ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

結婚しないと罰金

2015年03月27日 | 通信-社会・生活

 現在の私の住処であるアパートの近くにちょっと大きめの保育園がある。畑への出勤途中にそこを通る。私が寝坊して出勤時間が7時を大きく過ぎた時には、その保育園へ子供を預けるお母さんたちの車が保育園の駐車場に出入りするのと出くわす。
 子供の手を引いたお母さんたち、その多くが可愛い・・・と私は思う。園児のお母さんたち、若い頃の私から見るとオバサンでしかなかった彼女たちが、今は可愛く見える。何故か?と考えるまでも無く、それは、私が年取ったからだ。彼女たちの多くは、世代で言えば、私の娘(私が適齢期に結婚して娘がいたならの話)の年齢なのだ。
 「あー、あんな可愛い嫁さんがいて、可愛い子供がいるなんて生活もいいなぁ」と、ほんの少しだが、思わないでも無い。可愛い嫁さんが可愛いのも、可愛い子供が可愛いのも人生の中で言えばほんの一瞬のこと。あるいは、可愛い嫁さんをずっと可愛いと思う、可愛い子供がずっと可愛いと思う場合も稀にあるかもしれないが、それはたぶん、宝くじで一等を当てるほどの確立か、それより少し多いくらいの確立だと想像する。

 かように、冷めた心の持ち主である私は「結婚は幸せを阻害する危険要因」と信じ続けてきた。私はそうだが、しかし、世の男性の多くは「結婚は幸せ」と思っているのではないかとも信じていた。「多く」はたぶん、8~9割方に及ぶのではないか、そうだとすると結婚しない男は1~2割となる。ならば、大勢に影響はない、はず。
 ところが、昨今問題となっている少子化だ。結婚しない男は私の想像よりもずっと多いみたいだ。何故か?・・・それはたぶん、私のように自由を愛する男は「結婚して女房にあれこれ指図されるのは嫌だ」と思い、私のように貧乏な男は「結婚したら生活が大変かも」と思い、よって「結婚は幸せでは無い」と判断する者が増えたからだと考える。
          

 少子化、「1億2千万人が生きていける国土で1億人が生きるのであれば、国土に余裕ができる」という考えから、私はさほど困った問題だとは思っていないが、「働く人間を増やし、あくせく働かせて金を儲けなきゃ」と思っているらしい政府のために、少子化対策なるものを私なりに考えてみた。先ずは手っ取り早く「結婚しないと罰金」制度。
 恋愛関係(肉体関係もある)の男女に置いては、女性が結婚を求めた場合、男性はそれを断ることができない、断ったら罰金という制度。科料は二人の関係の深さと男性の収入によって数十万から数百万とする。「それは勿体無い」と、結婚する男が増える。
 「貧乏だから結婚できない」男性に対しては、もちろん、格差社会の是正が根本的な解決策だと思うが、政府はイケイケドンドン政策なので、格差はさらに広がりそう。でも、貧乏男にとって数十万円の罰金はきついので彼らも渋々結婚に踏み切るであろう。
 たとえ、「罰金を払ってでも結婚はしたくない」男が多くいたとしても、その罰金によって国の財政が増える。その金で子育て支援をすれば、若い夫婦が「それならもう一人」となって子供が増える。結婚は減ったとしても子供は増えるという寸法だ。

 子供一人、大卒まで育てるのに一千万円程かかると聞いた。現在でも「そんな金稼げ無ぇよ、無理」と思う人は多かろう。この先、格差社会が進めばそんな人がもっと増える。すると、少子化はさらに進む。で、少子化対策をもう一案考えた。それは次回。
          

 記:2015.3.13 島乃ガジ丸


エダマメ

2015年03月27日 | 飲食:食べ物(材料)

 何といってもビールのあて

 アパートの畑には今、常備のネギ、ニラの他、シマラッキョウ、キャベツ、ナス、ミニトマト、タマネギなどが植えられていて、ネギはいつでも、キャベツやミニトマトはもうすぐ、タマネギやシマラッキョウは3月の収穫を待っている。
 アパートの畑は今、私が管理している3坪の内、1坪は何も植えていない。何も植えていないが植物は大いに育っている。オニタビラコ、ヤエムグラなどだ。それらの雑草を取り除いて、堆肥を混ぜて、耕して、今月中には植付を終えたい野菜がある。ビールのつまみに最適のエダマメ。であるが、時間的にちょっと無理かもしれない。
 
 宜野湾の畑には今、主作物のカンショ(甘藷:サツマイモのこと)の他、レタス、ブロッコリー、サニーレタス、インゲンマメ、ウズラマメなどが植えられていて、カンショはいつでも、レタスやブロッコリーはもうすぐ、インゲンマメとウズラマメは・・・植えてまだ一ヶ月にもならないので、収穫がいつになるか不明。
 宜野湾の畑は今、3坪ほどを新たに開墾し、その作業の途中である。1日3時間ほどの作業で、あと4日あれば堆肥を混ぜ、耕して、種を植えることができる。アパートの畑を耕してエダマメを植えるより、こっちの畑にエダマメを植えるのを優先している。
 
 エダマメ(枝豆):豆類
 マメ科の一年生草本 原産地はアジア 方言名:無し
 ダイズが硬くなる前の未熟なものをエダマメという。2月から3月に苗の植付けをし、3ヵ月後に収穫する。放っておくと莢が黄色くなり、豆が硬くなって、ダイズとなるが、うっかりダイズにしてしまっても、大豆として食せる。
 沖縄でのダイズ栽培は18世紀初めからあったらしい。エダマメ栽培も古くからあったと想像される。昭和初期から復帰後までエダマメは県外出荷もしていたとある。現在では栽培農家は少ない。沖縄のスーパーに並ぶエダマメのほとんどは他県からのもの。
 私の畑に、少なくとも60粒以上は植えたエダマメの種は、たった2株だけが育った。厳しい生存競争を勝ち残って成育し、実をつけたたった2株のエダマメであったが、その内の1株は収穫が遅れてダイズとなってしまっている。

 記:2011.2.19 ガジ丸 →沖縄の飲食目次


少子化の原因

2015年03月20日 | 通信-社会・生活

 1月に千葉の弟が里帰りした時、彼を連れて従妹Tの家を訪ねた。その日は土曜日だったこともあって、夫のH、大学生の娘Hも在宅で、夫Hの淹れた美味しい(彼は専門学校でコーヒーの講師も務めるほどのプロ)コーヒーを飲みながらゆったりとした楽しい時間を過ごした。「ゆったり」の理由はそこに息子が不在だったからでもある。
 息子Rは7歳、4月から小学校2年生になる。その学年では、背は高い方で、体重も重い方らしいが、ぶよぶよでは無く筋肉質。彼は子供のくせに力が強い。その力のコントロールがまだ上手く出来なくて、同級生を泣かせることもままあるらしく、「何度も学校に呼び出されているよ」とTは苦笑いする。私もRの暴れん坊ぶりはよく知っている。
 「Rは今、学童に行っている、すぐそこだから呼んで来るね」とTが言うのに、
 「いやいや、呼びに行かなくていい。20年前ならRの相手も平気だったが、今は相手すると大変疲れる。今日はこれからS(弟)とあちこち行くから疲れたくない」と私は彼女を制し、「3月にジャガイモが採れるから、その時Rを畑に連れて来たらいい。畑なら思いっきり走り回れるし、Rも楽しめるだろう」と提案した。

 先週土曜日(3月14日)午前10時頃、従妹Tが娘Hと息子Rを伴って畑に来た。私はちょうど休憩時間、近所の先輩農夫Nさんと畑小屋前のテント下でコーヒーを飲みながらユンタク(おしゃべり)していたところ。車を停めた道路から畑小屋まで約30メートルほどある。暴れん坊Rはそこを満面笑みで、手を振りながら駆けてきた。
 「おはよう」と挨拶を交わし、
 「R、土の盛り上がったところは野菜を植えてあるから入ってはダメ、そこ以外のところならいくらでも走り回っていいからな」と注意する。
 「うん、知っているよ、去年も聞いたよ」との答え、そう、去年も彼は来ている。
 「よし、先ずはジャガイモを掘るか」とそれから30分ばかりの収穫作業となった。
 ジャガイモを4株(15~16個)、タマネギ1個、フェンネル1個、レタス1個を収穫し、小屋前のテント下で休憩。4人でお茶を飲みながらユンタク(おしゃべり)していると、Tの車の後ろにもう1台車が停まった。友人のMであった。
 Mは女房のYと末娘(名前失念)を伴っていた。末娘は暴れん坊Rと同じ7歳、4月から小学校2年生になる。背も横幅もRとほぼ同じ、ただ、筋肉質では無い。また、暴れん坊では全然無い。女の子らしい女の子。すぐに私を花遊びに誘った。
 女の子の相手をするのは楽なので私は好きである。花遊び(ムラサキカタバミの茎葉を使った遊び)をし、野菜採りたいと希望する彼女に付き合ってタマネギやフェンネルを収獲した。収穫後は小屋前のテント下に座って4人でユンタク(おしゃべり)、彼らも1時間ほど滞在した。子供とユンタクするのは私は嫌いでは無い。暴れん坊Rともユンタクしている間は楽。従妹T家族と、友人M家族と楽しい2時間を過ごさせて貰った。
          

 私は優しい(自分で言う)ので子供には好かれる方である。他所の子供ならたまにの相手なので良い時間を過ごせる。しかし、自分の子供だと相手が毎日だ、その面倒さに私はきっと耐えられないと思う。そうか、もしかしたら、私みたいな「子供は面倒、要らねぇよ」男が増えていて、それで、昨今の少子化なのかもしれない。
          

 記:2015.3.20 島乃ガジ丸


自然の味の野菜

2015年03月13日 | 通信-環境・自然

 去年、子持ち孫持ちの美人と結婚した友人I氏、あっという間に娘1人、息子1人の親となり、孫1人の爺様となった。その娘家族が沖縄へ転勤となり、その引っ越し作業が先週土曜日にあった。I氏夫婦も引っ越し作業を手伝うために東京からやってきた。夫婦を空港まで迎え、途中で昼飯を食い、娘夫婦の新居へ向かう。
 I氏夫婦を娘家族の家に連れて行き、若夫婦、老夫婦に加え、私もついでに1時間余引っ越し作業を手伝う。作業がまだ山とありそうな4人を見捨て、私は一旦帰ったが、その日の夜、I氏も何度か通ってよく知っている、私の友人がやっている店で食事会。I氏、婿、私の3人はビールを飲み、ワインを飲み、楽しい食事会となった。
 その日は昼食も夕食も外での食事となったが、外食、外飲みは久々、1月に弟が帰郷して飲みに行って以来のこと。というか、去年1年間で外飲みしたのは数回しかないので最近の私としては久々では無く普通。外飲みしないのはもちろん、貧乏だから。

 「私の友人がやっている店」というのは宜野湾市大山にある「めぇみち」。I氏一行と食事会というのはI氏から「場所はめぇみちで」と提案があり、3週間も前から決まっていた。で、私は、I氏一行に私の野菜を食べさせたいと思い、食事会の3日前にフェンネルとジャガイモを持って行き、食事会で出してくれるよう頼んでおいた。
 フェンネルは、去年「めぇみち」の主人に「作れないか?」と頼まれ、少量を初めて栽培し、それを「めぇみち」に持って行き、後日、料理されたものを初めて食った。「旨いぜ」と私の舌は感じ、で、今年はたくさん(40株ほど)栽培している。その中から成長の早いものを既に10株ほど収穫し、その多くを「めぇみち」に収めている。
 初めて食べて「旨い!」と感じたのだが、私はフェンネルを食い慣れていないし、私が栽培した以外のフェンネルを食ったことも無い。というわけで、「これはあなたが栽培したフェンネルよ」と言われないと、それがスーパーで売られているものか私のものか、つまり、普通の栽培か自然栽培のものかを判別できない。
 しかし、ジャガイモは食い慣れている。食い慣れていて、それが普通の栽培か自然栽培のものかを確信を持って判別できる。自慢するが、まぁまぁの舌なのである。
          

 そして当日、料理の中にフェンネルとジャガイモが他の材料と共にあった。「これがフェンネルですか」と食べたI氏が「美味いですね」と言う。「このジャガイモもガジ丸君が作ったものですか」と食べたI氏が「美味いですね」と言う。それを聞いた後、私もフェンネルを食う。今まで食べたお馴染みのフェンネル、確かに旨い。そしてジャガイモを食う。そして、「いや、これは私のジャガイモじゃない」とI氏に答えた。
 自画自賛するが、私の畑のジャガイモは旨い。食感が先ず違う、私のはもちもちしている。白米ともち米の違いみたいなもの。もち米より白米がずっと好きという人も多かろうが、私のジャガイモは味もしっかりしている。余人はどうか知らないが少なくとも私は旨いと思う。なので、食べてすぐにそれが私の物であると判った。
 自然栽培の野菜は他の物も旨い。ジャガイモは蒸しただけの物を食べて、ニンジン、タマネギなどは生で食べて普通の栽培の物との違いが判ると思う。・・・自画自賛はこの位にしておこう。私が外飲みしない理由がもう一つある、私の野菜たちが旨いから。
          

 記:2015.3.13 島乃ガジ丸


果実酒

2015年03月09日 | 飲食:飲物・嗜好品

 酒造りの野望

 私が借りている300坪の畑なっぴばるに、前に使っていた友人Kが植えたアセロラが1本あった。10月11日~12日に襲った台風19号のせいで、根ごと倒された後、枝をばっさり剪定して根っこを土に挿してあったが、どうもダメみたいである。
 そのアセロラ、この夏200個ばかりの実が採れた。アセロラの生果実は傷みが早いので販売には不向きである。確か、沖縄のアセロラ産地でもその多くはジュースなどに加工されている。200個ばかりの実、よって、販売は諦める。
 200個の実を販売せず、自家消費する。果物として生食しても良いのだが、痛まない内、2~3日で一人で食えるか?と考えると、困難であると判断。では、どうする?と考えて、すぐに良い考えが閃いた。「そうだ、酒にしよう」と。

 果実酒とは何か?広辞苑を引くと、
 1、果汁を発酵させて製造したアルコール飲料。ブドウ酒・リンゴ酒など。
 2、焼酎・ブランデーなどの蒸留酒に果実を漬けて造ったリキュール。ウメ酒・イチゴ酒など。果実混和酒。
とある。私が造ろうとしているのは「1」の方。いわゆる醸造酒となる。醸造酒とは「穀類・芋類・果実などを原料として発酵させて造った酒。清酒・葡萄酒・ビール・紹興酒など。」(広辞苑)のこと。アセロラを発酵させて酒にするわけだ。できるか?

 去年12月に私は日本酒を造った。造る際に参考にした本がある。『ドブロクをつくろう』だ。その中には日本酒だけでなく、雑穀酒、蒸留酒、ブドウ酒、その他の果実酒の造り方も紹介されている。ブドウ酒の頁にこうある。
 「ブドウ酒は自然にできる・・・ブドウの場合は糖分が高いので、コウジ菌を使う必要がなく、果皮には天然の酵母菌がついているので、つぶして容器に入れておくだけでアルコール発酵するのである」
 ブドウの「果皮には天然の酵母菌がついているので」ブドウ酒は自然にできる。アセロラの果皮にも天然の酵母菌がついているか?そもそも酵母菌とはなんぞや?広辞苑に酵母があって、「(前略)・・・アルコール発酵を営む・・・酒の醸造やパン製造に欠かせない。イースト。」のこと。イーストだ、アセロラの果皮にも天然の酵母菌がついていなければイースト菌を加えればいいのだ。でも、先ずは天然の酵母菌を期待する。

 梅酒を造るような広口瓶にアセロラを入れ、「ブドウの場合は糖分が高いので」にも留意し、アセロラはさほど糖分が高いとは思えないので糖分(キビ糖)を加える。数日後には発酵を始めた。アセロラの果皮にも天然の酵母菌がついていたようだ。その数日後には発酵の泡が落ち着いたので、布越ししてペットボトルに移し替えた。約100個(半分はジュースにして飲んだ)のアセロラは200ミリペットボトルの8割方を満たした。
 「生果実は発酵するぞ」と解り、アセロラより少し遅れて、畑のストロベリーグヮバの実も酒造りに使った。造り方はアセロラと同様。じつは、アセロラより半年以上も前に黒糖を私は発酵させている。発酵させているというか、実家にあった封の開けられていない黒糖が、見るとカビが生えていて、匂いを嗅ぐとアルコール臭がしたので、瓶に移して水を加えていたら、発酵していたのだ。これは今でも発酵を続けている。

 宜野湾の小さな畑にシークヮーサーがあり、9月に多くの果実を収穫した。そのほとんどはジュースにしたが、30個ばかり残して、これも酒造りに使った。
 台風19号で倒されたバナナ1房、放っておいたら熟してきたので食べた。全部は食えなかったので残りは皮を剥いてタッパーに入れ、冷蔵庫に仕舞った。仕舞って忘れた。気付いた時はカビが生えていた。これもまたキビ糖と水を加え、酒造りに使う。
 なっぴばるにナンクルミー(自生:鳥が実を食べて糞をし、その中の種が芽生えた)しているクワ、11月、その実が熟していたので、収穫し、これも酒造りに使う。

 以上の結果、アルコールになった果実はアセロラ、グヮバ、シークヮーサー、バナナの4種。いずれもアルコール度数はそう高くないみたいで、「酒だぜ!」と満面笑みとまではいかなかった。味は、グヮバは香りが良く美味しい、アセロラはまあまあ、シークヮーサーは酸味が強過ぎて酒という感じがあいない。バナナも予想外に酸味が強い、もしかしたら、発酵が進み過ぎてアルコールの先の酢になってしまったのかもしれない。
 クワの実は広口瓶の中で潰して、キビ糖を加え常温に置いた。仕込んでから10日ほど経っているが未だ発酵していない。これは失敗かもしれない。
      
      
      
      
 記:2014.11.19 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 
 『ドブロクをつくろう』前田俊彦編、社団法人農山漁村文化協会発行