頭の中は魑魅魍魎

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『ザ・サン 罪の息子』ジョー・ネスボ

2016-09-23 | books
ノルウェー、オスロ。アープ・ロフトフースは警察官だった。警察の内部情報を犯罪者に売る内通者だとした遺書を残して自殺。アープの息子のサニーは、薬物に溺れ、自分ではやってない殺人を自分がやったとして刑務所に12年いた。そしてサニーが脱獄する。父に汚名を着せた人間たちに復讐するために。オスロ警察の刑事シモン・ケーファスはアープのことをよく知っていた。サニーに対してシンパシーを感じつつ、脱獄したサニーを追う。オスロの裏社会を牛耳るザ・トウィンVSサニー。復讐は成功するのか…

うーむ。北欧ミステリーはどうしてこんなに質が高いのだろうか。基本的に復讐譚は好みなのだけれど、サニーの造形がなかなかに堪らない。大胆で怖いもの知らずなのに、優しい。

膨大な数の登場人物が出て来るけれど、対決の構図がシンプルなのでそんなに迷子にならなくて済んだ。

どうやって脱獄するのか、誰にどうやって復讐するのか、刑事はどうやって追いかけるのか、ザ・トウィンはどうやって悪に手を染めているのか、すべてが面白い。

そうそう。作者のジョー・ネスボは「ザ・バット 神話の殺人」「コマドリの賭け」「ネメシス 復讐の女神」「スノーマン」は、ハリー・ホーレシリーズなのだけれど、本作は別の単独作品だった。

ザ・サン 上 罪の息子 (集英社文庫)ザ・サン 下 罪の息子 (集英社文庫)

今日の一曲

Parov Stelarで"The Sun"



The Sonじゃないのかとツッコまないで。では、また。
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