ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

イチゴ

2018年08月31日 | 草木:野菜

 畑の後を継いでくれたGさんは、本業が忙しくて畑仕事は思う存分できていないということだが、この春からトウモロコシ、ピーマン、ゴーヤー、ヘチマ、ナスなどを少しずつ植えていて自家消費する分は収穫しているようである。私もその中からピーマンやゴーヤーをいくらか頂いている。忙しい中、仕事を終えてから畑通いしている成果だ。
 Gさんが植えたトウモロコシ、ピーマン、ゴーヤー、ヘチマ、ナスの5種は、私も過去に何度か植えているが、それらとは別にGさんはイチゴも植えた。イチゴ、私はそれを植えてみようなどとは全く頭に無かった。イチゴ、沖縄でも栽培しているところがあり、イチゴ狩りをやっている農家もあると聞いたことはある。ただ、それはハウス栽培によるもので、いろいろ面倒な管理作業をしなければならないとも聞いていた。そんな面倒を乗り越えてでも、というほど私はイチゴが好きというわけでも無い。
 
 「お前は明日の朝死ぬ。最後に何か食いたいものはないか?」
 「はい、あります。純米日本酒に生湯葉、シルイユの刺身、焼きナス、ニンジンかキュウリの糠漬け、島豆腐を使ったゴーヤーチャンプルー、それから・・・」
 「ストップ!もういい。1つだけにしよう、それも果物ということにしよう。」
 「果物ですか、それも1種だけ・・・」

 ということになっても、きっと私はイチゴを選ばない。イチゴは好きな果物の中に含まれるが1番では無い。好きな果物・・・ミカン、モモ、ナシ、バナナ、カキ、リンゴ、ブドウ、マンゴーなどいろいろ思い浮ぶが、やはり私は、
 「神様、果物は要らないです、その代わり酒をくだせぇ。」となるはず。
 
 イチゴ(苺):果菜
 バラ科の多年草 北米産の種と南米産の種との交配種 方言名:イチョビ
 イチゴは広辞苑に記載があり、「苺・莓」と漢字表記され、「バラ科の小低木または多年草で、黄・紅色の液果をつけるものの総称・・・一般にはオランダイチゴを指す」とのこと。『沖縄園芸百科』にも和名はイチゴ(オランダイチゴ)とあった。一般に思い浮かべるイチゴとはオランダイチゴのようである。『沖縄園芸百科』には「現在、世界各地で栽培され、利用されているイチゴは北米産の種と南米産の種との交配種」とあって、何でそれがオランダなのかについては同書に「現在の栽培種・・・江戸時代末期にオランダから導入し、・・・別名オランダイチゴと呼ばれて・・・」とあった。
 広辞苑に「小低木または多年草」とあったが、『沖縄園芸百科』に「多年草」とあり、オランダイチゴは草本のようなのでここでは多年草とし、ジャンルは野菜とした。
 イチゴは冷涼な地方の作物と私はイメージしていたが、多くの園芸品種があり、亜熱帯の沖縄でも育つものもあって沖縄で栽培されているのは3、4品種とのこと。
 概ねの品種は春に開花し、果実は春から夏に赤く熟す。ランナー(匍匐枝)をいくつも出して、それが延びてその先で根を出して繁殖する。花は白色、熟した果実は生食の他、菓子やジャムなどに利用される。

 記:島乃ガジ丸 2018.8.31 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行


薬草生活の経過その1

2018年08月29日 | 通信-科学・空想

 二十四節季によると季節は既に秋、8月7日が立秋だった。それを感じたのか、あれほど煩かったセミの声も15日には消えていた。夏の終わりを告げるジーワ(クロイワツクツク)は概ね秋分の前、白露の頃から鳴き始める。今年の白露は9月8日。それまではまだ暑さに耐えていかねばならない・・・例年なら。しかし今年は、例年なら糞暑い8月後半なのに、相次ぐ台風のお陰なのか幾分涼しい。そういえば今年の7月、8月は例年より涼しく感じた。それもおそらく、台風が続き雲が多かったお陰だと思う。
 例年より涼しい中、先週土曜日(25日)で旧盆行事を無事済ませた。頼まれ仕事(庭掃除やパソコンを使う作業など)がいくつかあって、これからしばらくはそれに集中できる。ただ、沖縄の夏が終わったわけではない。日中の日向はなお激しく暑い。

 私の腰痛は一進一退、6月7月は「退」で、8月になると「進」となり、まだ多少痛みはあるので治ったということではないが、今はだいぶ調子いい。「退」だった頃の6月は血圧も相変わらず高止まりのまま。そんな時に、ブログの相互読者であるコスモスさんから腰痛や高血圧についてのアドバイスがあった。腰痛に効く運動やサプリメントを教えて頂き、高血圧に効く薬草をいくつか教えて貰った。運動については、友人達に教えて貰ったのをやっているので、コスモスさんの助言は遠慮させて貰っている。さらに、
 私は普段食べるものは自然でありたいと思って化学薬品を飲まないようにしている。そのついでにサプリメントの類もほとんど飲んでいない。5月下旬頃、アメリカ在の姉からアメリカ土産の腰痛に効くというサプリメントを貰ったが、ずっと飲んでいない。ということで、コスモスさんに教えて貰ったサプリメントも飲んでいない。
 サプリの代わりに、コスモスさんの助言からヒントを得て「薬草で腰痛を何とか治してみよう」と思い立ち、図書館からその方面の本を借りて勉強し、7月から薬草を摂るようにした。腰については運動、体操、休養、薬草などで、高血圧についても同じく運動と薬草で何とかしてみよう。しばらくは、それでやっていこうと決めた。
     

 薬草と言われるものを7月中旬から摂るようにしているが、その内容は、市販のグヮバ茶やウコン茶などのいずれかをほぼ毎日飲んでいる。晩飯のおかずや晩酌の肴にニガナ、ハンダマ、ヨモギ、ツルムラサキ、シソなどのいずれかを2日に1度くらいは摂取している。そうやって約40日が過ぎた今(8月末)、私の体調はどうかというと、
 ここ数ヶ月ほとんど毎日のように血圧を計っているが、なかなか正常にならない、どころか、時に170を超えることもあった。ただ、8月に入ってからは少しずつ下がっていき、そして、70前後だった脈拍数が私の正常値の60前後に戻った。これは良い兆しだと思う。頻尿のせいもあって夜中に2~3度起きていたのが、夜中に1回だけとか、頻尿小便で起きることのない5~6時間の連続睡眠が8月に入って増えてきた。
 そういったことが薬草のお陰か運動のお陰か判断できないが、薬草の中のどれがいいのかも判断できないが、もうしばらくは運動と薬草を続けて行く気にはなった。
 どの薬草が何に効いているかは、これから徐々に検証していく予定。これまであれこれランダムに摂っていたのを1週間に1種を数回摂るということを続け、5~6種類を5~6週間かけて調べてみる予定。我が身1つの人体実験、どうなるやら。
     

 記:2018.8.29 島乃ガジ丸


ガラスマガイ

2018年08月27日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

 腰痛を患って以降高めで推移している血圧は今も高めのままだが、脈拍数は、腰痛となってから長く70前後だったのに私の普通である60前後(たまに60半ば)に戻っている。6月から7月にかけて酷かった腰痛が8月に入ってから幾分改善している。7月までの数ヶ月、しばしば足の土踏まずを襲っていたガラスマガイが、ここしばらく無い。長い間、頻尿のせいもあって夜中に2~3度起きていたのが、夜中に1回だけとか、頻尿小便で起きることなく5~6時間の連続睡眠というのが8月に入って増えている。
 7月中旬頃から薬草を摂取するようにし、ほぼ毎日運動(軽い筋トレとストレッチ)をし、「腰痛がさらに酷くなる」といったマイナス思考を止め、といったことが良い効果を与えているのかもしれない。良く眠れるから他のことも良くなっているとも言える。

 で、本題のガラスマガイ。「何それ?」と思われるだろう。硝子真貝、真貝はいかにも貝という貝、その仲間でガラスのように透明な貝のこと・・・なんてことでは無い。
 ガラスマガイ、沖縄語辞典によると正確な発音はガラシマガイとなっているが、私も私の周りもガラスマガイと発音していた。意味は「手足の指などの筋肉がひきつって痛むこと」で、子供の頃、筋肉がひきつって痛むことはよくあったのでガラスマガイはよく口にする言葉であった。同じような状態になった時、「ケイレン(痙攣)している」とも言った。ケイレンは和語を流用したもので、ガラスマガイが由緒正しい沖縄語となる。
 ガラスマガイ、マガイは「曲がり」で「湾曲(したもの)」(沖縄語辞典)という意。ガラスは正確な発音ではガラシといいカラスのこと。「カラスのような湾曲」となるが、「カラスのような湾曲」がどんな湾曲なのかか私にはよく分からない。
 ちなみに、和語にもカラスナメリという語があり「こむらがえり」のことを言う。こむらがえりは「腓返り」と書き「腓の筋肉がにわかに痙攣を起こすこと」(広辞苑)で、腓(こむら)は「ふくらはぎ」(〃)のこと。ちなみに、沖縄語辞典によると、「腓返り」のことを沖縄語ではクンダアガヤーと言い、「こむらがえり。ふくらはぎの筋が急に痙攣して激痛を覚えること」とある。クンダとは沖縄語でふくらはぎのこと。
     

 若い頃のガラスマガイは筋肉の使い過ぎ、つまり、筋肉疲労から来るらしいが、オッサンのガラスマガイは筋肉の劣化、あるいはミネラル不足から来るらしい。私の場合ミネラルは薬草摂取で足りていると思う。腰痛不安から畑仕事を辞め、散歩もしばらくやっていなかったので運動不足ではある。涼しくなったらたくさん散歩しよう。
     

 記:2018.8.27 ガジ丸 →沖縄の生活目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


インドナツメ

2018年08月24日 | 草木:果樹

 知人のKさんから「親から相続した土地がヤンバル(沖縄島北部の通称)にあって、何か植えたいのだが何がいい?」と訊かれ、果樹を調べることになった。手持ちの文献にも果樹はいくつも載っているが、詳しく調べようと宜野湾市民図書館で『熱帯の果実』という書籍を見つけ、早速借りた。家に帰って同書をパラパラ捲っていたらインドナツメという果樹が目にとまる。「これに似たようなのがあったな、確か、タイワンナツメという名前だったな」と思い出し、パソコンを開きタイワンナツメの写真を見る。似ている。で、ネットで調べる。タイワンナツメはインドナツメの別名とあった。

 写真の日付を見ると、2008年4月27日となっている。2008年4月というと母の死んだ翌年で、母が死んでから約半年後のこと。その頃、私は首里石嶺のボロアパートに住んでいて、週末は、雨でなければ散歩ばかりしていた。その日も午後、家から徒歩30分ほどの末吉公園へ散歩へ出掛けている。しかし、その写真を撮ったのは末吉公園ではなく、徒歩2分もかからないすぐ近くの小学校、その校庭。公園の散歩から帰った後、石嶺図書館へ行くため小学校の裏門から正門へ抜ける途中で撮っている。
 小学校の校庭の樹木には名札があって、タイワンナツメと名前は判明していたのだが、私が参考にしているどの文献にもタイワンナツメは記載がなく、名前は判っていても正体が不明のままで、長く紹介できずにいた。が、今回やっと『熱帯の果実』のお陰で正体が判明する。果樹であり、生食もでき、3月~4月に熟するということも知った。
 今回紹介している果実の写真は2010年2月28日のもの、もう1~2週間もすれば黄色く熟したかもしれない。が、熟したら黄色くなるということを知らなかったし、食えるということも知らなかったので、熟した写真も撮れず、味見もしていない。
 せっかく3月~4月に熟する、果実は生食できるということを知ったので、来年の3月にはその小学校を訪ねてみようと思う。でもたぶん、忘れているだろうなぁ。

 
 インドナツメ(印度棗):果樹・庭園
 クロウメモドキ科の常緑中木 インド原産 方言名:なし
 名前の由来、ナツメについては『熱帯の果実』に「ナツメの名は晩春に芽をのばすため「夏芽」の意味であるという」とあった。ナツメは広辞苑にあり、棗と漢字表記され「クロウメモドキ科の落葉小高木。原産は中国とされる・・・」とのこと。本種はナツメと同科同属で、インド原産なのでインドとつく。小学校の校庭にあった本種の名札にはタイワンナツメと書かれていたが、タイワンナツメは本種の別名とのこと。
 高さは10mまでなるらしいが、私が見たものは十分成熟しているであろうと思われるものであったが5mほどに留まっていた。枝を多く出し横に広がる。
 果実はリンゴを小さくしたような形、長楕円形の品種もあるとのこと。3月から4月に黄色に熟す。熟した果実は水分の少ないリンゴのような食感とのこと。熟果は生食よりもピクルスやシャーベット、乾燥果実などに加工されるとのこと。
 ちなみに学名は、
 ナツメ Ziziphus jujuba
 インドナツメ Ziziphus mauritiana
 
 果実1:果実は3~4月に黄色に熟する。私の写真は3枚とも2月末のもの。
 
 果実2:写真の中の果実には黄色っぽくなったのも見られる。

 記:島乃ガジ丸 2018.8.19 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行