飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ロシアに、また大衆抗議行動の季節がやってきた!?

2010年02月01日 13時40分52秒 | Weblog
 先週末、厳寒のロシア各地で抗議デモや集会が行われ、いつになく多数の人々が参加した。スローガンは一様ではないが、プーチン首相の責任追及や退陣を求めるシュプレヒコールが目立ち、国民の不満が募っている兆候との見方が強い。

 デモや集会の中で最も多くの参加者が集まったのは、ポーランドに近いロシアの飛び地・カリーニングラードで行われた「自動車税引き上げ抗議デモ」。英字紙モスコー・タイムズによると、主催者発表では1万2千人、警察発表でも7千人が参加した。主催した野党組織「連帯」では、01年に行われた民放テレビ「NTV」の国営企業傘下入りに抗議するデモ以来の大規模な反政府デモだと言っている。

 デモの参加者たちは「プーチン首相にすべての責任がある」などと書いたプラカードを持ち、「プーチンは辞任せよ」というシュプレヒコールを繰り返したとモスコー・タイムズ紙は伝えている。だが、全国ネットの3大テレビ局はこのデモを一切報道しなかったという。

 一方、モスクワでは憲法に定められた「集会の自由」を守るよう要求する大衆行動が計画され、約500人が集まったが、違法集会だとして100人以上が警官隊に拘束された。この中には、野党政治家のネムツォフ元第一副首相、人権活動家ポノマリョフ氏らが含まれている。集会で一度にこれほどの拘束者が出るのは異例だ。

 このほか、サンクトペテルブルクや極東のウラジオストクでも集会やデモが行われた。こうした大衆行動はこのところ、ロシア国内で頻繁に行われていて、国民の間で金融危機による失業や給料カットへの不満が募っているとみられる。

 そうはいっても、プーチン首相の支持率は依然として50%以上あり、現在の鳩山内閣の支持率より高いことは間違いない。冬の長いロシアでは、寒い時に積もり積もったマグマが春になって一気に爆発することがある。今回のマグマは今後、さらに活発化するのかどうか定かではないが、12年の大統領選に向けて「政治の季節」が始まりつつあることだけは確かだ。

 

 
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