飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ルシコフ前モスクワ市長、メドベージェフ露大統領に意趣返し!

2010年10月08日 10時24分59秒 | Weblog
 メドベージェフ露大統領に解任されたルシコフ前モスクワ市長(74)は米CNNテレビに出演し、大統領が約束を実行していないと非難した。さらに、エリツィン大統領時代と比べて民主主義の度合いが低下しているとも述べ、大統領を手厳しくやっつけた。

 黒のポロシャツ姿で登場したルシコフ氏は、メドベージェフ大統領とプーチン首相との双頭体制について「プーチン首相は古い仲間で、大統領の任期を延長してもっと続けることも出来たが、憲法を順守してメドベージェフ候補を指名した」と述べ、首相を持ち上げた。

 一方、メドベージェフ大統領に対しては「(市長解任は)広範な社会に受け入れられない、不当な決定だ」「テロ攻撃、(穀物の)不作、危機などの対応が不十分で、大統領として結果を出しているとはいえない」などと述べ、「ルシコフ氏への信頼を失った」として解任した大統領に意趣返しをした。

 さらに、前市長は地方自治体の首長を公選制から大統領の任命制に変更したのは間違いだったと述べ、公選制に戻すよう主張した。そのうえで、「エリツィン時代と比べて、完全に違う国になった。今はエリツィン時代より民主主義の度合いも低下した」と指摘し、リベラル派とされるメドベージェフ大統領を批判した。

 インタビューでルシコフ氏は「大統領に解任された被害者」の立場を演じていたが、前市長と建設会社を経営する妻エレーナさん(47)に絡む大掛かりな汚職が浮かんでいて、このまま放置していいのかという声が出ている。民主改革派のモスコー・タイムズ紙は8日付けの電子版で「泥棒たちは刑務所へ行け!」との見出しで大統領と首相に汚職捜査を要請している。

 だが、その記事の中で①これまで汚職を放置してきた説明を求められる②捜査を行うとプーチン首相自身や側近にまで及ぶ可能性が高い③プーチンが首長の任命制を敷いたため汚職が蔓延した、などの理由で汚職捜査に踏み切れないだろうとも指摘している。汚職撲滅をスローガンに掲げているメドベージェフ大統領は、この指摘をどう受け止めるのか。12年の次期大統領選を控え、まさに正念場に立たされている。

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