頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『声』アーナルデュル・インドリダソン

2015-09-05 | books
アイスランドミステリー、「湿地」「緑衣の女」に続く第三作。

ホテルのドアマンが殺害された。ホテルの地下に住み、ドアマン以外の様々な雑用をこなしていた男が。サンタクロースの恰好をし、股間にはコンドームを着用した状態で。調べてみると、被害者は昔はボーイソプラノの歌手で、レコードを2枚発表していたことが分かる。今ではそのレコードにはかなりの付加価値がついているらしい。スターだった少年がどうして落ちぶれることになったのか…

やっぱり面白い。なんら期待を裏切らない。

アイスランドという国はいかに危険なのかなどと思ってしまうが、訳者あとがきによるとアイスランドはとても安全な国だそうだ。

「世界の殺人発生率ランキング」によると、人口10万人当たりの発生率1位はホンジュラスの90.40件。2位がベネズエラで53.70件、上位には南米、アフリカ、アジアの国々が続く。西欧諸国ではアメリカ合衆国が109位で4.70件。215位は同率で日本とアイスランドが0.30件。216位がシンガポールで0.20件、リヒテンシュタインとモナコが0.00件。世界で三番に安全な国が日本とアイスランドだということだ。へー。

小説の方は被害者の栄光と挫折だけでもすごく読ませる。それ以外にも主人公の刑事エーレンデュルの家族関係もクロスオーバーする。テーマは「栄光と挫折」+「家族」だと言ってよいと思う。

声

今日の一曲

声。AIで"VOICE"



では、また。
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