頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『死にたくなったら電話して』李龍徳

2015-04-10 | books
大学をめざす三浪の徳山。バイト先の仲間に誘われてキャバクラに行った。すると、一人のキャバ嬢が徳山の顔を見て、爆笑する。他の子と較べてもかなりの美人。しかも徳山のことが気に入ったらしい。 → (小説ではお決まりのルーティン)恋愛が始まる。しかししかし、一筋縄ではいかないこの小説。かなりエキセントリックな彼女とのエキセントリックな恋の行方は…

おおっと。これはなんともすさまじく面白い。

彼女がどうエキセントリックなのかが読みどころの一つ。部屋の本棚には「殺人」とか「虐殺」の本がたくさん並んでおり、彼女の脳内にはそれらが住んでいる。彼女のそれらに関する話を聞きながら、徳山は興奮し、語りながら初美も興奮し、セックスをする。通常の読者はこんなのを読むとひいていくのかも知れないけれど、このブログの読者はほとんどがヘンタイだから、たぶん前のめりになって読み耽ってしまうのではなかろうか。

言わば、初美と一緒に堕ちていく感じ。堕落と破滅と死への旅。

読んでいて翻弄しまくられた。翻弄されたい方は読むべし。

死にたくなったら電話して

今日の一曲

昨年末のグラミー賞で4部門受賞した、Sam Smithで"Lay Me Down"



では、また。
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2 コメント

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Unknown (パール)
2015-04-13 13:19:47
自分のことを、
少しは心やさしい普通の人だけど、
だけどちょっと変わっているのよ(特別なのよ)という雰囲気を醸し出したい・・・
そんな中二病の部分がある普通の人間だと思っていました(笑)。

>このブログの読者はほとんどがヘンタイだから

とのご指摘ですが、
自分がヘンタイだという自覚は、ありませんでした。
自分をヘンタイだと思っている人はどれくらいいるのか、
それともヘンタイというのは、アピールできる特別な部分なのか・・・と思いました。

「死にたくなったら電話して」→助けてあげる ではなく、

→手伝ってあげる もしくは、
→一緒に行きましょう という作品なのでしょうか。
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こんにちは (ふる)
2015-04-15 13:47:09
>パールさん、

書いている本人がヘンタイですから、わざわざヘンタイの書いたものを読もうと思って下さる方は、ヘンタイで間違いないかと。

>→手伝ってあげる もしくは、
>→一緒に行きましょう という作品なのでしょうか。

タイトルが何を指しているのか、様々な解釈が可能な作品だと思います。(何を指しているのか、よく分からなかったのですが...)
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