飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ロシアで国旗や国歌への関心が急速に高まっている!?

2015年08月20日 13時09分23秒 | Weblog
ロシアで国旗を持っている国民が、この10年間に3人に1人から2人に1人へと増えたうえ、国歌の歌詞をちゃんと知っている国民も10年前に比べ大幅に増えているー。こんな世論調査結果が20日のイズベスチア紙(電子版)に掲載された。これはやはりロシアで愛国心が高まっている証拠なのだろうか。
この調査は中立系世論調査機関レバダ・センターが、ロシア国内46カ所で800人を対象に行ったもの。同センターは8月22日の国旗の日を前に、国旗と国歌への関心度を探ろうと調査したという。
その結果によると、国旗を持っていると答えた人は47%で、このうち大きな国旗を持っている人が11%,小さな国旗を持っている人は36%だった。05年には国旗を持っている人が28%だったので、10年間で19ポイント増えたわけだ。
また、現在のロシア国歌の歌詞を知っているかどうかを聞いたところ、「知っている」と答えた人は43%、「知らない」は53%と10ポイントも多かった。10年前と比べると、知っていると答えた人が28%へと15ポイント増えている。
さらに、国歌の歌詞を知らないといけないと思っているかどうか聞いたところ、「その通りだ」と答えた人が81%に上った。年代別では18歳から24歳までの若者の64%が「知っている」と答えたのに対し、55歳以上の中高年の62%が「知らない」と答えている。
若者の方が歌詞を知っているのはソ連崩壊後、国歌が変更され、新しい国歌の下で育ったことが影響している。一方、中高年からすればソ連国歌の方に郷愁があるからだろう。
ロシア国旗への関心が高まっている理由について社会学者のカリーナ・ピピヤさんは「最近、ソチ冬季五輪や世界選手権があったり、ウクライナ紛争でクリミア半島のロシア編入があり、国旗を掲げる機会が増えたからだろう。その背景には現政権への信頼があるからに違いない」と分析する。
ロシアは多民族国家なので、日本などと違ってなかなかまとまりづらい面がある。それでも国旗の所有者がざっと国民の半分に増えたことは、愛国心が高まりつつあると言っていいだろう。また、プーチン政権への支持も何割か含まれていると言えるかもしれない。
だが、ソ連崩壊から四半世紀経とうとしているのに、まだ国家としての一体感が出てきたとまでは言えない。依然続いているウクライナ紛争も同じ民族同士の争いという面もある。われわれは隣国として、今後ともロシアの行く末を注視する必要がある。(この項おわり)



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