「二十五年後の読書」の登場人物が作内で書いたのが本作。と言っても完全に独立した作品だった。
高橋光洋は老いた作家。フィリピン人のメイドと暮らしている。彼の暮らしと、そして過去を遡る。終戦直後に生まれ、貧しい暮らしを経て、製鉄所勤務、海外放浪、そして作家になる。高橋の一生を巡る連作短編集。
そんなに面白くない章とかなり面白い章が混在している。
少年時代や製鉄所時代とか編集者との恋愛の話が面白かった。
飲み屋のホステスのような女性について、
運の悪い人、、、
編集者については、
この女性矢頭早苗がなかなかのいい女であって、その辺も良かった。(読者に、いい男だなーとかいい女だなーと思わせるのも作家の腕なのだろう)
今日の一曲
Roxy Musicで、"Love Is The Drug"
では、また。
高橋光洋は老いた作家。フィリピン人のメイドと暮らしている。彼の暮らしと、そして過去を遡る。終戦直後に生まれ、貧しい暮らしを経て、製鉄所勤務、海外放浪、そして作家になる。高橋の一生を巡る連作短編集。
そんなに面白くない章とかなり面白い章が混在している。
少年時代や製鉄所時代とか編集者との恋愛の話が面白かった。
飲み屋のホステスのような女性について、
台所の水切りの食器にも雑巾の畳み方にも女の暮らしぶりが見えて、光洋はきれい好きで向上心のある、運の悪い人を眺める心地がした。
運の悪い人、、、
編集者については、
並外れて忙しいくせにちゃっかりしたところもあって、憎めない。外食ばかりかと思っていたら炊事の要領はいいし、お喋りから経済観念もまともだと分かった。立派な蟹を水から茹でるとき、彼女はこっそり手を合わせた。そんなところも光洋には意外だった。
この女性矢頭早苗がなかなかのいい女であって、その辺も良かった。(読者に、いい男だなーとかいい女だなーと思わせるのも作家の腕なのだろう)
この地上において私たちを満足させるもの | |
乙川優三郎 | |
新潮社 |
今日の一曲
Roxy Musicで、"Love Is The Drug"
では、また。
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