「キング&クイーン」柳広司 講談社 2010年
あの「ジョーカー・ゲーム」と「ダブル・ジョーカー」の作者による新作。
元SPの安奈は六本木のバーで働いている。するとアメリカの世界チェスチャンピオンを護衛してくれという奇妙な依頼が。なぜ護衛の必要があるのか、どう護衛するのか、護衛する現在とSPを辞めた過去を交互に描く。
うむ。なぜ護衛の必要があるのかという謎解きと、護衛のプロセス、そして安奈の人物描写が読ませる。いい意味でも悪い意味でも問題なのがラスト。いわゆる「犯人」は誰なのかそしてその動機が明らかになる。そこに大きな意外性がある。確かにビックリする。あまりに仕掛けが大きいのにも驚く。しかしなー・・・
そういう犯人がいるということにちょっと現実感がないというか、そもそも小説に現実感を求めてはいけないんだけど、それまで現実的な物語だったから変な期待をしてしまった。
でも、安奈のキャラは立ちまくっているし新本格みたいなミステリだと考えるとなかなか面白い小説である。全然悪くはないんですわ。そしてネタバレは決してしてはいけない、誰にも言ってはいけない小説でもある。
犯人=Xである、その動機は=Yであると分かってからの描写が短いがそこに書き足した展開をおかわりしたくなるな(誰も私の好みをきいてないか)と思った。
キング&クイーンというタイトルから即ディスコを連想した人は私以外におられるであろうか?貴方も私も昭和の人なんですなあ。では、また。
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