ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

コヤブミョウガ

2017年08月22日 | 草木:雑木雑草

 野菜のミョウガは日本原産でショウガ科の宿根草。『沖縄園芸百科』に「北は北海道より南は沖縄まで全国いたる所に自生しています」とあり、ミーガというウチナーグチ(沖縄口)もある。しかし私は、野菜のミョウガを知り、それを食したのは大学で東京暮らしをするようになってからだ。母はミョウガの料理を出したことはなかった。
 家でミョウガが出されたことも無く、ミョウガが食卓の話題になったことも無いので、私はミョウガの存在そのものを知らなかったわけだが、スーパーでもミョウガはあまり見なかったと思う。沖縄料理にミョウガを使った料理も無いと思う。
 『沖縄園芸百科』には「昭和51年ころより北部地域で経営作目として栽培され」ともあり、それまでは沖縄の食卓に一般的な野菜ではなかったことが想像される。それで納得できる。私が高校生の頃まで一般的でなかったので、母も食卓に出さなかったわけだ。

 コヤブミョウガという名を見て、「ミョウガの親戚か、食えるかな?」と私はすぐに思ったのだが、コヤブミョウガはツユクサ科の多年草で食用にはならないらしい。しかし、そのお陰で私は後悔せずに済んだ。ミョウガの親戚で、ミョウガと似たような香りのある野菜であれば、「あー、採取しとけば良かった」と後悔したはずなのだ。見たのは大宜味村なので遠い。片道2時間以上かかる。貧乏人では滅多に行けるものでは無い。
 
 コヤブミョウガ(小藪茗荷):野草
 ツユクサ科の多年草 南九州~南西諸島、熱帯アジアなどに分布 方言名:不詳
 名前の由来については資料が無く不明。ヤブミョウガが広辞苑にあり、藪茗荷と漢字表記され、「山野の陰地に自生・・・ミョウガに似」とある。なので、「藪の中に自生し、ミョウガに似ている」ところからヤブミョウガ(藪茗荷)で、本種はヤブミョウガの変種となっていて、それより小型なのでコ(小)が付いたものと思われる。ちなみに、ミョウガはショウガ科の宿根草。若い花穂が食用。本種は食用にならない。
 ミョウガの名の由来については広辞苑に「メカ(芽香)の転という」とあった。ミョウガは私も何度か食べているが、確かに独特の良い香りがする。
 やや湿った日陰の林縁部に生え、高さは20~80センチになる。茎の基部は曲って地に着いた節から根を出し広がる。茎の先に円錐花序を出し、白い小花を数個つける。開花期は5月から6月。果実は青紫色で7月から8月に熟す。
 基本種のヤブミョウガは関東以西~九州に分布し、本種より大型。ちなみに学名、
 ヤブミョウガ Pollia japonica
 コヤブミョウガ Pollia japonica var.minor
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2013.5.29 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編


コメツブウマゴヤシ

2017年08月22日 | 草木:雑木雑草

 コメツブ(米粒)とは、
 「昨日、ふかひれを食ったぞ。」
 「貧乏なくせに、よくもそんな高級なもの食えたな。」
 「おう、米粒ほどの大きさだったさ。」
 といったように「ごく小さいもののたとえにもいう」(広辞苑)。
 私の場合、財産とか給料とかお金に関することがその喩えになる。

 ウマゴヤシ(馬肥)は、「馬を肥やすもの=馬の餌」ということであるが、馬肥という文字からは、「天高く馬肥ゆる秋」という言葉が真っ先に私は思い浮かぶ。肥えた馬だ、そうなると、コメツブウマゴヤシは「ごく小さな肥えた馬」ということになる。
 そんな矛盾した名前のコメツブウマゴヤシ、沖縄の野原ではよく見かける。
 
 コメツブウマゴヤシ(米粒馬肥):野草
 マメ科の二年草 ヨーロッパ原産 方言名:ウシミンナ
 同属のウマゴヤシに良く似ていて、花が米粒のように小さいというところからコメツブウマゴヤシという名前。ウマゴヤシについては下記参考。
 ウマゴヤシは全体に大型で、果実の形も独特で判別しやすいらしいが、それより本種はコメツブツメクサの方に、さらに良く似ている。両者を並べて見比べないと、私には判別できないかもしれない。ただ、本種は概ね匍匐性で、コメツブツメクサは立ち上がるとのこと。なお、コメツブツメクサはシロツメクサと同属で、本種とは別属。
 茎の長さは60センチほどになり、根元から地面を這うようにして伸び、途中から斜めに立ち上がる。マメ科の植物には緑肥になるものが多いが、本種もそう。
 
 花

 ウマゴヤシ(馬肥・苜蓿)
 マメ科の二年草 地中海地方原産 方言名:なし
 元々、江戸時代に緑肥、牧草としてヨーロッパから渡来したもので、馬の肥やしとなったことからウマゴヤシという名前。コメツブウマゴヤシには方言名があって、本種には無いということは、沖縄ではウマゴヤシよりも、コメツブウマゴヤシの方が一般的だったのかもしれない。その辺のことは文献に無いので、正確なところは不明。
 江戸時代に渡来し、概ね海辺で野生化する。根元から分枝して地上を這うようにして広がる。先端部は斜めに立ち上がって60センチほどになる。葉腋から花茎を出しその先に黄色の小さな花をまとまってつける。全草を肥料・牧草とする。

 コウマゴヤシ(小馬肥)
 マメ科の二年草 ヨーロッパ原産 方言名:なし
 ウマゴヤシに良く似ていて、全体に小型なのでコウマゴヤシという名前。
 茎は地上を這うか、または斜めに立ち上がって30センチほどになる。花は黄色で小さく、春から夏にかけて咲く。明治初期に渡来し、海岸近くに野生化する。

 記:島乃ガジ丸 2008.2.27 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行


コミカンソウ/キダチコミカンソウ

2017年08月22日 | 草木:雑木雑草

 私の脳味噌は、計算をしたり、物事を組み立てて結論を得るというような能力は、少なくとも周りの友人たちの中では”できる”方だと思うが、物の色や形を判別して、それを記憶するという能力においては劣っている。
 人の顔を覚えるのも苦手としている。3年間苦楽を共にした人と半年後に道端でばったり出会って、その人がどこの誰だか思い出せなかったことがある。「見たことある人」、「何度か会っている人」、「最近の付き合いだがよく知っている人」、「古くからの付き合いでよく知っている人」の内、彼女は「最近の付き合いだがよく知っている人」であることは思い出せたのだが、最近どこで付き合っていたのかが思い出せない。名前はもちろん、これっぽっちも出てこない。失礼な事をしたのであった。
 「物の色や形を判別して、それを記憶するという能力」というのは、じつは、こうやって植物や動物を紹介する上ではもっとも役に立つ能力であると思う。私のパソコンにはまだ未発表の、植物や動物の写真が300枚ほどあるが、記事を書くのが追いつかないので未発表なのではあるが、名前の判明していないものも100枚ほどある。これにも似ているし、あれにも似ているし、どっちなんだと悩んでいる。

 コミカンソウとキダチコミカンソウもよく似ていて、判別にちょっと悩んだが、大きい方がキダチコミカンソウとのこと。ところが、たとえば、遊んでいる子供に、「ねえオジサン、これ何ていう草」と訊かれたとしても、図鑑無しには、私はそれに答えることができない。私の脳味噌は、生物の先生には向かない脳味噌のようである。
 
 コミカンソウ(小蜜柑草):野草
 トウダイグサ科の一年草 本州から南西諸島に分布 方言名:ニンビニンビバー
 夏から秋にかけて、葉の根元から花茎を出し、赤褐色の小さな花をつける。果実もまた小さく、熟すると赤褐色になり、平たい球形をしていてミカンに似ている。そこからコミカンソウという名前。名前だけで、ミカンとはまったく別の植物。食えない。
 道端や野原に生え、畑で多く見る。ちょっと放っておくと、辺り一面を覆ってしまう。が、除草は楽。引っ張れば根っこごと抜ける。力もそう要らない。
 高さは10~30センチほどになる。分枝した枝に小さな葉が対生するので羽状複葉に見えるが、そうでは無い。別名キツネノチャブクロ。
 
 実

 
 キダチコミカンソウ(木立小蜜柑草):野草
 トウダイグサ科の多年草 熱帯アメリカ原産 方言名:なし
 コミカンソウと同属で、見た目もよく似ている。コミカンソウより背がずっと高く、直立しているところからキダチ(木立)とつく。虫の目で見れば大きな樹木。
 高さ30~80センチ 淡緑色のごく小さな花が葉脇につく。『沖縄植物野外活用図鑑』に「1975年頃から沖縄島で見られるようになった」とあるが、今では、職場の庭、アパートの畑でも、コミカンソウより本種のほうがずっと多い。
 
 実

 記:島乃ガジ丸 2006.8.6 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行


コマツヨイグサ

2017年08月22日 | 草木:雑木雑草

 待てど暮らせど来ぬ人を・・・
で始まる歌『宵待草』、確か竹久夢二の作詞だったと記憶しているが、最初に聞いた頃はヨイマチを酔い待ちと捉え、「酔って待つか?何か色っぽいな」などと思っていた。酔って待つだけでは無い、自分を草に喩える、「できた女」だとも思った。
 ヨイマチグサが宵待草であることはすぐに分かって、「宵を待つ女か、やはり色っぽいじゃねーか」と思い、「酔って待つ女よりこっちの方が清楚だな」となった。
 酔いでも宵でもいいが、そのヨイマチグサという名で覚えていたせいか、マツヨイグサという名前には多少違和感があった。待宵草、漢文のように待と宵の間にレ点を入れて宵を待つと読めるが、「酔いを待つ」となると場面が違ってくる。女が酔うのを待って、それからあーしてこーして・・・と考える邪な男が登場する。そんな場面。

 マツヨイグサは淡い黄色の花を咲かせる。清楚な花だと思う。「酔って待つ女」でも無く、「女が酔うのを待っている」からも遠い。夕暮れ時、来るはずの男を「早く来て」という想いを秘めながら静かに待っている女、抱きしめてあげたい。
 
 コマツヨイグサ(小待宵草):野草
 アカバナ科の多年草 北アメリカ原産 方言名:不詳
 名前の由来について資料は無いが、広辞苑に待宵草と漢字表記があり、それで、容易に想像がつく。待宵は「訪れて来るはずの人を待っている宵」(広辞苑)とのことだが、ここではそのまま「宵を待つ」という意、本種の花が宵を待っている。
 待宵草は「アカバナ科マツヨイグサ属・・・数種の総称。オオマツヨイグサ・アレチマツヨイグサなど」(〃)とあり、本種は小型なのでコがつくのであろう。
 高さは10~60センチほど、地上を這って広がるタイプと斜向するタイプがあるとのこと。花は淡黄色で、夕方から開き始め朝にはしぼむ。開花期については資料が無かったが、文献の写真は3月、私の写真は6月、で、春から初夏としておく。
 主に海岸の砂地に生えるが、道端や野原でも見られる。「葉は、根元はロゼット状で長い柄があり上部の茎に着く葉には葉柄が無い」とのこと。私は未確認。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2013.3.12 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行


コニシキソウ

2017年08月22日 | 草木:雑木雑草

 祖母が死んだのは今(2014年)から26年前、その頃は私もまだ若く、テレビもよく観ていたし、スポーツ観戦も好きだった。高校野球、プロ野球、大相撲、ボクシングの世界戦、ラグビーの日本選手権などを好んで(テレビで)観ていた。高校野球はもちろん沖縄の学校を応援し、プロ野球はアンチジャイアンツ派、大相撲では、記憶は定かでないが、もし千代の富士が現役の頃であったならば、千代の富士のファンであった。
 祖母も千代の富士が大好きだった。テレビの前で熱狂的に応援していた。何事にもほどほどの私は恋愛でも情熱的にはならず、淡々と告白し、淡々と振られ、淡々と悲しい心を時間という薬で癒すのであるが、スポーツ観戦でも贔屓のチームや贔屓の選手にさほど情熱的な思い入れはしない。「なるべくなら勝ってね」という程度であった。

 祖母の嫌いな力士がいた。小錦という力士、すごく大きいのに小がつく力士。ハワイ出身で、言葉の通じない外国に来て、外国のスポーツに果敢に挑み、努力して強くなった力士だ。祖母は小錦が出てくると、「えな、アメリカーひゃー」と罵ったりした。「嫌なアメリカ人め!」といった意味。戦争の恨みがまだ残っているのかと思ったほど。

 今回紹介するコニシキソウは漢字で小錦草と書く。力士の小錦とまったく同じ字。ただし、コニシキソウの場合は力士の小錦と違い、名の通り小さい。
 
 コニシキソウ(小錦草):野草
 トウダイグサ科の一年草 北アメリカ原産 方言名:不詳
 名前の由来、ニシキソウは『名前といわれ野の草花図鑑』に「茎の赤色と葉の緑色との調和が美しいことから錦にたとえた」とあり、コ(小)は、ニシキソウに比べ小さいからだと思われる。コニシキソウは「普通に見られる」のだが、ニシキソウは沖縄の植物を紹介している文献の1冊にのみ載っており、沖縄では少ないものと思われる。
 茎の長さは10~30センチで、地面を這って分枝しながら広がる。茎を切ると白い液が出る。葉の中央に濃紫色の斑紋がある。畑や野原に普通に見られる。
 花の色は黄緑色~暗紅色で、開花期は6月から9月。
 学名は、Euphorbia supina Ratim

 記:島乃ガジ丸 2014.2.9 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行