飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

メドベージェフ露大統領の支持率がここ1年で急増!

2010年06月01日 10時25分27秒 | Weblog
 メドベージェフ大統領が就任して満2年たった今年5月に行われた世論調査結果が公表された。1年前に比べ、大統領の支持率が7ポイント増加し、大統領の独自路線が国民に評価されてきたことが明らかになった。

 この調査は、ロシアの世論調査機関として定評のあるレバダセンターが実施したもので、その結果が1日のコメルサント紙に掲載された。それによると、大統領の支持率は昨年5月の調査では59%だったが、今年5月には66%となり、7ポイント増えた。その理由として大統領が独自路線を推進していると見る人が19%から42%へと大きく増えたことが上げられる。

 この結果についてレバダセンターのボリス・ドゥビン政治調査部長は「国民が大統領の具体的な成果や業績を評価しているというわけではない。金融危機の影響が落ち着いてきたうえ、大統領に慣れてきたからだ。言い換えれば、大統領に対する支持は理性的な理由ではなく、心理的なものだろう」と分析している。

 その半面、大統領が依然としてプーチン首相とそのチームのコントロール下にあると考えている人が44%に上っている(昨年5月には68%だった)。さらに、大統領は基本的にはプーチン首相の政策を継続していると考えている人も58%いる(前年同期は59%だった)。首相の影響力は多少衰えたものの、実権は依然首相が握っていると多くの国民が見ているといえそうだ。

 政治評論家のボリス・マカレンコ氏は、この調査結果を総合的に判断して「国民は大統領と首相による双頭体制に慣れてきたということだ」と分析している。同氏によると、大統領には首相と違う政治的スタイルがあることが国民に分かってきたが、それは大きな違いではなく、「二人が一緒にやってくれれば良い」という雰囲気が大勢だと見ている。

 次期大統領選をめぐって大統領と首相のどちらが立候補するかが注目されているが、この調査結果からはまだ決められないというのが大方の見方だろう。だが、就任当初は存在感が薄かったメドベージェフ大統領が徐々に力をつけ、今では経済の現代化を掲げて国政をリードしつつあることは間違いない。ロシアは金融危機からようやく回復しつつあり、このまま順調に進めばプーチン首相の出番はなくなる。大統領にとって2年後に再選されるかどうかは、この1年にかかっているといえよう。



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