑蔓性一年草 原産は熱帯アフリカ 方言名:ウクマーミ
 若い莢をインゲンマメのように食用とし、熟した豆も食用となる。熟した豆は長さ12~13ミリ。黒色で白い筋が目立つ。毒性があり大量摂取は危険ともあった。
 大量摂取は危険だが適量であれば薬にもなる。漢方では消化不良や解毒に効果のある生薬にとして利用される。生葉を煎じて服用すれば食あたり・魚の中毒に効き、果実は普段食として食すれば腸病・滋養保健に効くとのこと。
 
 未熟な莢料理
 
 完熟莢

 記:2019.8.30 ガジ丸 →沖縄の飲食目次


セージあれこれ2

2019年09月02日 | 草木:草本

 前回も○○セージと名の付く植物を紹介したが、今回もその続き。セージと名は付いているが、セージ(コモンセージ)のように薬効があるわけではないようで、花を愛でるために花壇植栽として用いられているようである。
 最後のブルーサルビアは○○セージという名ではないが、前回の2種と今回の上の2種と同じシソ科サルビア属の植物で、「ハーブは種類が多いなぁ、面倒だなぁ」と感じている時に出会ったもので、学名を見ると他の4種と親戚なのでついでの紹介となった。
 
 チェリーセージ(Cherry sage):花壇・庭
 シソ科サルビア属の多年草 メキシコ原産 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く正確には不明。セージは同じシソ科サルビア属のコモンセージ(和名:薬用サルビア)から拝借しているものと思われる。葉の見た目はよく似ている。
花弁が赤いのでチェリー(イチゴ色)とついてチェリーセージだと思われる。
 別名としてサルビア・ミクロフィラとあるが、これは学名の日本語読み。
 葉は、小さな卵形、分枝が多く全体にこんもりとした形になるので花壇植栽に向く。茎先や葉の脇から総状花序を出し、唇形の、根元は白く先の方は赤い花をつける。
 ちなみに学名は、Salvia microphylla
 
 花

 
 ディスコロールセージ(Discolor Sage):花壇・庭
 シソ科サルビア属の多年草 ペルー原産 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。セージは同じシソ科サルビア属のコモンセージ(和名:薬用サルビア)から拝借しているものと思われる。ディスコロールについては英和辞典で調べてみた。「変色する」という意であった。ガクと花弁、葉の裏表の色のコントラストから、「変色する」という意からディスコロールとなったのであろう。
 別名として、サルビアディスコロール、ディスカラーセージなどがあった。
 ガクは灰緑色、それに包まれて黒花が咲く。開花期は5~11月、私の写真2月のもので多くの花が付いていた。沖縄ではもっと長い機関咲いていると思われる。
 ちなみに学名は、Salvia discolor
 
 花

  
 ブルーサルビア(Blue salvia):花壇・庭
 シソ科サルビア属の多年草 北アメリカ原産 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。サルビアについては、「広くはシソ科アキギリ属植物」(広辞苑)のことで、ハーブのセージ(sage)などもこれに含まれる。英語ではセージがCommon Sage(普通のセージ)で、サルビアはscarlet sage(緋色のセージ)のこと。本種は花色がブルーなのでscarlet sageに対し、Blue salviaということであろう。咢が粉白色を帯びところから和名ではケショウサルビアと呼ばれることもある。
 本種を記本種に様々な園芸品種があるらしい。概ねで言えば、高さ30~90センチ、花は茎上部に密集して輪生し、輪散花序花に色は青、開花期は4~10月。
 ちなみに学名は、Salvia farinacea Benth. 

 記:島乃ガジ丸 2019.8.18 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行
 『講談社園芸大百科事典』野間省一編集、講談社発行
 『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
 『ネイチャーガイド琉球の樹木』大川智史、林将之著、株式会社文一総合出版